e食材辞典

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新鮮な食材の見極め方や旬の時期、下処理の仕方からその調理法まで、
毎日のお買い物や献立づくりに役立つ情報が満載です。

食材解説・監修|神戸女子大学家政学部教授 後藤昌弘(農学博士)

野菜類

サヤインゲン

サヤインゲン

この食材のレシピ

分類 マメ科インゲン属
原産地 南米
学名 Phaseolus vulgaris
外国語名 common bean (英)、haricot (仏)
別名 三度豆(年に3度取れることから)、5月ささげ、四季豆、藤豆
由来 江戸時代に黄檗山万福寺の開祖・隠元禅師が明から持ち帰ったことから、いんげん豆と呼ばれるようになった。
歴史背景 紀元前5000年ころから栽培されており、中南米の先住民にとってはトウモロコシにつぐ重要な食料。新大陸発見の際にヨーロッパに持ち込まれた。さやいんげんとしてさやごと食べ始めたのはイタリア人といわれ、シチリア島や南イタリアからヨーロッパに広がっていった。
伝来 明から招かれた隠元禅師が、京都宇治の万福寺を創建した際に持ち込んだと言われる。真偽のほどは明らかではないが、江戸中期には日本に渡来していた。明治初期には多くの品種が導入されて栽培が盛んになった。
時期 栽培法により周年で回る。旬は5~9月。1~3月には輸入物も出回る。
国内分布 千葉、鹿児島、北海道、福島、沖縄、茨城、高知、長崎 など。輸入はほとんどがオマーンから。メキシコからもわずかにある。
特徴 若莢を野菜として食べるいんげんの仲間をさやいんげんと呼んで、豆を利用するものとは区別される。かつては固い筋があり、下ごしらえに両端から少し折って筋を取っていたが、現在は品種改良により、筋なしインゲンと言われ、ほとんどが筋を取らなくても良いほどになっている。
品種名 ケンタッキー・ワンダー、尺五寸、どじょう、モロッコ、サーベル、ヒラサヤインゲン など
下処理 最近は筋のないものが多いが、基本的には筋を取り除き塩ゆでしてから調理する。ゆでる場合は塩ゆでし、手早く水にとると色鮮やかになる。
料理名 さやいんげんのバターソテー、さやいんげんのごま和え、さやいんげんの四川風炒め、さやいんげんのベーコン巻き焼き、さやいんげんのサラダ、さやいんげんとひき肉の炒め煮、さやいんげんと春雨の炒め物、さやいんげんのピーナッツ和え、さやいんげんの昆布和え、さやいんげんのトマト煮、さやいんげんとベーコンのスープ煮、さやいんげんのチキンロール
調理法 バター炒めやベーコン巻き、中華風みそ炒め、天ぷら、和え物やおひたし、サラダなどに。塩とこしょうで味つけする炒め物なら、隠し味にひとつまみの砂糖を加えると味がやわらぎ、素材自体の甘味も引き立つ。また下ゆでしたものを煮物の最後に加えて、青みを添えるのにも重宝する。いずれも、歯ごたえと、一種の青臭さが持ち味なので、加熱しすぎないことが大切。
加工品 冷凍品
選び方 緑色が濃く(白っぽいものはかたい)、細めでピンと張りがあり、中の豆の形があまりはっきりしていないもの(豆の部分が盛り上がっているものはさやがかたい)で、曲げるとポキンと折れるもの(折れないものは熟しすぎていて繊維がかたい)が新鮮。しわがあったり、黄ばんだもの、しみや斑点があるもの、折ったときに筋の残るものは鮮度が落ちている。
保存方法 風にあたるとしなびてしまうので、ポリエチレンラップで包むか、ポリ袋に入れて冷蔵庫へ。
栄養 β-カロテン、ビタミンB1、B2、カルシウム、食物繊維などが含まれている。