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1人分 64kcal 食塩相当量 0.6g
炒め方、回し方をきちんと
ワンランク上の味わいに。
乳製品を使わずヘルシー、
クリーミーで旨みたっぷり。
中華が「油っぽい」「味が強い」というイメージを抱かれていたのはひと昔前の話。今は、素材の味を活かした軽やかな料理を出す店が増えていますよね。私も、可能な限り旬の食材を盛り込んだ滋味深く食後感の軽い料理を心がけてお出ししています。その中から、ご家庭で再現可能なもの、あるいはご家庭用に作りやすくアレンジしたものをご紹介していきたいと思います。
今回はマッシュルームのポタージュ。旬の野菜のポタージュは、いくつレパートリーがあっても困らないですよね。マッシュルームに限らず、きのこはオイスターソースと非常に相性がいい食材です。旨みたっぷりの中華風ポタージュをぜひマスターして下さい。
作り方はいたってシンプル。スライスしたマッシュルームを炒めて、紹興酒とオイスターソースと鶏のだしで味付けをして、ミキサーで回して完成です。
簡単ですが、各調理工程の役割を理解して、ポイントをきちっと抑えると、ワンランク上の味に仕上がります。
まずはマッシュルームをしっかりと炒めること。やや茶色くなるまで炒めることで、濃厚なコクが出ます。紹興酒は、きのこ特有の臭みを取るのが一番の目的です。ご自宅にない場合は、料理酒で代用して構いませんが、紹興酒なら臭みを取りつつ、風味を加えてくれます。調味はオイスターソースと鶏のだしで。鶏のだしを加える前に、盛り付け用のマッシュルームを1皿につき1枚、取っておきますが、これは鍋の底の方にあった、やや焦げ目が付いたものだと、香りと風味がより引き立ちます。
鍋に鶏のだしを加えるのは、決して煮込むためではありません。へらなどで鍋の底をさらって、鍋肌にこびりついた旨みを、だしに戻してあげるため。炒めたマッシュルーム、オイスターソース、鶏のだしを別々にミキサーに入れて撹拌しても問題なくできあがりますが、オイスターソースで炒めてきちんと味を馴染ませる、鶏のだしを使ってマッシュルームの旨みを余すところなくだしに戻し加えることで、味はいっそう深まります。
ミキサーの撹拌は、最初は低速で素材を刻み、後半は高速で空気を含ませていきます。生クリームや牛乳を使わずクリーミーで滑らかな食感になり、カロリーも抑えられヘルシー。最後に数滴のねぎ油で香りを加えると、さらに風味豊かになります。
マッシュルームは石づきを取って薄切りにし、ごま油をひいた鍋を中火にかけて炒める。
茶色になるまでしっかりと炒めてコクを出す。
(1)に紹興酒を入れて香りが立ったら、オイスターソースを加えさらに炒める。盛り付け用に4切れ取り出し、分けて置く。
紹興酒を加えることで、マッシュルーム特有の臭みが取れる。
(2)に鶏のだしを加えて、鍋にこびりついた部分をこそぎ取るようにしながら、軽く火を入れて、ミキサーで滑らかになるまで回す。
温めて味をみて、足りなければ塩で味を調える。器に盛り、(2)で取り分けておいたマッシュルームを添え、ねぎ油を数滴たらして香り付けする。
生でも加熱してもおいしいマッシュルーム。ほとんどが人工栽培なので、1年中手に入れることはできますが、自然栽培のものは他のきのこと同じ、10〜12月頃に旬を迎えます。ホワイト、オフホワイト、クリーム、ブラウンの4種があり、香りや風味が微妙に異なるので、用途や好みに合わせて選びましょう。ビタミンB群、食物繊維などが豊富に含まれたヘルシー食材でもあります。洗うと風味が抜けてしまうので、汚れが付いている場合は、湿らせたペーパータオルなどで拭き取るのが鉄則。保存する際も、湿気が付かないようペーパータオル等で包んで冷蔵保存すると、おいしい状態で保存ができます。
1978年、大分県生まれ。調理師専門学校を卒業後『天厨菜館』『A-jun』等で修業。野菜中心のモダンチャイニーズとして一世を風靡した赤坂『中華うずまき』の料理長に就任。立ち上げから7年間厨房を任された。2015年、神楽坂に『ENGINE』を開業。やはり野菜がメイン、和の食材も多く取り入れた季節感あふれる創作中国料理をワインと合わせて提案する。
カード│使用可