ゴーヤーと鶏ささみのおひたし

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トップシェフのヘルシーレシピ

ゴーヤーと鶏ささみのおひたし

1人分 96kcal 食塩相当量 1.8g

さっぱりとした味わいの中に
独特の苦みが心地よく際立つ。

「冷やしながら作る」ことで
彩りも食感も豊かに。

 夏の訪れとともに店頭に並ぶ島野菜・ゴーヤー。今では全国的に栽培されていて、9月に入ってもまだ露地ものを見つけることができます。暦の上では秋でも夏のような暑さが続くことが多い近年、シャキシャキの食感と苦みのあるゴーヤーは、長く楽しめるだけ楽しみたい食材ですよね。店ではさっぱりとしたお浸しでお出しすることが多く、お客様にも喜ばれています。今日は高たんぱく低カロリー、ヘルシー食材の代表格ともいえる鶏ささみと合わせたレシピをご紹介します。
 お浸しなので何も難しいことはありません。ゴーヤーと鶏ささみは、それぞれ別々に火を通しておいて、あとは漬け地に漬けるだけ。ゴーヤーは沖縄料理のチャンプルーで知られるように油と相性がいいので、ゆでるのではなく炒めると苦みも和らぎ、いい味になります。鶏ささみは、店では70℃で15分かけて低温調理しますが、ご自宅ではきちんと火が通れば大丈夫。ゆでるより蒸したほうが、旨みを逃さず調理できます。

 鮮度を保つ意味でも、食感や色味を出す意味でも、しっかり冷やした状態で調理を進めることが重要です。漬け地を氷水で冷やしておき、炒めたゴーヤーを急冷する。これを仮漬けといいますが、粗熱を取り、ゴーヤーの色を鮮やかに保つ「色止め」を行うのが目的です。仮漬けした地は、ゴーヤーの水分が出て薄まっているので、一度流して新しい地で本漬けをします。このひと手間で、きりっと澄んだ味に。せっかく冷たい状態で調理をしているゴーヤーと漬け地を温めないよう、加熱した鶏ささみをあらかじめ冷やしておくのも大事なポイントです。
 漬け地は塩味をベースに、薄口醤油を少々。醤油ベースでもおいしくできますが、ゴーヤーの鮮やかな緑色を活かしたいので、この配合がおすすめです。ゴーヤーは薄切りに、鶏ささみも同程度の大きさにほぐすと、箸でつまみやすく、味わいもより繊細になります。同じ沖縄の食材、ミミガーとも相性がよく、店ではミミガーでお出しすることも。燻製のものが市販されているので、手に入るようなら、そちらもぜひ試してみて下さい。

材料(2人前)

ゴーヤー

1本

太白胡麻油

大さじ1

鶏ささみ

80g

大さじ3

1g

ゆず

適量

花穂紫蘇

適量
A(漬け地)

だし(昆布・かつお)

400cc

みりん

40cc

4g

薄口醤油

小さじ1

しょうが汁

小さじ1
  1. ゴーヤーは縦半分に切り、綿の部分を取り除いて厚さ1.5mmの薄切りにする。

  2. 鶏ささみは酒と塩を振り、蒸し器で蒸して冷ましておく。

    鶏ささみはあらかじめ加熱し、冷やしておくことで、後でゴーヤーと合わせたときに漬け地の温度が上がらず、鮮度を保てる。

  3. Aの漬け地の半量を氷水で冷やしておく。フライパンに太白胡麻油をひき、(1)を炒める。透明感が出るまで火が通ったら、漬け地に入れ2~3時間仮漬けする。しっかり冷えたら仮漬けの地を流し、残り半分の漬け地で本漬けする。

    漬け地を冷やしておくことで、色鮮やかに食感よく仕上がる。ゴーヤーの水分が出て地が薄まるので、仮漬け、本漬けの2段階で漬ける。

  4. (3)に(2)の鶏ささみを手でほぐして加える。器に盛り付け、お好みで花穂紫蘇、ゆず皮などを添えて完成。

強い苦みがあることから「ニガウリ」とも呼ばれるゴーヤー。沖縄では庭先で日除け替わりに栽培するのが一般的。都会でもエコ志向の浸透とともに「緑のカーテン」としてすっかりポピュラーになり、家庭菜園で育てる野菜としても親しまれています。同量のきゅうりやトマトの5倍ともいわれるビタミンCをはじめ、栄養価も豊富。独特の苦み成分は「モモルデシン」といって、胃腸の粘膜を保護したり食欲を増進させたりする働きもあるといわれています。おいしいゴーヤーの見分け方は、色が濃く艶やかで、大きすぎず、ずっしりと重みがあるもの。秋本番の到来前に、たっぷりと味わって下さい。

佐藤寛幸 HIROYUKI SATO

1978年、愛知県生まれ。調理師学校を卒業後、岐阜の日本料理店『たか田八祥』に勤務。13年間腕を磨く。同店出身でミシュラン二つ星の東京・三田『晴山』山本晴彦氏に乞われ、4年間、ホール、厨房での仕事を経験し、2015年10月、銀座に自身の名を冠した『寛幸』をオープン。6席のカウンターが中心の店をひとりで切り盛りする。和食を軸に、さまざまな食材を取り入れた創意あふれる料理に定評あり。食通から料理人仲間にまで幅広く支持される。

寛幸

住│
東京都中央区銀座4-10-1 HOLON GINZA6F
電│
03-6264-3317
営│
17:00~24:00LO(22:00~ショートコースあり、金・土はアラカルトも)
休│
不定
席│
カウンター6席、サブカウンター2席

カード│使用可

毎月2回更新

2017.9.11 UP 次回は9月25日更新予定です。

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