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1人分 140kcal 食塩相当量 1.5g
魚の切り方、にんにくの扱いで
ワンランク上の味わいに。
フレッシュでスパイシー
食欲増進、リフレッシュにも。
南米ペルーで国民食といわれるほど親しまれている魚介のマリネ・セビーチェ。スペインでも非常にポピュラーで、レストランから家庭の食卓まで幅広く親しまれています。季節は春から初夏へ向かい、酸味のあるさっぱりとした味がぴったりの季節になります。用意するのは白身魚の切り身、今回は真鯛を使いましたがお好みの白身魚の他、海老・イカや帆立などにも合います。赤たまねぎ、フルーツトマト。これらを切って、ライム果汁とにんにくがベースのフレッシュかつスパイシーなソースで和えるだけという超簡単料理です。おいしくつくるポイントは、白身魚の切り方と、にんにくの扱い方。
まず、白身魚ですが、お刺身のように薄く切らず角切りにします。酸味の強いライムのソースで和えることで、酢締めにした魚と同じように身が締まった状態になるのですが、外側はしっかり締まって、中身はお刺身のようにフレッシュと、食感、味のグラデーションがあるとおいしく感じます。次は、にんにく。おろし金ですりおろすのが一般的ですが、これだとえぐみも出やすくなります。
すり鉢とすりこぎ棒を使って、上からトントンと叩くようにしてしっかりと細かくなるまでつぶすと、香り、味わいともににんにく本来のあの食欲をそそる香り、雑味のない良い旨味が出せます。
あとはにんにくをつぶしたすり鉢で、切った材料、調味料を合わせるだけで完成です。フレッシュな酸味とともに味の基調を成すのが、じんわり、あとを引くような辛さ。グリーンペッパー(パラペーニョ)ソースがその役割を担います。お好みで刻んだパクチーを加えても、香味が加わり味わいがより複雑に。
魚はお好きなものを使って頂いてかまいません。今回は魚のフレッシュさを残すつくり方をご紹介しましたが、しっかり締めたほうがお好みなら一晩置けばいいですし、酸味がマイルドなほうが食べやすいと感じるなら、アボカドを加えたアレンジもおすすめです。
材料を切る。赤たまねぎは薄切りに、フルーツトマトはヘタを取って串切りにしておく。真鯛は1.5cm角の角切りにする。
真鯛は角切りにすることで、周りはしっかり締まり、中身は刺身のようにフレッシュという食感のグラデーションが生まれる。
ライムソースを作る。すり鉢でにんにくをペースト状になるまでつぶし絞ったライム果汁、オリーブ油、グリーンペッパーソース、塩、こしょうを加えて混ぜる。
にんにくはおろし金などですりおろすと香りが悪くなるので、すりこぎ棒で上から叩くようにつぶす方がよい。
ボールに(1)の材料と、(2)のライムソースを加えザックリ和える。皿に盛り付け刻んだパクチーを散らす。
ペルーではセビーチェを漬けたマリネ液は「レチェ・デ・ティグレ(虎の乳)」と呼ばれ、滋養強壮にいいとされています。このレチェ・デ・ティグレがゴクッと飲めるのは、マリネ液にヴィネガー(酢)ではなく、ライムを使うからだと思います。ヴィネガーでつくると、どうしてもツンとした香りが出て飲みづらい。酸味はしっかりとあってもフレッシュなのが、ライム果汁のいいところです。鮮やかなグリーンの果皮が特徴のライムですが、熟せば黄色くなります。購入するときは、なるべく濃い緑で、実に張りのあるものを選んで下さい。保存は冷蔵庫で、長期に渡るならば、果汁を冷凍するのがオススメです。
1981年、埼玉県生まれ。2002年、渋谷のスペイン料理店『サン・イシドロ』(現閉店)に入店。スペイン研修を経験しながら8年勤め、内2年はシェフを務める。同店の移転を機に退店。牛込神楽坂のスペインバル『バル・マコ』を1年手伝い、2012年6月、代々木八幡に『アルドアック』を開業。2021年8月より鎌倉への移転に伴い、店名を改めて『アンチョア』としてオープン。伝統料理をベースとしたスペイン各地の料理を上質なワインと併せて提供する。