「おいしい」のコツ
「おいしい」のコツ
酢=酸味は素材の滋味を引き出す味覚です。
しかし、酸味は個性が強く、酢加減は難易度の高い味付けです。
なぜなら、「酸味」は思い浮かべだけでも唾液が出るため、
器の中でちょうどよくても、口の中で唾液と混ざって薄まってしまう。
酸っぱいのが苦手、と酸味を抑えると、口に入れた瞬間はよいけれど、
喉を通るころには薄くてメリハリのない印象しか残りません。
そこで、最初から最後までソフトな酸味のバランスが
維持できるよう考え出した解決法が、この「酢ゼリー」。
とろとろ感のあるビジュアルで、さらなるおいしさも演出できる優れものです。
「おいしい」のコツ
酢=酸味は素材の滋味を引き出す味覚です。
しかし、酸味は個性が強く、酢加減は難易度の高い味付けです。
なぜなら、「酸味」は思い浮かべだけでも唾液が出るため、
器の中でちょうどよくても、口の中で唾液と混ざって薄まってしまう。
酸っぱいのが苦手、と酸味を抑えると、口に入れた瞬間はよいけれど、
喉を通るころには薄くてメリハリのない印象しか残りません。
そこで、最初から最後までソフトな酸味のバランスが
維持できるよう考え出した解決法が、この「酢ゼリー」。
とろとろ感のあるビジュアルで、さらなるおいしさも演出できる優れものです。
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三杯酢と出汁を合わせた土佐酢に、ゼラチンを溶かす「酢の物」は酸っぱすぎると感じ、苦手という方も多いはずです。酸が感じさせる最初の強いアタックを和らげてあげればいいのですが、ほどよい酢加減を作りだすというのは、なかなか難しいものです。ただ、酸に旨味と甘味が加わった土佐酢なら、酸味がマイルドになる。 土佐酢を使って、マイルドなほどよい酢加減を作りだし、それをボヤけさせないまま、最後まで口の中で持続させるためにはどうすればいいか。 そこで、ゼラチンを活用します。分量は、600ccの出汁にゼラチン5g程度。 出汁を温めながら、沸騰する前にゼラチンを入れ、砂糖、醤油、酢を加えて混ぜ合わせながらゼラチンを溶かします。 |
「酢の物」は酸っぱすぎると感じ、苦手という方も多いはずです。酸が感じさせる最初の強いアタックを和らげてあげればいいのですが、ほどよい酢加減を作りだすというのは、なかなか難しいものです。ただ、酸に旨味と甘味が加わった土佐酢なら、酸味がマイルドになる。 土佐酢を使って、マイルドなほどよい酢加減を作りだし、それをボヤけさせないまま、最後まで口の中で持続させるためにはどうすればいいか。 そこで、ゼラチンを活用します。分量は、600ccの出汁にゼラチン5g程度。 出汁を温めながら、沸騰する前にゼラチンを入れ、砂糖、醤油、酢を加えて混ぜ合わせながらゼラチンを溶かします。
酢の加減はやや緩めで、沸騰させないのがポイントゼリーは、素材の食感を邪魔しないよう、かたく固まり過ぎない、やや緩めの状態を目指します。 また、酢を湧かすと酸味が飛ぶと思われがちですが、むしろきつくなりますので、酢加減もやや緩めで。 沸騰させると酢の風味が抜けて酸がきつくなりますから、ゼラチンが溶けたらすぐに火を止めるようにしましょう。 |
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ゼリーは、素材の食感を邪魔しないよう、かたく固まり過ぎない、やや緩めの状態を目指します。 また、酢を湧かすと酸味が飛ぶと思われがちですが、むしろきつくなりますので、酢加減もやや緩めで。 沸騰させると酢の風味が抜けて酸がきつくなりますから、ゼラチンが溶けたらすぐに火を止めるようにしましょう。
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プリプリのゲルのまま、では素材に絡みません粗熱を取ったあと、冷蔵庫で冷やし固めたゼリーは、プリプリに固まっています。 ただし、これをスプーンですくってのせただけでは、調味液の代わりにはなりません。 酢ゼリーを食べるわけではないのですから。 主役の素材に絡めて、口の中で滋味を引き出す名脇役に仕立てなければなりません。 つまり、素材に絡みやすくしたい。 そこで…… |
粗熱を取ったあと、冷蔵庫で冷やし固めたゼリーは、プリプリに固まっています。 ただし、これをスプーンですくってのせただけでは、調味液の代わりにはなりません。 酢ゼリーを食べるわけではないのですから。 主役の素材に絡めて、口の中で滋味を引き出す名脇役に仕立てなければなりません。 つまり、素材に絡みやすくしたい。 そこで……
口の中で素材を咀嚼する間だけゼリー状でソースのような粘性を出し、喉を通る直前に液化するくらいの緩やかな感じにします。 つまり、ゼラチンに粘りはありませんが、「とろんとして粘性があるもののようにみせる」、ここがポイントです。ビジュアル的に美味しそうに見えますし、素材への絡みもよくなります。 そこで、撹拌。あまりかき混ぜすぎると空気が入って白くなるので、10秒くらいで手早く。 素材に絡み、口の中で形と風味を保ちながらすーっとはかなく溶けていく「酢ゼリー」、フランス語で言うなら「ヴィネグレット・ド・ジュレ」のできあがりです。
口の中で素材を咀嚼する間だけゼリー状でソースのような粘性を出し、喉を通る直前に液化するくらいの緩やかな感じにします。 つまり、ゼラチンに粘りはありませんが、「とろんとして粘性があるもののようにみせる」、ここがポイントです。ビジュアル的に美味しそうに見えますし、素材への絡みもよくなります。 そこで、撹拌。あまりかき混ぜすぎると空気が入って白くなるので、10秒くらいで手早く。 素材に絡み、口の中で形と風味を保ちながらすーっとはかなく溶けていく「酢ゼリー」、フランス語で言うなら「ヴィネグレット・ド・ジュレ」のできあがりです。
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主役となる素材の滋味を凝縮させておく酢ゼリーをかける主役の素材にも気を配って下さい。単に酢ゼリーをかけただけで美味しくなるというものではありません。かといって、味をつけたものにかけても美味しくありません。素材には味をつけるのではなく、素材の味を引き出しておくことが大切。 つまり、水分を抜いて、素材本来の味を凝縮しておく。キュウリなら塩を振って水分を出して、よく絞っておく。若布も下処理をちゃんとして、しっかり水分を絞っておかないと味がぼやけてしまいます。 焼き茄子は焦がした皮を水で冷やして剥いてはいけません。水っぽくなってしまうからです。焼いたら熱いうちに、タオルなどを使って、皮を剥いてください。 このように、それだけで食べても充分に滋味が感じられる下ごしらえを施した素材にかけてこそ、酢ゼリーがさらにその滋味を引き立て、素材の良さを鮮明に味わうことができるのです。 |
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酢ゼリーをかける主役の素材にも気を配って下さい。単に酢ゼリーをかけただけで美味しくなるというものではありません。かといって、味をつけたものにかけても美味しくありません。素材には味をつけるのではなく、素材の味を引き出しておくことが大切。 つまり、水分を抜いて、素材本来の味を凝縮しておく。キュウリなら塩を振って水分を出して、よく絞っておく。若布も下処理をちゃんとして、しっかり水分を絞っておかないと味がぼやけてしまいます。 焼き茄子は焦がした皮を水で冷やして剥いてはいけません。水っぽくなってしまうからです。焼いたら熱いうちに、タオルなどを使って、皮を剥いてください。 このように、それだけで食べても充分に滋味が感じられる下ごしらえを施した素材にかけてこそ、酢ゼリーがさらにその滋味を引き立て、素材の良さを鮮明に味わうことができるのです。
見た目も美しい「酢ゼリー」を作る方法以上の5つのポイントをしっかり押さえたら、今度は映像で、おいしく美しい酢ゼリーの作り方を見てみましょう! ![]() |