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エンジョイ・ ヘルシーライフ

日常生活で心がけていることやヒントを聞く、エンジョイ・ヘルシーライフ。
今回は、スロージョギングを提唱する田中宏暁さんにお話を伺いました。

HIROAKI TANAKA田中 宏暁

1947年生まれ、福岡大学スポーツ科学部生理学研究室教授。福岡大学身体活動研究所所長。専門は運動生理学で、肥満・動脈硬化性疾患などの疾病の治療と予防・健康増進・競技力向上に有効な運動処方に関する基礎的、応用的研究が主なテーマ。著書に「スロージョギング入門」(PHP文庫)、「NHKきょうの健康 足腰を鍛えるスロージョギング&スローステップ」など多数。

ワンポイント レッスン

日本では長い間、かかとから着地するということが正しいと考えられてきました。足踏みしてみてください。どこで着いてますか。かかとじゃないですよね。ジャンプしてみてください。かかとでジャンプしてみてください。できないでしょ。足の指の付け根で着地する。これをフットフォア着地といいます。アキレス腱のバネの力を利用して前に進む。これを意識してみてください。

まず、スロージョギングの定義について話しましょう。笑顔で一緒に走っている人とおしゃべりを楽しめるスピードでするジョギングのことです。このペースを「ニコニコペース」と言っています。ふだん走ったことのない人なら、歩くスピードで走っているような状態。続けていくとこでスピードは変わるので、その人のニコニコペースには個人差があります。

痩せたい、メタボ解消というと、まず、勧められるのがウォーキング。30分〜1時間、週に2〜3回ウォーキングして、1カ月でどのくらいの減量を期待しますか、というとたいていの人は1キロくらいの減量をイメージしています。しかし、週2回、30分のウォーキングで1カ月続けて100〜150g。つまり全然痩せないんです。歩くというのは確かに全身運動なんですが、節約型の運動なんですね。

人間の身体は走るように進化してきた。走るようにデザインされています。チンパンジーは2足で歩くことができます。しかし、走る時は4つ足になる。人間だけが2足で走る。そして、毛がない。それは汗腺をもっているということ。ラジエーターですね。走るとどんどん体温が上がりますが、ラジエーターで冷やせる機能をもった。だから、人間は陸の王者になりました。

30分歩いてもエネルギーの消費はたかが知れているんです。スロージョギングならその2倍の消費になる。現代の社会で人間は走らなくなりました。日本人の場合、長い歴史の中でピンポイントでいうと、1980年代から。移動には乗り物を使う。階段を使わずエレベーターを使う。そういうことによって、走る時に使う大切な筋肉を使わなくなってしまったんです。太ももの前面。お尻の筋肉、大臀筋。背筋、大腰筋。それらです。歩くときにはあまり使われない。筋肉を使わないことが健康に悪い影響を与えています。

スロージョギングのいいところは誰でも簡単にはじめられること。高齢者でも息が上がらないように走ればいい。スローとつけたのは、ただジョギングというと、動悸がするほどのスピードで走ってしまうので。それでは続きません。歩くスピードでニコニコペースで走って、歩くときの2倍のエネルギー消費ですから、メタボ解消にも結びつきます。ぜひ、1日10分からでいいので、スロージョギングを始めてみてください。

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