種実類
アマニ
分類 | アマ科アマ属 |
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原産地 | 中央アジア |
学名 | Linum usitatissimum |
外国語名 | flax seed, linseed (英) |
由来 | 漢方薬として中国から輸入していた亜麻の種子が「亜麻仁」とよばれていたことから。 |
歴史背景 | 紀元前5000年にエジプトで栽培され、ミイラを包む布地に用いられていた。種子から油もとれることから中世から近世にかけてヨーロッパで栽培が広まり、17世紀頃にアメリカ大陸にも広まったと考えられている。 |
伝来 | 1549年のキリスト教伝来時に西洋医術とともに伝えられたとする説と元禄時代に江戸の小石川薬草園で栽培されたのが最初とする説があるが、詳細は不明である。わが国では中国から輸入できたため定着しなかったが、北海道開拓で導入され、化学繊維が普及する1960年頃まで繊維用として栽培された。近年食用としての栽培が北海道で広がっている。 |
時期 | 乾燥種子は通年ある。 |
国内分布 | 北海道。多くはカナダ、オーストラリア、ニュージーランド などからの輸入品。 |
特徴 | アマニは植物のアマ(亜麻)の種子である。アマの茎からは繊維を取りだし、布地(リネン)や紙を作ることが古くから行われていた。種子には脂質が多く、絞った油は「亜麻仁油」として用いられる。亜麻仁油は酸化すると硬化する性質があり、ペンキやワックス、絵具など工業用に用いられてきた。近年、この脂質に含まれるリノレン酸や種子に多く含まれるアマニリグナンに健康効果があることから、食用向けの品種改良が進み、健康食品として注目されている。油だけでなく種子をゴマと同じように煎ってシリアルやパンに加えて利用することもできる。 |
加工品 | 亜麻仁油 |
保存方法 | 高温多湿を避けて、密封容器で保存するのが望ましい。 |
栄養 | 脂質が主成分で非常に多い。次いでタンパク質、食物繊維が多い。脂質にはn-3系脂肪酸であるα-リノレン酸が多く含まれる。抗酸化作用やエストロゲン(女性ホルモン)様作用を持つとされるアマニに特有のリグナン(アマニリグナン)が含まれる。カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛なども多い。 |