魚介類
サンマ/さんま
分類 | サンマ科サンマ属 |
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原産地 | 北太平洋に広く生息する。日本ではオホーツク海から北海道、鹿島灘、房総沖でとれる回遊魚。8月頃になると北海道から太平洋を南下し、10月頃に三陸沖、房州の九九里沖を経て、12月頃に伊豆沖から翌年の3~4月頃に紀州の熊野、四国から九州へと回遊する。 |
学名 | Cololabis saira Brevoort |
外国語名 | Pacific saury (英)、Balaou pacifique (仏) |
別名 | ばんじょ(新潟)、かど(三重)、さえら(兵庫)、さざ、せいら(長崎)、さだ(玄海)、さより(富山、和歌山)、さいら(関西)、まろうど(鳥羽) |
由来 | 細長い形の「狭真魚」が転化したという説がある。 |
歴史背景 | 秋の大衆魚といえばサンマだが、庶民の味として広まったのは割と最近のこと。古い文献には食用に関する記載は見あたらないが、江戸中期の「俚言集覧」に「さんま、三馬、魚の名、サヨリに似たり、塩漬けにして江戸へ送る」という記載がある。江戸初期の延宝年間まではイワシ網にかかったが、独特のサイラ網が造られてから本格的な漁獲が始まったとされる。 |
時期 | 年中冷凍物が手に入るが、本来の旬はその名の通り、秋。その時期の「近海もの」は脂がのり、尾の付根の黄色いものは「大漁さんま」と呼ばれて重宝される。南方に出現するものは脂肪が少ないのでさっぱりしている。 |
国内分布 | 北海道、宮城、福島、岩手、富山、千葉、青森、長崎 など |
特徴 | 「秋刀魚」の名の通り、細長く刀のような銀色に輝く細長い体。目が澄んでいて、体が銀色に輝きながら反り返っているもの、口の先が黄色くなったものが脂がのって新鮮。 |
下処理 | 塩焼きにするときは内臓をつけたまま洗い、水気をふいて塩を振るだけ。 |
料理名 | さんまの塩焼き、さんまのみそ焼き、さんまのかば焼き、さんまの酢の物、さんまの揚げ出し、さんまのわた焼き、さんまのロールフライ、さんまずし |
調理法 | 旬の新鮮なさんまは、ただ塩を振って焼くだけの塩焼きにして、すだちやゆず、レモンを絞り、おろし大根を添えていただくと最高。また、わたには独特の芳香があるので、包丁であらくたたいてから調味料を合わせて身に塗りつけて焼く「とも焼き(わた焼き)」にするのもさんまならでは。腹開きにしたものはかば焼き、グラタン、野菜やチーズを巻き込んだフライなどに。頭と内臓を取って筒切りにしたものは、しょうが煮、竜田揚げ、炊き込みご飯にも。さらに鍋物など、多彩な料理が楽しめる。ごく新鮮なものは刺身やすし種、酢じめにも。 |
加工品 | 干物、缶詰 |
選び方 | 冷凍のものが多いが、旬のものは尾の付け根の部分が黄色くなっていて見分けがつきやすい。旬のものは「大漁さんま」といって、とくに脂がのって味がよい。全体に光沢があり、腹部がしっかりしていて、押さえると張りのあるものが新鮮。口の先が黄色いものも鮮度が高く、味がよい証拠といわれている。 |
栄養 | 必須アミノ酸を多く含む良質のタンパク質、IPA(EPA)やDHAが豊富。カルシウム、ビタミンA、B2、Dなどを含んでおり、栄養的にも優秀。 |
備考 | 「秋刀魚が出ると按摩が引っ込む」…江戸時代のことわざで、秋に栄養価の高い秋刀魚を食べると体力が整い、按摩にかかる必要がなくなるという意味。 |