かしこいレシピ

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“味つけひとつ”で
らくらくレンジ料理
〜 醤油、酒、砂糖はオール「大さじ1」で決まる 〜

「おいしい」が食への関心につながる

高齢になると料理をする意欲が減退してしまう方は少なくありません。買い物や調理が面倒というだけでなく、食べることそのものへの関心が薄れ、食欲が落ちて低栄養な状態に陥ってしまいがちです。
食への興味を喚起し、持続させるには、ただ栄養面だけを考えるのではなく、食べておいしいと感じることが大切。
そこで、誰でも味つけが決まるシンプルなルールと、洗い物などの手間を軽減してくれる電子レンジの活用法をご紹介します。

料理は基本的には科学なので、おいしいと感じる調味料の分量にも科学的な根拠があります。その原理原則さえ理解してしまえば手際よく味を決めることができ、応用も簡単。
料理研究家の村上祥子先生はそういった原理原則をシンプルなルールに落とし込み、誰でも簡単に作れる料理を数多く考案しています。今回は電子レンジも活用し、料理への心理的ハードルがぐっと下がるレシピと技を村上先生に伝授していただきました。

「醤油、砂糖、酒は各大さじ1」のルール

まずは基本の味つけである醤油味のルールを覚えましょう。醤油、砂糖、酒はすべて大さじ1です。肉じゃがや親子丼など、和食の定番の甘辛味はすべてこの味つけでOK。同じ味つけでも素材の持つ個性とのかけ合わせで味は様々に変化します。また、ちょっとにんにくを効かせたり、赤唐辛子で辛さを足したりすれば中華風の味にもなります。

味つけの鍵となるのは塩味。食材に対して塩分1%前後が一般的においしいと感じられる濃度です。塩分を控えたい方は0.8%、濃いめの味が好みの方は1.5%くらいと多少の幅はありますが、シンプルなルールとして「100gの食材や100mlのだし汁の味つけには塩分が1gになるように調味料を入れる(※)」と覚えておけばOK。

醤油大さじ1に含まれる塩分はおよそ3gなので、食材や水分が合計で200〜300gになるようにすれば味見をせずとも味は決まるというわけです。この時注意したいのは、食材は正味重量で考えること。皮や種など調理には使わない部分を除いた重量であるということがポイントです。

(※)高血圧の方は食塩相当量(塩分)「0.8g」をきちんと計量することをおすすめします。ここでは味つけに自信のない方や、高齢者の方やフレイルの方に、より簡単な調理方法として知っていただくため、覚えやすい分量で提示をしています。

電子レンジ加熱は100g2分が目安

味つけのほかに、料理がおいしくできない原因に火加減があります。けれども鍋やフライパンの中の状態を見て火加減を判断するには少々経験が必要です。電子レンジ加熱にすることで、ここもまた数値によってルール化できると村上先生は言います。

「加熱時間は材料100gに対して2分と覚えてください(600W)。肉でも野菜でも同じです。電子レンジの機種によって、上から電磁波を当てるものと下から当てるものがありますが、加熱の際はお皿などで上げ底をするとどちらのタイプでもムラなく加熱されます」

100g2分を目安にまずはスイッチオン。常に材料が100gの倍数ということは少ないので、だいたいでOKです。いいにおいがしてきたら一度開けて火の通り具合をチェックすると、加熱しすぎを防げます。

塩分濃度と加熱時間。この2つの原理原則さえ頭に入れてしまえば、たいていの料理は意外なほど簡単にできてしまいます。今回は、苦手料理の代表格・魚の煮つけ、敬遠されがちな揚げ物を揚げずに作る唐揚げ、火加減がモノをいいそうな中華の炒め物の3品を、同じ味つけと電子レンジで作ります。基本がわかれば応用は自由自在。ぜひお試しください!

村上 祥子 先生
料理研究家。管理栄養士。公立大学法人福岡女子大学客員教授。治療食の開発で、油控えめでも一人分でも短時間においしく調理できる電子レンジに着目。以来、研鑽を重ね、電子レンジ調理の第一人者となる。
著書に『味つけひとつでなんでも料理』(女子栄養大学出版部)、『村上レンチン食堂の「15分で2品」定食』(講談社)など多数。これまでに出版した著書は330冊730万部にのぼる。

まずは醤油+砂糖+酒で子持ちカレイの煮つけ

1人分 158kcal 食塩相当量 1.0g

材料(2人分)

  • 子持ちカレイ2切れ(200g)
  • A醤油大さじ1
  • A砂糖大さじ1
  • A大さじ1

  1. 01.破裂防止のため、カレイを盛り付けたとき表になる方の皮に縦に1本、骨に届くまで切り込みを入れる。
  2. 02.耐熱皿にAを入れて砂糖が溶けるまで混ぜ、01を、盛りつけたとき表になる方を上にして2切れ置き、スプーンで調味料をかける。
  3. 03.ふんわりとラップをし、受け皿(※)にのせ、電子レンジ(600W)で4〜5分加熱する。
  4. 04.魚の煮えるいいにおいがし、加熱時間が終了したら、卵に火が通っていることを確かめて器にカレイを盛り、煮汁をかける。

糸底のある耐熱性の皿なら何でもOK。ターンテーブル式レンジは下側の加熱が弱く、フラットタイプのレンジは下側の加熱が強すぎます。どちらのレンジも受け皿を1枚使用することで、上下の加熱ムラを防ぐことができます。

プラスおろしにんにくで揚げない唐揚げ

1人分 248kcal 食塩相当量 1.1g

材料(2人分)

  • 鶏もも肉200g
  • A醤油大さじ1
  • A砂糖大さじ1
  • A大さじ1
  • Aおろしにんにく小さじ1/4
  • 小麦粉小さじ1
  • サラダ油小さじ1
  • レモン(くし形切り)1〜2個

  1. 01.鶏肉は6つに切ってAを絡ませ、5分ほどおく。時間がないときは、すぐに02のステップに進んでもよい。
  2. 02.クッキングシートを敷いた耐熱皿に、01の鶏肉に小麦粉をちょっと付け(まだらでよい)、破裂防止に皮を下にして並べ、サラダ油を少しずつかけてスプーンの背でなでつける。
  3. 03.ラップをせずに電子レンジ(600W)で4分加熱する。
  4. 04.器に03を盛り、レモンを添える。

プラスごま油と赤唐辛子でチンジャオロース

1人分 164kcal 食塩相当量 1.4g

材料(2人分)

  • ピーマン3個(100g)
  • 牛もも薄切り肉100g
  • 片栗粉小さじ1
  • A醤油大さじ1
  • A砂糖大さじ1
  • A大さじ1
  • Aごま油小さじ1
  • A赤唐辛子1本
  • ※二つにちぎり、種を除く。

  1. 01.ピーマンはヘタと種を除き、幅2cmの短冊切りにする。
  2. 02.牛肉は3cm幅に切ってから重ねて幅1cmの短冊切りにし、かたくり粉をまぶす。
  3. 03.耐熱ボウルにAを合わせ、02を加えて絡め、01をのせ、ふんわりとラップをし、電子レンジ(600W)で4分加熱する。
  4. 04.取り出して、ひと混ぜして器に盛る。

次回は「プラス1品で栄養価アップ」です。
お楽しみに!