魚介類
アワビ/マダカアワビ、メカイアワビ、クロアワビ、エゾアワビ
分類 | ミミガイ科アワビ属 |
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原産地 | マダカアワビ:房総半島以南の暖海、メカイアワビ:房総半島から九州にかけての外洋に面した岩礁、クロアワビ:房総半島以南の暖海産で、マダカアワビ・メカイアワビよりも浅いところ、エゾアワビ:北海道を中心に本州東北地方、日本海沿岸 に生息。 |
学名 | Haliotis madaka(マダカアワビ), Haliotis gigantea(メガイアワビ), Haliotis discus(クロアワビ), Haliotis discus hannai(エゾアワビ) |
外国語名 | gaint abalonem, Siebold's abalone, disk abalone, Ezo abalone |
別名 | マダカアワビ:マダカ、マタゲエ メガイアワビ:メン、メガイ、メンガイ クロアワビ:オン、オガイ |
由来 | マダカアワビ:千葉県の方言で背の高い貝という意味でマタゲエという名がついた。 メガイアワビ:他のアワビに比べて殻が浅く凹凸が少ないため女貝でメガイと呼ばれる。 クロアワビ:足の裏が黒っぽいので黒鮑と呼ばれており、漁業関係者にオン、オガイと呼ばれている。 エゾアワビ:北海道を中心に生息していることから蝦夷アワビの名前がついたといわれる。 |
歴史背景 | 貝塚から貝殻が出土することから古くから食用とされていたことがわかる。万葉集では鮑の産地として、御食国と呼ばれる国々(若狭、志摩、淡路)の他に、紀伊国が登場する。また、身を細く切って干した「熨斗鮑」は祝い事に用いられていた。貝殻にできる鮑玉(真珠)は宝飾や漢方薬として用いられていた。 |
時期 | マダカアワビ:夏。 メガイアワビ:夏。 クロアワビ:は夏。 エゾアワビ:冬から春。 |
国内分布 | マダカアワビ:千葉、徳島 メガイアワビ:西日本 クロアワビ:千葉、長崎、徳島 エゾアワビ:北海道、岩手 |
特徴 | アワビと称されるのはマダカアワビ、メガイアワビ、クロアワビ、エゾアワビの4種。皿のような貝殻であるが巻き貝の仲間。身はシコシコした歯ごたえがあり、貝の中では最もおいしいとされている。マダカアワビは、アワビの中でも大型で、殻が厚くて丸みをおび、背の管孔がポツポツと突き出ているのが特徴。身の表面は黄褐色である。メガイアワビは、全体に平たく、身の表面が赤みがかった褐色。これら二種のアワビは身がやわらかい。クロアワビは青アワビともよばれ、やや細長くて緑がかった黒色をしており、身はしまっている。エゾアワビは北方でとれ、アワビの中では小型。殻が薄く、表面の凹凸がはげしい。 |
下処理 | 身を殻から外し、表面に塩をまぶしてたわしでよくこする「塩みがき」を行うことによって、ぬめりと汚れが取れ、身が引き締まる。口(クチバシ)がある殻の薄い側を手前にしておき、右側から殻に沿って平たい板状のものを差し込む。テコの原理で身を半分ほどはがし、口を上にして殻を立てる。身の右端をたたくと貝柱状の部分(ホシ)が膜(ヒモ)から外れる。殻から膜を引き剥がすと内臓も一緒に取れる。身を洗い、エンガワの汚れを落とす。口の周囲の硬い部分をV字型に切り落とす。 |
料理名 | 刺身、酒蒸し、くずたたき、花林糖揚げ、とも揚げ、とろろ汁、しんじょう、バター焼き、醤油漬、フリッター、酒煎り、鮑の肝煮、ふくら煮、あわびの水貝、あわびの冷やし込み、吉野揚げ、あわびの宿かり、あわびのすり流し、あわびの塩焼き、あわびのつららもどき、あわびとマッシュルームのグラタン |
調理法 | 塩焼き、バター焼き、蒸し物、煮物など、火を通す料理には、肉質のやわらかいめがいあわびや、まだかあわびがよい。シコシコした歯ごたえが楽しめる黒あわびは、刺し身や水貝、すし種、酢の物など生食に向く。また、わた(内臓)は珍味とされ、わた酢にされる。えぞあわびは酒蒸しや煮貝など、火を通す料理にも、生食にも適している。 |
加工品 | 干しアワビ、のし鮑 |
選び方 | ひだがよく動き、つやがよいものを選ぶ。また、殻に対して、身が大きく、ひだが小さめのものがよい。 |
保存方法 | 鮮度を保たせる場合には、水を含ませた炭を身の上に乗せて、冷蔵庫に置くとよい。炭は吸水性があるのでアワビの水分を調節する役割を果たす。 |
栄養 | タンパク質が主成分。脂質は少ない。亜鉛、銅が他の貝類と比較して高い。タウリン、ベタインを含む。 |