いも
及び
でん粉類
ヤマノイモ、ナガイモ/長芋、山の芋
分類 | ヤマノイモ科ヤマノイモ属 |
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原産地 | ジネンジョは日本、ナガイモ、イチョウイモ、ツクネイモは中国。 |
学名 | Dioscorea batatas |
外国語名 | Japanese yam (英) |
別名 | ジネンジョ、薯蕷 |
由来 | 里で作られる里いもに対し、山に自生する山いもという意味。山に自生する自然薯を「山の芋」、栽培品種を「山芋」ということが多いが、栽培種のジネンジョも存在する。 |
歴史背景 | 日本では古くから栽培されていた野菜。さまざまな形のいもがあり、今でも山野に自生するものもある。食用とされている種類は世界に60種以上あり、栽培の歴史も古い。中国では滋養強壮剤として漢方薬にもなっている。 |
伝来 | 中国原産で、朝鮮半島を経て日本に入ったという説がある。稲や里いもより栽培の歴史が古いともいわれる。 |
時期 | 貯蔵性が高いので周年で回る。 |
国内分布 | (ナガイモ)…北海道、青森、長野、千葉、長野、鳥取 など (イチョウイモ)…埼玉、千葉 (ヤマトイモ)…兵庫、京都、奈良、三重、岡山など |
特徴 | 古くから栽培されてきた野菜で、円筒形の長いも、球状のヤマトイモ、扇形のイチョウイモに大別されるが、厳密に言うと、名前や種類は混同されており、学術的にもはっきりしない。長いもはもっともポピュラーな山いもで、生産量も多い。水分が多く、粘りは少なく、さくさくした歯ごたえが魅力。薯蕷饅頭、鹿児島のかるかんなどの銘菓の材料にも使われる。ヤマトイモに代表される塊形種は、ヤマイモの中で最も粘りが強い。土質を選び乾燥に弱いので、栽培が難しく生産量は少ない。また、産地も限定される。高級料理の材料として料亭などで使われるほか和菓子の原料としても使われる。 |
品種名 | (長形種)ナガイモ、トックリイモ、(扁形種)イチョウイモ、(塊形種)ヤマトイモ、丹波ヤマノイモ、伊勢イモ |
下処理 | やや厚めに皮をむく。 |
料理名 | とろろ汁、たたき長いも、麦とろ、長いもと鶏肉の煮物、長いもの黄身醤油、長いもの白煮、長いもの明太子和え、長いものしそ揚げ、長いもと納豆の二杯酢、長いもの直がつお、長いものワイン煮、やまいもの落とし揚げ |
調理法 | 刻んだりたたきつぶしたり、すりおろして生食できる。酢の物や煮物にも。 |
加工品 | 冷凍とろろ、粉末とろろ、かるかん |
選び方 | ナガイモは、皮が薄めで傷がなく、すんなりしているものがよい。ヤマトイモは、全体に張りがあり、傷のないものを。イチョウイモは、切り込みが少なく形が整い、表面に凸凹が少なく、ひげ根の少ないもの選ぶ。表皮がいたんでいるものは避ける。 |
保存方法 | 乾燥しないように新聞紙で包み、涼しいところ(適温は7℃前後)におく。使い残しはラップで包んで冷蔵庫へ。 |
栄養 | ヤマトイモ、イチョウイモは、ナガイモに比べタンパク質、デンプンが多く、ネバネバ成分(糖タンパク質や食物繊維の仲間)を含む。 |
備考 | 平安時代の貴族は、自然薯を使ったいもがゆを珍重したといわれ、芥川龍之介の「芋粥」にもその様子が描かれている。 |