牛肉
牛ロース
分類 | ウシ科ウシ属 |
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学名 | Bos taurus |
外国語名 | loin |
由来 | 語源は英語の「ロースト」(焼くという意味)。焼くのに適したお肉という意味からきているといわれる。しかし、アメリカでは“ロース”という名称は使われない。これは日本、アメリカ、豪州、各国でどれも肉のカットの規格が異なるためである。アメリカでは「リブロース」のことを単に「Rib」とよぶが肩ロースはさらに分けて「チャック・アイ」と「チャック・ロール」(チャック=肩)とよぶ。 |
歴史背景 | 世界ではかなり古くから食されており、紀元前3000~前2000年のエジプトのピラミッドの壁画には牛肉を食べる様子が描かれている。日本では大国主命(おおくにぬしのみこと)が農民に牛肉を食べさせたと伝説があるが、仏教伝来以降、奈良時代の聖武天皇は食肉を禁止したため、約1200年間牛・豚・馬は食用とされなかった。ただし、戦国~江戸時代には、健康回復や病人の養生食、いわゆる「薬喰い(くすりぐい)」としてイノシシなどの獣肉の肉食が行われた。 |
時期 | 通年 |
国内分布 | 日本国内各地、アメリカ、オーストラリア |
特徴 | ロースは、肩から腰までの背中側の比較的脂肪の少ない、旨みの多い部位を言う。一般的には、これを首の側から「肩ロース」、「リブロース」、「サーロイン」の3つに分ける。肩ロース:ロースの首に一番近い部分。 やや筋があるが、 きめ細かく旨みが濃いので薄切りにしてすき焼きや焼き肉、シャブシャブなどに使われる。 リブロース:リブ(肋骨)の背中側、ロースの真中。最も厚みのある部分。霜降りになりやすく見栄え良い。柔らかく脂の濃厚な旨みがある ローストビーフ、ステーキ、薄切り肉はすき焼きやシャブシャブに。サーロイン:ロースの一番お尻に近い部分。きめが細かく脂の上品な旨みをともなった牛の最高部位の一つです。英国では見栄えのいいリブロースより格下であったが、国王からその美味しさを認められて”サー” の称号」(貴族を表す)を与えられて有名になった。ステーキに最適である。網焼きやバター焼き、味噌漬けなどにも用いられる。関西では単に「ロース」とよぶ場合もある。 |
品種名 | ホルスタイン、へレフォード、褐毛和牛、黒毛和牛、日本短角種、無角和牛 |
下処理 | ステーキなどにするときは、縮んだりそり返ったりしないように、脂肪と赤身の間の筋を3~4カ所切っておく。ただし、切込みが大きいと肉汁と共に旨みが流出するので、切り込みはなるべく小さめに。 |
料理名 | ビーフステーキ、中国風ステーキ、牛肉のあぶり焼き、ローストビーフ、すき焼き、バーベキュー、しゃぶしゃぶ、冷しゃぶ、牛肉のうま煮、牛肉の炒め物ポン酢醤油、牛肉の香味焼き、牛肉の炒めサラダ、ビフカツ、牛肉のしょうが炒め、牛肉とごぼうの山椒風味、牛肉と水菜の八幡巻き、牛肉の和風マリネ、牛肉の野菜巻き香味酢風味 |
調理法 | 焼いたり炒めたりする場合は、火を通しすぎると肉がしまってかたくなるので気をつける。玉ねぎ、にんじん、セロリなどと取り合わせると風味が増しておいしくなる。ステーキにする場合は、肉汁が流れ出て旨みがなくならないように、塩、こしょうは焼く直前にする。 |
選び方 | 肉はよくしまっていてキメが細かいものを選ぶ。赤身はツヤがあって赤色が深いもの、脂肪は白色、または乳白色で粘りがあるものを選ぶと良い。黒っぽいものは傷みはじめているので避けるほうがよい。 |
保存方法 | 空気に触れないようにラップで密封して、冷蔵庫の保存は3日から1週間。なるべく早く使う方がよい。すぐに使わない場合はチルドルーム(氷温室、パーシャル室)に入れるか、冷凍するとよい。解凍は冷蔵庫で自然解凍し、半解凍状態で調理する。1回分ずつ小分けにしておくと便利。 |
栄養 | 脂質、タンパク質が多い。鉄、亜鉛、ビタミンB2、B12を含む。 |