群馬県

レタス

歯触りが良くて芯から甘みがにじみでる 加熱調理でもおいしい葉野菜の代表格

赤城高原の寒暖の差が美味を育む
シャキシャキしてみずみずしい
鮮度抜群の朝採り高原レタス

東京から100キロ圏内にありながら、標高2000m級の武尊山や谷川連峰などの雄々しい山々が連なり、水質水量ともに恵まれた利根川水系がもたらす肥沃な平野が広がる、群馬県。標高10mの平坦地から1400mの高冷地に点在する耕地は、豊富な水源と全国トップクラスの日照時間に恵まれ、年間を通じて新鮮で美味しい野菜や果物、穀物が生産されている。

今回、地産地消食材を求めて訪れたのは群馬県北部、利根郡の最南端に位置する昭和村。北海道の雄大な自然を彷彿とさせる景色が望めるこの美しき村には、標高500〜800mの赤城山麓に田畑が扇状に広がっている。火山灰土で軽石が多く混じり、水はけと水もちのバランスがいい土壌で、特産品のこんにゃくをはじめ、ほうれん草、トマトといった野菜を栽培。とりわけレタスは全国有数の産地として知られている存在で、赤城高原は昼夜の寒暖の差があり、美味しいレタスが育まれるという。5月のゴールデンウィーク明けから10月上旬までがシーズンで、7月からが出荷の最盛期となる。この地で2代目になるレタス農家・藤井昭二さんの畑を訪れた。

投光機を照らしながらの収穫。
レタスは雨と蒸し暑さが大敵。

まだ夜も明けきらない午前3時。暗闇の中、ヘッドライトの灯りを頼りに車を走らせ、目指す畑へと向かった。なだらかな坂を上っていくと、しばらくして白い光に包まれた幻想的な光景が目に入る。そこがこの日の収穫場所だ。うねに足を踏み入れながら先を進んでいくと、畑に近づくほどにレタスの香りが強く漂ってくる。大型の投光機で周囲を明るく照らしながら、十数人が畑を行き交い収穫に追われていた。この時間帯に行うのはレタスのみずみずしい鮮度を保つためで、陽が昇る前の涼しいうちに収穫を終える。「朝採り高原レタス」と呼ばれる所以だ。

「今年は豪雪の影響で、収穫は例年より遅れてスタートしました。どんな野菜もそうですが、レタスは収穫のタイミングに苦労します。雨が続くと葉が傷みやすく、雨後の晴れ間もまた蒸して傷む。また雨が続くと苦味が出るので、収穫には気を使います」と、藤井さん。投光機でも明るさは十分にあるが、さらに頭にヘッドライトを付けて手元を明るくし、ひとつひとつ確認しながら丁寧に箱詰めを行っていた。レタスは茎を切ると、白い汁が滴ってくる。英名「レタス」はラテン語の「乳」が語源で、和名の「ちしゃ」も「乳を出す草=乳草」を由来とする説がある。この汁は旨味になる一方で、茎や葉を傷め、劣化の原因にもなるため、切り口に水を噴霧して洗い流す作業も欠かせないという。

採りたてのレタスを食べさせていただいた。外葉は柔らかく、茎に近くなるほど特徴であるシャキシャキとした食感が楽しめる。青臭さはまったく感じられず、ひと噛みごとに甘みが増していくのがわかる。このみずみずしい甘みこそ鮮度の証だ。

深夜2時から朝6時まで収穫したレタスは集荷、予冷の過程を経て出荷され、夕方には首都圏のスーパー店頭に並べられるという。産地に負けないくらいの新鮮なレタスが味わえるのも、深夜から苦労して収穫してくれる生産者がいてこそ。美味しさの訳をしみじみ納得させる探訪となった。

群馬県の
地産地消事情

関東有数の農作物、酪農、畜産の産地。
県内各地で特産品を推奨する。

富岡製糸場と絹産業遺産群が世界遺産に登録され、全国的にも注目を集めている群馬県。同県では「新鮮!安心!ぐんまの日」をキャッチフレーズに、毎月第一日曜を含む金曜から日曜の週末を「地産地消の日」と定めて推奨している。名峰赤城山と榛名山から広がる中部エリアは、なし、りんご、ももなどの果実類に、ほうれん草の栽培が盛ん。西上州の山々と鏑川、神流川、烏川の清流が流れる西部エリアは県を代表する下仁田ネギやこんにゃく、梅が特産品。吾妻エリアは最高級ニジマス「ギンヒカリ」をはじめ嬬恋キャベツ、バレイショ。利根沼田エリアはそば、レタス、えだまめ、東部エリアは大和芋、きゅうりなどを主に生産し、県内外の台所を支えている。また養豚、酪農、海外でも好評価の牛肉など畜産にも近年力を入れている。