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1人分 124kcal 食塩相当量 1.3g
春野菜がごろっとたっぷり
だしが染み出たスープがごちそう。
生ハムとにんにくで
旨みと香りをプラス。
まだまだ寒い日が続きますが、食材はゆっくりと冬から春に。そんな時期にぴったりの春野菜のメネストラを紹介します。スペイン北部で親しまれる野菜のスープ。材料の野菜を水から煮込むだけの簡単スープが、ひと手間でレストランの味、スペインが香る味になります。
使う野菜は、じゃがいも、たまねぎ、にんじん、グリーンピース、いんげんがベース。現地のどの店で食べてもだいたい入っています。そろそろ新たまねぎ、新じゃがいもが出始める頃。みずみずしい甘さは、煮込み料理にも最適ですよね。ほか、芽キャベツ、ホワイトアスパラなどをお好みで。煮込み料理なので、野菜の切り方に決まりはありません。お好みで、食べやすい大きさに。でき上がったときに、野菜の形、食感が残ったほうがいいので、あまり小さく切り過ぎないほうがいいでしょう。野菜はすべて一緒に、水から火にかけます。
野菜を煮込んでいる間に、フライパンでにんにくのみじん切りと生ハムを炒めます。両方に火が通ったら、少量の小麦粉を加えてさらに炒める。にんにくの香りと辛み、生ハムの塩気と旨みがぎゅっと詰まったルウを作るイメージです。このルウに、水からじっくりゆでた野菜とそのゆで汁を加えて、ひと煮立ちさせたら完成です。ゆで汁にも、野菜の旨みがたっぷり出ていますから、生ハムのルウと野菜だし、ダブルのおいしさになる。小麦粉を使っているので、わずかにとろみも付きます。温まりますよね。
水からゆでた野菜に塩を加えるだけでも、十分においしいスープができますが、生ハムのルウを使うことで旨みが格段に増し、同時にぐっとごちそう感が増します。野菜の切り方とゆで汁を加える量次第で、野菜の煮込み風にも具だくさんスープにもなる。
冬なら根菜や白菜で、夏ならトマト風味にして、と四季を通じてアレンジを楽しめます。まずは春野菜の時期に、ぜひ作ってみて下さい。
たまねぎ、じゃがいも、にんじん、ホワイトアスパラ、いんげんを適当な大きさに切る(あまり小さく切り過ぎない)。グリーンピースはさやから出し、芽キャベツはヘタを取っておく。
鍋に(1)と水を2L入れ、塩を加え、火にかける。沸騰したら弱火にし、30分煮込む。
フライパンにオリーブ油をひき、にんにくと生ハムを炒める。香りが立ったら、小麦粉を加えてさらに炒める。
にんにく、生ハム、小麦粉で香りと旨みが凝縮されたルウを作る。
(3)に(2)の野菜を取り出して加えて全体を合わせ、残りのゆで汁を加えて軽く煮込む。
野菜のゆで汁が、ブイヨン代わりに。量はお好みで。
たまねぎ生産量日本一を誇る北海道では、たまねぎの種を春に蒔きますが、その他の地域では秋蒔きが一般的。通常、5月ぐらいから収穫を始める秋蒔きのたまねぎを早めに収穫したものを新たまねぎと呼びます。みずみずしく、甘みが強く、生でもおいしいですが、丸ごと、あるいは大きめに切ってじっくり火を通しても、その甘みを存分に味わうことができます。今回のような煮込み料理なら、青い茎の部分まで入れてもおいしい。ふつうのたまねぎに比べ傷みやすいので、冷蔵庫で保存して下さい。
1981年、埼玉県生まれ。2002年、渋谷のスペイン料理店『サン・イシドロ』(現閉店)に入店。スペイン研修を経験しながら8年勤め、内2年はシェフを務める。同店の移転を機に退店。牛込神楽坂のスペインバル『バル・マコ』を1年手伝い、2012年6月、代々木八幡に『アルドアック』を開業。2021年8月より鎌倉への移転に伴い、店名を改めて『アンチョア』としてオープン。伝統料理をベースとしたスペイン各地の料理を上質なワインと併せて提供する。