春野菜とアオリイカのあっさり塩炒め

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トップシェフのヘルシーレシピ

春野菜とアオリイカのあっさり塩炒め

1人分 171kcal 食塩相当量 1.9g

鮮やかな若草色の春野菜
下処理で差が付くプロの味。

甘み、ほどよい苦み、食感など
春野菜の楽しさを1皿に凝縮。

 春は新しい生命の息吹を感じる季節。寒さがやわらぐと同時に顔を出すフキノトウやタラの芽といった山菜や、初夏にかけて旬を迎える豆類は、そんな季節を象徴する食材といえます。それぞれ異なる甘さやほどよい苦み、食感があって、シンプルな塩炒めにするだけで十分においしい。野菜だけでも立派な1品になりますが、今回は旬のアオリイカを加えます。イカにもさまざまな種類がありますが、柔らかく、甘みの強いアオリイカは、イカの王様ともいわれる一級品。彩りや食感もより豊かになり、ごちそう感が格段にアップします。
 フライパンひとつでもできるのが炒めものですが、見えないところにひと手間をかけるのがプロの味づくり。素材を別々に下ごしらえすることで、ワンランク上の味になります。まず豆類は塩ゆでに。仕上げにほかの材料と合わせて炒めるので、ゆで加減はややかためで止めておきます。山菜類は、油でさっと素揚げにして、香ばしさをまとわせながら、旨みや香りを内側にぎゅっと閉じ込めます。アオリイカは両面に蛇腹に包丁を入れておくこと。これはごくまれに剥き切れなかった皮が表面に残っていることがあり、火を入れたとき固く、口当たりが悪くなるのを防ぐためです。

 それぞれの素材に適切な下ごしらえをしておけば、あとは簡単。長ねぎのみじん切りを香りが立つまで炒めて、あらかじめ合わせておいた調味料を入れて軽いとろみをつける。これが味のベースになります。あとは材料をすべて入れて、さっと炒めるだけ。長い時間炒めると食材の色も食感も台無しになってしまうので、火の上で「和える」くらいの感覚で軽く炒めるだけで十分です。
 今回は豆類と山菜を使いましたが、他にもグリーンアスパラもいいですし、春キャベツなどを入れても甘みが増します。夏にはキュウリやセロリで作ってもおいしい。年間を通じて応用できるレシピです。
 山菜独特のほろ苦さやえぐみは、食べれば冬の間に体に滞っていたものが浄化されるような心地になります。豆類の優しい甘みも、この時期ならではの味。炒めものはいろいろな野菜をいちどにたっぷり味わえるのがいいですし、そうすることで異なるそれぞれの味が引き立ちます。そして何より、鮮やかな若芽色が、食卓に春を運んできてくれます。

材料(2人前)

うすいえんどう

2房

空豆

4粒

スナップエンドウ

4本

タラの芽

2個

フキノトウ

2個

サラダ油

適量(素揚げ用)

行者にんにく

2本

アオリイカ(刺身用)

70g

長ねぎ(みじん切り)

大さじ1

サラダ油

大さじ1弱
A(合わせ調味料)

2g

砂糖

小さじ1/2

小さじ2

米酢

1滴

チキンブイヨン

小さじ1

水溶き片栗粉

大さじ1
  1. アオリイカは両面に蛇腹に包丁を入れ、ひと口大に切る。

    剥ききれない皮が残り、食感が悪くなるのを防ぐため。切り込みを入れることで、味も絡みやすくなる。

  2. うすいえんどう、空豆はさやから外し、スナップエンドウは筋を取る。鍋に湯を沸かして塩をひとつまみ入れ、約1~2分を目安に固めにゆでる。湯から上げる直前にアオリイカを加え、一緒にさっと湯にくぐらせる。

    アオリイカは生でも食べられるので、火を入れすぎないよう短時間、湯にくぐらせる程度に。

  3. タラの芽、フキノトウは根元の部分を取り除き、さっと素揚げする。

  4. 鍋にサラダ油を熱してみじん切りにした長ねぎを炒め、香りが立ったらAを入れる。ややとろみが出てきたら(2)の豆類とアオリイカ、(3)の山菜類と行者にんにくを入れ、さっと合わせるように炒め、皿に盛り付ける。

    下処理でそれぞれの素材に火が通り、味も引き出せているので、軽く和えるような感覚で手早く炒める。

フキノトウやタラの芽は、春の味覚・山菜の代表格。フキノトウは雪解けと同時に芽吹き、タラの芽は桜が咲くころが旬といわれ、どちらもカリウムが豊富に含まれています。うすいえんどうなどの豆類は良質なたんぱく質を含むことで知られ、ビタミン、カリウムなども豊富。スナップエンドウはさやえんどうのみずみずしさとグリーンピースの甘みを持つ大人気の野菜ですが、ビタミンC、カリウム、カルシウムなどもバランスよく含まれ、さやごと食べられるので食物繊維も摂取できます。イカは高たんぱく、低脂肪、低カロリーの優良食品。タウリンも豊富です。それぞれ香り、風味、食感が豊かなので、わずかな塩味で味が決まるのもヘルシーさの所以です。

古田等 HITOSHI FURUTA

1956年生まれ、岐阜県郡上市出身。22歳で『開化亭』をオープン。中華料理の本流を踏まえながら、独創的なアイデアとテクニックでオリジナリティ溢れる美味を生み出す。2014年12月23日に東京・銀座に『Furuta』をオープン。旧店を長男に託し、カウンター8席の新天地で新たなステージに挑戦。食材や調理法の組み合わせは秀逸で「鮎の春巻き」「冷製ビーフン キャビアの純正ごま油和え」等、スペシャリテも多数。

Furuta

住│
東京都中央区銀座1-21-14
電│
03-3535-5550
営│
17:00~最終入店20:30
休│
日曜、月曜
席│
8席

カード│使用可

毎月2回更新

2017.4.10 UP 次回は4月24日更新予定です。

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