生活習慣病の基礎知識

高血圧の基礎知識

脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)、
心臓病(冠動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、心不全など)、
腎臓病(腎硬化症、腎不全など)の原因となる高血圧。
血圧管理と生活習慣の改善で予防に努めましょう。

いま、日本では
成人の約2.4人にひとりが、
高血圧といわれています。

※「高血圧治療ガイドライン2014」によると「NIPPON DATA2010における高血圧有病率から、本邦における2010年の高血圧有病者数は約4300万人(男性2300万人、女性2000万人)と試算された。」とあります。この推計値(20歳以上)約4,300万人は、わが国の成人人口(平成22年1億366万人 概算値)の約2.4人にひとりに当たります。

高血圧は血管に強い圧力がかかり過ぎている状態です。

血圧とは、血液が心臓から押し出されて血管を通るときに、血管の壁にかかる圧力のことです。血圧には「収縮期血圧」と「拡張期血圧」があります。「収縮期血圧」は心臓が収縮して血液を押し出した時に血管の壁に与える圧力です。「拡張期血圧」は心臓が拡張して血液を取り込んだ時に血管の壁にかかる圧力です。どちらかでも基準値を超えると、「高血圧」と診断されます。

成人におかる血糖値の分類(mmHg)

遺伝+生活習慣=わが国の高血圧のほとんどはこれが原因です。

高血圧を引き起こす主な要因

高血圧のタイプは、2種類。「本態性高血圧」は高血圧になりやすい遺伝的な要因に、悪い生活習慣等が加わって血圧が高くなるものです。 「二次性高血圧」は腎臓病や内分泌系の病気、薬剤等の影響で起こるもので、原因となっている病気が治れば、血圧も下がります。日本人に多いのが「本態性高血圧」です。生まれつき高血圧になりやすい人が、食塩の過剰摂取、肥満、アルコール、運動不足等の悪い生活習慣を続けることによって心臓や血管に負担をかけ、高血圧になってしまうのです。高血圧を防ぐには、まず、日頃の生活習慣の見直しが大切です。

高血圧の本当の恐ろしさは、
「合併症」です。

血圧が高いといわれて放っておくと、
気づかないうちに、動脈硬化を起こしてしまいます。

高血圧は、初期には自覚症状が現れない病気です。まず血圧が高くなると、血管に常に強い圧力がかかり、血管の壁が厚く硬くなる動脈硬化になります。また動脈硬化があると血管は弾力を失い血圧はさらに高くなり、悪循環を起こします。そして脳の血管が障害されると脳出血、脳梗塞になります。心臓の血管が障害されると狭心症や心筋梗塞になります。自覚症状がないといって放っておけば、生命にかかわる様々な合併症を引き起こします。

血圧が高いまま放置しておくと
高血圧の主な合併症

高血圧解説・監修 愛媛大学大学院医学系研究科 循環器・呼吸器・腎高血圧内科学 教授 檜垣實男

家庭血圧を測りましょう。

血圧は24時間変動します。

血圧は、常に一定ではありません。1日の中でも 時間帯によって様々に変化します。診察室血圧ではわからない早朝の高血圧や夜間の高血圧でも心筋梗塞が発生しやすくなります。

血圧上昇度

家庭血圧からわかる血圧の異常。

早朝高血圧

朝方の血圧が高い

診察室血圧が正常なのに、起床後の早朝血圧が高い状態(135/85mmHg以上)を「早朝高血圧」と呼びます。早朝高血圧には、右の2つのタイプがあります。

仮面高血圧(逆白衣高血圧)

診察時の血圧は正常なのに…

診察時の血圧は正常なのに、家庭で測る血圧が高い場合を「仮面高血圧」と呼びます。

白衣高血圧

病・医院で血圧を測るといつもより血圧が高い

高血圧治療を受けていない方で、家庭血圧は正常なのに、診察室で血圧を測ると血圧が高い場合を「白衣高血圧」と呼びます。

血圧図

あなたの家庭での血圧、
先生にお話ししていますか?

朝と夜に測りましょう
朝と夜に測りましょう
家庭血圧の 正しい測り方
家庭血圧の正しい測り方

高血圧改善は、食事の改善が基本。

「塩分控えめを守る」、
「適正エネルギーを守る」、
「栄養のバランスを守る」。
―これが、高血圧からあなたを守る食事の3本柱です。

高血圧の食事療法では、1日の塩分摂取を6g未満に。また、1日の食事から摂るエネルギー量を守りましょう。そして、栄養バランスにも注意。

炭水化物や脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの各栄養素をバランス良く摂るように心がけます。

1日の食塩相当量は6g未満に。

食塩相当量とは、食品、加工食品、調味料等に含まれるナトリウム量から食塩量を換算したものです。

ナトリウム(g)×2.54=食塩相当量(g)
ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)
ナトリウムの表示例
飾り 飾り

細かい計量ができる計量スプーンを利用しましょう。

液体の1/3や1/4を計る時には、小さじ1/3や小さじ1/4等の計り切りタイプの計量スプーンを使うと、手軽に計量できます。

食塩(塩化ナトリウム)の摂取量が多いと食塩中のナトリウムの摂取も多くなります。血液中にナトリウムがたまると、循環する血流の量が増加し、血圧が上昇します。このナトリウムコントロールの指標となるのが、1日の食塩相当量の摂取を6g未満にすること。調理の際は、調味料の量を目分量で判断するのではなく、計量スプーンを使い、正確に計量するよう習慣づけましょう。

あなたには、あなたの適正なエネルギー範囲があります。

適正なエネルギーは、簡単な計算で知ることができます。もしあなたが、身長170cmであまり体を動かさない仕事の場合、1日の適正エネルギーは約1600〜1900kcal。中高年の方の多くは、身体活動レベルの「低い」にあたります。

適切なエネルギーの計算

高血圧対策のため、1日にどのくらい食べてもいいのでしょうか?

 

食品群

1200kcal

1400kcal

1600kcal

1800kcal

摂取量

エネルギー

摂取量

エネルギー

摂取量

エネルギー

摂取量

エネルギー

炭水化物を
多く含む食品

ご飯、その他穀類

330g

510kcal

400g

656kcal

480g

758kcal

550g

904kcal

芋類

40g

28kcal

40g

28kcal

50g

35kcal

60g

42kcal

果実類

100〜150g

44kcal

100〜150g

44kcal

100〜150g

54kcal

150g

82kcal

たんぱく質を
多く含む食品

肉類

40g

91kcal

40g

91kcal

50g

114kcal

50g

114kcal

魚介類

60g

91kcal

60g

91kcal

70g

106kcal

70g

106kcal

大豆、大豆製品、
その他の豆類

40g

54kcal

40g

54kcal

50g

68kcal

60g

82kcal

卵類

50g

81kcal

50g

81kcal

50g

81kcal

50g

81kcal

牛乳類

180g

129kcal

200g

143kcal

200g

143kcal

200g

143kcal

ビタミン・
ミネラル・
食物繊維を
多く含む食品

緑黄色野菜

120g

34kcal

120g

34kcal

120g

34kcal

120g

34kcal

その他の野菜

230g

58kcal

230g

58kcal

230g

58kcal

230g

58kcal

きのこ類

10g

0kcal

10g

0kcal

10g

0kcal

10g

0kcal

海藻類

10g

0kcal

10g

0kcal

10g

0kcal

10g

0kcal

脂質を
多く含む食品

油脂類

6g

48kcal

10g

80kcal

12g

96kcal

12g

96kcal

種実類

2g

11kcal

2g

11kcal

2g

11kcal

3g

16kcal

その他
調味料

砂糖類

6g

22kcal

6g

22kcal

6g

22kcal

6g

22kcal

調味料・その他

0g

0kcal

0g

0kcal

10g

7kcal

15g

10kcal

合計エネルギー

1201kcal

1393kcal

1587kcal

1790kcal

1日に食べられる食品の分量を把握しましょう。

上の表は、各食品の「1日に食べてもいい量」を一覧にしたものです。前項で算出した適正なエネルギーにあわせてご覧ください。表中にあるグラム数が、食品ごとの1日に摂取したい重量なので朝・昼・夕の3食に振り分けて食べれば、自然と栄養バランスのよい食事メニューになります。

また、適正なエネルギーが変わっても太字の重量しか変化しません。ご家族での食事等、それぞれ異なったエネルギー量の食事をつくる場合には、太字の重量を加減してください。皆さんと同じ献立を楽しむことができます。

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