オリーブ

香川県

オリーブ

発祥の地・小豆島の温暖な気候と 島民の努力で実を結ぶ「オリーブ」

発祥の地・小豆島の温暖な気候と
島民の努力で実を結ぶ「オリーブ」

香川県・高松港からフェリーで約1時間。穏やかな瀬戸内海に浮かぶ小豆島は、小説『二十四の瞳』の舞台として一躍その名が知られるようになった。一年を通じて温暖な気候と陽光に恵まれたこの島は“オリーブの島”とも呼ばれるように、古くからオリーブの栽培が盛んだ。国内生産量のじつに95%を占め、県木、県花の両方にも指定されている。日本のオリーブ栽培が本格的に始まったのは、1908年(明治41年)。日露戦争によって得た広大な漁場から水揚げされる鰯を油漬けにして保存、輸送するため、オリーブオイルの需要が高まったことにはじまる。当時は、香川、三重、鹿児島の三県で試験栽培を開始したものの、実を結んだのが小豆島だったことから、オリーブ発祥の地として礎を築いてきた。

収穫がはじまって間もない9月下旬、小豆島でオリーブの栽培を手掛ける「井上誠耕園」を訪れた。オリーブ栽培地は温暖な気候と十分な日照時間、適度な降水と水はけのいい土壌が条件だという。園地内には南に面した石積みの段々畑が広がり、緑に色づいたオリーブの実が光をたっぷりと浴びていた。こちらで栽培しているオリーブは、果肉の柔らかなマンザニロ、園地で一番多い品種のミッションをはじめ、ネバディロ ブロンコ、ピクアル、アザパ、アルベキーナの6種類。5月下旬に白い花を咲かせて実を付け、9月下旬からいよいよ緑の実の収穫がはじまり、11月頃から赤味を帯びて熟すほどに黒い実になっていくという。

(写真左から)マンザニロ、アルベキーナ、ルッカ、ミッション

銀白色の葉が海風にそよぐオリーブ。
新漬けで、オイルで“旬” を味わう

「小豆島ではオリーブをひとつひとつ、大事に手摘みをします。一本の木を一度にすべて収穫するのではなく、実の熟し加減を見ながら徐々に摘んでいくため、大きい木になると3〜4回も収穫することになります」と話すのは、中野智さん。オリーブは摘んでから手にいくつも握っていると実と実とが重なり傷が付くため、すぐに前掛けに移すなど気を使う。野菜や果実のようにオリーブも“生もの”として鮮度を重視する。収穫後はよその地に運ぶことも、保存しておくわけにもいかないため、収穫してから48時間のうちに搾油し、オリーブオイルにする。生のままでは咳き込むくらい辛く渋いオリーブも、アクを抜いて塩漬にした「新漬け」では、オリーブ本来の豊かな風味が楽しめる。「今年は2度も台風に見舞われたので少々傷はあるものの、例年より実は大きくふくらみもある。豊作です」と、中野さん。

ギリシャやスペインなどの本場では、オリーブオイルはソースや調味料として親しまれているという。少量で調理をし、仕上げや食べる直前に掛ければ、料理の幅はもっと広がると地元の人はいう。近年はオリーブの搾りかすを与えたオリーブ牛や、葉を餌にしたオリーブハマチなど、さまざまな特産物が生まれ、ブランド化に成功している。

小豆島で生まれた和製オリーブが世界で注目を集める日も、そう遠くないかもしれない。

香川県の
地産地消事情

高品質、多品目を特長とした香川県産の農水産物。

「県産農林水産物の需要拡大と県民の健康で豊かな食生活の実現」を目指し、地産地消を推進している香川県。讃岐うどんももうひとつの主役であり、濃厚で旨味の強いだしに欠かせない「いりこ」は伊吹島産がとりわけ有名で、平成21年度に「伊吹いりこ」の名称で地域団体商標を申請し、知名度の向上とブランド化を推進。ほかにも、「タイラギ(タチガイ)」は、香川県が全国でも有数の漁場として知られている。新品種の開発が進み、新しく誕生した小麦「さぬきの夢2009」。県内で開発された棚を使用する「らくちん栽培」で先進的な成果を上げたいちご「女峰」「さちのか」に、オリジナル品種「さぬきひめ」も手掛けている。瀬戸内の気候風土に恵まれる香川県には、全国に誇る優れた県産品が多数あり、高品質、多品目を特長としている。