e食材辞典

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新鮮な食材の見極め方や旬の時期、下処理の仕方からその調理法まで、
毎日のお買い物や献立づくりに役立つ情報が満載です。

食材解説・監修|神戸女子大学家政学部教授 後藤昌弘(農学博士)

果実類

ブドウ/ぶどう

ブドウ

この食材のレシピ

分類 ブドウ科ブドウ属
原産地 ヨーロッパ種は中央アジアからアジア西部、アメリカ種はアメリカ中央部
学名 Vitis vinifela(ヨーロッパブドウ)、Vitis labrusca (アメリカブドウ)
外国語名 Grapes (英)、Raisin (仏)
由来 漢の時代に、張騫(ちょうけん)が西方から持ち帰り、その時の古代ペルシャ語の名前「ブーダウ」が日本にも伝わったといわれる。
歴史背景 ヨーロッパブドウの栽培は5000年以上前から黒海とカスピ海の南側の地域で始まった。古代ギリシャやエジプト、ペルシャなどでも盛んに食されており、神話や伝説にも数多く登場する。アメリカブドウは、200年ほど前に野生ぶどうを改良して生まれた。
伝来 8世紀頃に日本に伝わったとされるが、ヨーロッパブドウは、雨が少ない温暖な土地を好むため、日本の気候にあわず栽培は難しい。アメリカブドウは病気に強く、多湿な日本でも栽培しやすい。甲州ブドウの栽培が12世紀後半に始まったが、各地での本格的な栽培は明治以降である。
時期 温室栽培のデラウェアが4月から、次いで巨峰、マスカット、ネオマスカットなどが5~7月に出回る。8~10月には露地栽培の様々な品種が出回る。11~2月にはマスカット、グローコールマン、スチューベンさらにアメリカやチリからの輸入ブドウが出回る。
国内分布 山梨、長野、岡山、山形、福岡、北海道
特徴 世界で最も古くから栽培され、最も多く栽培されている果実。品種はヨーロッパ種、アメリカ種、それらの雑種の3種類にわけられる。また、皮の色で黒ブドウ、青ブドウ、赤ブドウに分けられる。一般に黒ブドウは濃厚、青ブドウは味が軽く、赤ブドウはその中間である。果実の甘みは主にブドウ糖と果糖による。ビタミン、ミネラルは少ない。やや渋みがあるのはタンニンを含んでいる。デラウェアは全国的に普及している赤ブドウ。小粒だが甘みは十分で、ほとんど種がない。国内では巨峰に次いで生産量が多い。
品種名 巨峰、デラウェア、ピオーネ、甲斐路、マスカット・オブ・アレキサンドリア、マスカットベリーA、キャンベルアーリー、レッドグローブ、グローコールマン
下処理 茎を持ち、流水でよく振り洗いする。
調理法 生食
加工品 ぶどう酒、ジャム、ジュース、干しぶどう
選び方 粒がそろい房にしっかりと密着し、ツルが緑色をしたものがよい。皮が張り、ブルーム(白い果粉)がついているものが新鮮で、鮮度を示すバロメーターになっている。房の先端を味見し、甘いものを選ぶ(ぶどうは日の当たりやすい房の付け根から甘味がのってくるので、先端が甘ければ、房全体が甘い)。色による選び方は、色の濃厚なもの(黒ずんだ赤色)が、甘味も濃くておいしい。房を持ち上げたときに、実が落ちるものは鮮度が落ちている。
栄養 主成分は炭水化物でブドウ糖と果糖が多い。有機酸は品種によって異なるが酒石酸とリンゴ酸が多い。ビタミンCは少ない。
備考 ヨーロッパブドウはマスカット臭(muscat flavor)、アメリカブドウは狐臭(foxy smell)があるとされているが、香りは品種により異なり、強いものからほとんどにおいのないものまである。ぶどうの皮や種子には抗酸化作用があると話題のポリフェノールを含んでいる。