e食材辞典

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新鮮な食材の見極め方や旬の時期、下処理の仕方からその調理法まで、
毎日のお買い物や献立づくりに役立つ情報が満載です。

食材解説・監修|神戸女子大学家政学部教授 後藤昌弘(農学博士)

魚介類

タコ/マダコ

タコ/マダコ

この食材のレシピ

分類 マダコ科マダコ属
原産地 世界各地に生息する。
学名 Octopus vulgaris
外国語名 Octopus (英)、Poulpe (仏)
別名 章魚、鮹、8本の足のぶら下がる様子が似ていることから、女房詞で天蓋といった。
由来 鱗のない魚「膚魚(ハタコ)」が転訛したと言う説、足が長いから「多股(タコ)」となったとする説、「タ(手の意味)」と「コ(たくさんの意)」であるとする説、タコの足(手)が物に「凝りつく(まとわりつく)」ところから「手凝り」が転訛したとする説など様々なものがある。
歴史背景 日本人は有史以前からタコを食べていたと言われ、平安時代の延喜式にも乾蛸(ほしだこ)の記録がある。しかし日本以外には韓国などアジア諸国、メキシコ、イタリア、スペイン、ギリシャなどの一部の国をのぞき、食用の習慣がない国がほとんどである。
時期 夏が産卵期だが、その直前のものがおいしい。この頃のものを「麦わらたこ」と呼び、岩棚に生み付けられた房状の卵は「海藤花(かいとうげ)」とも呼ばれる。この海藤花は瀬戸内の名産で、塩漬けの瓶詰めなどが売られている。
国内分布 日本各地の沿岸海底に生息するが、明石から瀬戸内沿岸、九州、東北の三陸沿岸、三浦半島のものなどが有名。日本人は世界の総漁獲高の2/3を消費するが、半数以上をアフリカ沖合ものなど、輸入に頼っている。
特徴 世界に200種以上もいるといわれるタコだが、国内で水揚げされるタコの主力がマダコ。久里浜産と明石産が特に有名。明石のタコは潮の流れが早い磯に住んでいるので筋肉が発達し、歯ごたえがよい。タコは白身の魚と同じほどタンパク質に富み、ミネラルも多い。タウリンを多く含む。
下処理 たこのゆで方 (1)胴を裏返して、墨袋(つぶさないようにていねいに取り扱うこと)と内臓の部分を取り除き、きれいに水で洗う。(2)塩を振って、手でよくもむようにして、ぬめりや汚れを落とし、きれいに水洗いする。(3)大鍋に湯を沸騰させ、布袋に番茶をひとつかみ入れたものか醤油を少し入れて、足先から入れてゆでる(ゆですぎるとかたくなるので、手早くゆで上げる)。
料理名 たこの刺身、たこしゃぶ、すし種、たこ酢、たこのマリネ、たこのやわらか煮、たこのサラダ、たこのトマト煮、たこのオリーブ煮、たこのしそ香焼き
調理法 関西では生のものを刺し身やすし種にするが、一般的にはゆでてから酢の物、煮物、天ぷら、焼き物などにする。洋風ではマリネ、トマトソース煮、サラダなどに。火を通しすぎるとかたくなるので、強火でサッと煮るか、逆に弱火でじっくりと長時間煮てやわらかくするとよい。
加工品 干しだこ、たこの燻製、たこの塩辛風
選び方 真だこは、体長60cmぐらい。本州以南の各地の近海でとれるが、味は瀬戸内海のものがよく、とくに明石のものは最高とされている。水だこは、体長3mぐらい。東北や北海道の寒冷域の海でとれる。水っぽいので、酢で身をしめた“酢だこ”に加工されたものがよく出回っている。普段よく食べるのは真だこだが、現在、国産のものは多くとれず、値段が高いため、出回っているもののほとんどはアフリカからの輸入もの。生きている真だこは灰褐色であるが、ゆでると小豆色になり、鮮度の高いものほど色がはっきりしている。生のものを選ぶなら、表面にぬめりがなく、つつくとサッと縮み、吸盤に弾力があって、触ると吸い付くようなものを。ゆでたものでは、皮の表面に傷がなく、はげていないもの、足の巻きがよく、弾力のあるものを。
保存方法 鮮度が落ちやすいので、ゆでたものでも1~2日で使い切ること。ゆでたものならラップで包んで冷凍保存もできる。
栄養 高タンパク、低脂肪で、タウリンを豊富に含む。
備考 タコの産地として有名な久里浜では小麦、番茶、小豆などを入れてタコをゆでる。こうすると、身の締まりがよくなっておいしい。「芝居・蒟蒻・芋・タコ・ナンキン」とは、女性の好きな物を並べた関西地方の言い回し。