生ブリ大根

vol.64

トップシェフのヘルシーレシピ

生ブリ大根

1人分 184kcal 食塩相当量 1.3g

冬から春においしい、プロのアレンジ
フレンチ版・生ブリ大根。

脂ののったブリを
たっぷり野菜と爽やかに。

 「寒ブリ」という言葉がある通り、天然ブリの旬は12~1月の寒い時期。脂がしっかりのってとてもおいしいですよね。ここ最近はそれに加え、養殖のブリも非常にいいものが増えていて、春先から市場に出回ります。私が使うのは長崎県平戸産の夏香という柑橘を餌に与えて育てた夏香ブリ。生臭さがなく鮮度が長持ちする、非常にいい魚です。ブリの切り身やアラを大根と一緒に炊いたブリ大根は日本の家庭料理としておなじみの1品ですが、今回はこの夏香ブリを使った、「火を使わない」フレンチ版ブリ大根のレシピをご紹介します。日に日に温かさを増す今の季節にぴったり、フレッシュかつヘルシーで、店でもご好評いただいています。
 火を使わないだけに、作り方はとても簡単。材料を切って、和えるだけ。どなたでも失敗なくお作りいただけますが、いくつかのポイントを抑えるとさらに格段においしく仕上がります。ブリは夏香ブリでなくてかまいませんが、新鮮で身に張りのあるちょっといいものを用意し、噛みしめるほどに旨みが広がるよう厚めに切ります。大根は甘みがあって色合いも美しい紅しぐれ大根を使い、氷水に浸けることで色鮮やか、かつシャキシャキの食感に。

 トマトは脇役ですので、紅しぐれ大根の味の邪魔をしないよう薄切りにします。マスタードは粒入りのものを使うと食感にアクセントが生まれます。
 そして冷たく仕上げる料理は、最初から最後まで冷やした状態で作ることがとても重要です。生魚と生野菜の1皿は、出来上がってから冷蔵庫に入れると、野菜から水分が出てぼんやりした味になり、また、魚はヴィネガー漬けになって、しめさばのように身が締まってしまいます。今回は紅しぐれ大根を氷水にさらしているので、その氷水で食材を和えるボウルを冷やした状態で調理を進めます。先にお伝えした通り、魚はヴィネガーに触れると身が締まってしまうので、ブリは仕上げの直前に合わせるのも大切なポイント。皿も冷やしておいて、和えて盛り付けたらすぐにテーブルへ運んで下さい。
 紅しぐれ大根やトマトの甘みや辛み、酸味といった野菜の風味が、肉厚のブリの濃厚な旨みを引き立てる1皿。野菜もたっぷり摂れるのがうれしく、ひんやりとした口当たりで気分もリフレッシュするはずです。

材料(4人前)

夏香ブリ

120g

トマト

1/2個

紅しぐれ大根

80g

ショウガ(すりおろし)

4g

エシャロット(みじん切り)

4g

ケッパー

4g

タスマニア産マスタード

4g
ドレッシング(A)

ひまわり油

50g

オリーブオイル

62g

クルミオイル

12g

シェリービネガー

25g

2.5g

白胡椒

適量

ディジョンマスタード

10g

*ドレッシングは材料の分量を合わせて作り使用量は1人当り大さじ1

  1. ブリは血合いを取り除き、約2cmの厚さに切る。トマトはやや薄めの串切りに、紅しぐれ大根は薄い輪切りにして氷水にさらしておく。

    主役はブリと紅しぐれ大根。トマトは薄く切ることで味を主張しすぎず、和えたときに全体がよくなじんで一体感が出る。

  2. 紅しぐれ大根をさらしている氷水のボウルの上にボウルを重ね、トマト、ケッパー、マスタード、エシャロット、しょうが、Aの材料を合わせたドレッシング大さじ4を入れて混ぜる。

    生野菜や生魚を使う料理は、常に材料を冷やした状態で調理すると、フレッシュに仕上がる。

  3. (2)にブリと、水気を切って千切りにした紅しぐれ大根を加えて和える。

    生魚はヴィネガーに触れると身が締まってしまうので、食べる直前に和えること。

  4. 冷やした皿に盛り付ける。

ブリはおいしいだけでなく、とてもヘルシーな食材。栄養価の高さは、青背の魚の中でもトップクラスといわれています。とくにDHA(ドコサヘキサエン酸)という脂肪酸が多く含まれています。さらにタウリンも豊富。ビタミンB1、B2、Dもバランスよく含まれています。紅しぐれ大根は、外皮が薄い紫色をしているのが特徴。切ってみると、中心部も薄い紫色が入っています。この紫の色素は抗酸化作用に優れているアントシアニン。含有量は青首大根の約3倍といわれています。サラダ仕立てのフレンチ版ブリ大根で、おいしくヘルシーな食材を手軽にチャージして下さい。

掛川哲司 SATOSHI KAKEGAWA

1978年、横浜生まれ。箱根『オーベルジュ・オー・ミラドー』、青山『ナリサワ』での修業を通じ、フレンチ、ガストロノミーの技術と考え方を体得。表参道『デイルズ・フォー・オーガニック』のシェフを経て、2012年、「港町のビストロ」をコンセプトにした『ata』を代官山にオープン。レストランクオリティの料理をビストロの気軽さで楽しめる店として話題を呼ぶ。缶詰の商品開発やプロデュース業など、店の外でも活躍。

ata

住│
東京都渋谷区猿楽町2-5 佐藤エステートビル3号館1F
電│
03-6809-0965
営│
17:00~翌2:00
休│
日曜
席│
24席

カード│使用可

毎月2回更新

2017.3.13 UP 次回は3月27日更新予定です。

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