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フレイル予防・対策講座

高齢者の低栄養防止やフレイル予防対策に!

野菜と果物の写真

監修:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
理事長 荒井秀典先生
老年学・社会科学研究センターフレイル研究部 特任研究員 木下かほり先生

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日光浴でも生成できるビタミンDを
もっと知ろう!

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筋力UP&骨量UPに
ビタミンDは必須!!

フレイルと関連する栄養素のうち、不足するとそのリスクが最も高まると言われているのがビタミンDです(※1)。ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、骨を丈夫 にする働きがあることから、高齢者の骨粗しょう症との関連で注目されてきましたが、近年、筋肉の衰えを防ぐという面でも重要な役割を果たしていることがわかり、サルコペニアやフレイルの予防において注目されています。
筋肉にはビタミンDの受容体があり、ビタミンDと結合するとタンパク質の合成が促進されます。フレイルの予防・改善には筋力や筋肉量の維持・増加がカギとなりますが、ビタミンDは筋肉の増強に一役買っているのです。

フレイルと骨粗しょう症は非常に関連性が強く、骨粗しょう症による骨折は日常生活の動作の低下や寝たきりの状態を招き、フレイルを進行させる原因になります。ビタミンDをきちんと摂取することは、骨粗しょう症を予防し、骨折によるフレイルのリスクを軽減するだけでなく、筋肉の減少によるフレイルのリスク軽減にも有効なのです。
(※1)Bartali B, et al. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2006; 61 (6): 589-593, 2006

ビタミンD摂取量と筋肉量の関係

ビタミンD摂取量と筋肉量の関係ビタミンD摂取量と筋肉量の関係Yamada M, et al. of Aging Res & Clin Prac. 2012
出典:『寝たきりにならずにすむ筋肉の鍛え方』荒井秀典著 河出書房新社 P.132

冬場のビタミンD不足に要注意

日本人の食事摂取基準(2015年版)で推奨されているビタミンDの摂取量は、成人の場合、1日5.5µgです。(新しい2020年版では、現在、厚生労働省においてビタミンDの必要量の増加が検討されています。)ビタミンDは食べ物から摂るほかに、紫外線に当たることで私たちの皮膚でも作り出すことができます。適度に日光を浴びていればそれほど不足する栄養素ではありませんが、高齢になると室内にこもる時間が長くなり、日光を浴びる機会が減って結果的にビタミンDが不足している人は少なくありません。

どのくらい日光浴をすれば必要なビタミンDがまかなえるのかは、地域によって紫外線の量や日照時間などに差があり一概には言えませんが、国立環境研究所の調査(※2)によると、5.5µgのビタミンDの生成に必要な日照時間は次の通りとなっています。(皮膚面積600cm²を基準に算出。600cm²とは体重70kgの人の顔および両手の甲の面積に相当する)

5.5µgのビタミンDを生成するのに必要な
各地・各時間での日照時間

5.5?のビタミンDを生成するのに必要な各地・各時間での日照時間5.5?のビタミンDを生成するのに必要な各地・各時間での日照時間

どの地域でも日照時間の少なくなる冬場は要注意。しっかり日光を浴びることのほかに、普段の食事でも意識してビタミンDを含む食品の摂取を心がけましょう。
(※2)Miyauchi M, et al. J Nutr Sci Vitaminol 2013; 59(4):257-263.

ビタミンDの供給源は魚ときのこ

ビタミンDを多く含む食品は限られていて、穀類、豆、イモ、野菜にはほとんど含まれていません。主な供給源は魚介類、卵類、きのこ類で、魚なら鮭、マイワシ、サンマ、うなぎ、カレイ、しらすなどに多く含まれています。きのこ類はきくらげや舞茸、エリンギ、干ししいたけに多く含まれます。きのこ類は紫外線に当たるとビタミンDが増えるので、乾燥でも生でも天日に干してから使うこともおすすめです。

また、ビタミンDは脂溶性のビタミンなので、脂ののった旬の魚を選んだり、油と一緒に調理すると効率よく摂取できます。ただしビタミンDのサプリメントによる摂りすぎには注意が必要です。ビタミンDの耐用上限量は成人で1日100µgです。

ビタミンDを含む食材

ビタミンDを含む食材ビタミンDを含む食材日本食品標準成分表2015年版より算出

ビタミンDを効率よく摂るレシピ

必要なビタミンD量をラクラククリア!【主菜】
常備菜にして毎日ちょこちょこビタミンDを摂取!【副菜2品】
必要なビタミンD量をラクラククリア!【主菜】

鮭のガーリックチーズ蒸し

鮭のガーリックチーズ蒸し写真

  • ●1人分:232kcal
  • ●ビタミンD:26.4µg
  • ●タンパク質量:24.8g
  • ●食塩相当量:1.6g
  1. 01.鮭は食べやすい大きさに切り、塩、こしょうをふる。
  2. 02.ブロッコリーは小房に分ける。たまねぎは薄切りにし、ミニトマトは半分に切る。椎茸は石づきを取り、薄切りにする。
  3. 03.Aをよく混ぜ合わせておく。
  4. 04.耐熱皿に玉ねぎを敷き、鮭、ブロッコリー、ミニトマト、しいたけを並べる。Aをかけ、チーズとバターをのせる。ラップをして、電子レンジ(600W)で火が通るまで3〜4分、加熱する。

材料(2人分)

  • 2切れ(160g)
  • 少々
  • こしょう少々
  • ブロッコリー1/4株(60g)
  • 玉ねぎ小1/4個(50g)
  • ミニトマト4個
  • 生椎茸2枚(15g)
  • ナチュラルチーズ40g
  • A醤油小さじ1/3
  • A大さじ1
  • A1g
  • Aこしょう少々
  • Aガーリックパウダー小さじ1/2
  • バター小さじ1(4g)
常備菜にして毎日ちょこちょこビタミンDを摂取!【副菜2品】

きくらげとたまねぎのナムル風

きくらげとたまねぎのナムル風写真

  • ●1人分:64kcal
  • ●ビタミンD:2.1µg
  • ●タンパク質量:1.1g
  • ●食塩相当量:0.4g
  1. 01.玉ねぎは薄切りにする。
  2. 02.きくらげはほこりや固いところを除き、耐熱容器(※)に入れてかぶるくらいの水をそそぐ。ふたをせずに電子レンジ(600W)で1分加熱して戻し、せん切りにする。
  3. 03.ボウルに玉ねぎときくらげを入れ、Aを加えて和える。仕上げに白炒りごまをふる。好みで味をなじませてから食べてもよい。
  4. (※)レンジ内で沸騰するのである程度深さのある容器を使う。

材料(2人分)

  • きくらげ(乾燥)5g
  • 玉ねぎ1/4個(50g)
  • A小さじ1/10(0.6g)
  • Aこしょう少々
  • A鶏ガラスープの素(顆粒)小さじ1/10(0.6g)
  • A小さじ2(10g)
  • A砂糖小さじ1/2(1.5g)
  • Aゴマ油小さじ1(3g)
  • Aオリーブ油小さじ1(3g)
  • 白炒りごま小さじ2

干し椎茸と人参のレモンソテー

干し椎茸と人参のレモンソテー写真

  • ●1人分:47kcal
  • ●ビタミンD:0.4µg
  • ●タンパク質量:0.8g
  • ●食塩相当量:0.7g
  1. 01.干し椎茸は水につけ、冷蔵庫で一晩戻す。水けを軽く絞り、石づきを取り、1cm幅のそぎ切りにする。
  2. 02.人参は細切りにする。
  3. 03.フライパンにオリーブ油を熱し、1を炒める。焼き色がついたら2を加え、さらに炒める。
  4. 03.火が通ったら、Aを加えて炒め、火を止めてレモン汁を加える。

材料(2人分)

  • 干し椎茸3個(6g)
  • 人参50g
  • オリーブ油大さじ1/2
  • A小さじ1/5(1g)
  • Aしょうゆ小さじ1/3
  • Aみりん小さじ1/2
  • Aレモン汁小さじ1/2