野菜類
奈良漬
外国語名 | Narazuke, Vegetables pickled in sake lees (英) |
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由来 | 奈良漬けの名は1492年頃の古文書に初見があると言われる。慶長年間に奈良の漢方医糸屋宋仙がシロウリの酒粕漬けを「奈良漬」と名づけて売りだし、土産や献上品として全国に広まったとする説が一般的である。 |
歴史背景 | 700年代に「かす漬け」と称するドブロクの溜りに塩と野菜を漬けた漬物が存在したとされ、平城宮跡で発掘された木簡にも記載が見られた。延喜式にも記載があり、上流階級の食物だったと推察される。 |
特徴 | シロウリ、キュウリ、若取りしたスイカ、ダイコン、ショウガなどの野菜を塩漬けした後、酒粕に何度も漬け替えて作る漬物の一種。冷蔵庫のない時代には保存性が高く、風味のよい漬物として重宝されたという。上質な酒粕が入手できた奈良で作られたことから「奈良漬」となったと言われるが、それ以外の地域で作られても「奈良漬」と称される。 |
保存方法 | 酒粕をつけたまま密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存する。食べるときは水洗いせず、酒粕をこそげ取って、適当な厚さに切る。 |
栄養 | ナトリウム、ビタミンB6、食物繊維などを含む。炭水化物を含み、野菜の漬物としてはカロリーは多めになる。微量だがアルコールを含むため、お酒に弱い人や子どもは食べ過ぎには注意が必要である。 |
備考 | 兵庫の甲南漬、愛知、岐阜の守口漬も奈良漬と同様の漬け方でみりん粕や酒粕に野菜を漬け込んだ漬物である。 |