プロヴァンス風野菜のマグロとチーズの重ね焼き

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トップシェフのヘルシーレシピ

プロヴァンス風野菜のマグロとチーズの重ね焼き

1人分 194kcal 食塩相当量 1.46g

アンドレ・パッション

日本料理、中国料理、フランス料理、イタリア料理。
それぞれのシェフが、家庭でできるプロの味を紹介します。
今回は、アンドレ・パッション氏による南フランスの家庭料理です。

“お弁当”的な南仏料理

食と健康に関する考え方は、フランスも日本もとてもよく似ています。そのポイントを3つ挙げるとしたら、ひとつは旬のフレッシュな食材をきちんと調理すること。ふたつ目は決まった時間に食べること。3つめは決して食べすぎないことになります。どれも、シンプルなことです。しかし、近頃の日本の皆さんは忙しいからと、ついついコンビニで買ったお弁当をテレビやパソコンを見ながら食べたり、食べる時間が不規則だったり、ちょっとお腹がすいたといっては昼食と夕食の間に何かをつまみぐいしたりしてしまう。きっと、みんなが贅沢になったということなんでしょう。正しい食事を摂るのが難しい日もあるとは思いますが、いつもそんな食事をしていては、1日の活動に必要な栄養素を摂取することはできません。

そこで、今回は一回の食事でたくさんの栄養素を摂取できる南フランスの家庭料理をご紹介したいと思います。見た目もキレイな数種の野菜からは身体の機能を正常に働かせる各種ビタミンを、マグロからは中性脂肪やコレステロールの低下を助けるDHAを、チーズからは吸収効率のよいカルシウムやたんぱく質を摂っていただくことができます。日本のお母さんも、栄養のバランスを考えて、お弁当に色んなおかずを詰めるでしょう? この料理はそんなお母さんの愛情が詰まった“お弁当”のような一皿なんです。

この料理では、まず最初に野菜を炒めるときに、オレイン酸を含んだオリーブオイルを使います。オレイン酸は一価(単価)不飽和脂肪酸を代表する脂肪酸で、不飽和脂肪酸の中では最も酸化しにくく、動脈硬化や高血圧、心疾患などの生活習慣病の予防に役立つと言われています。実は私が生まれたフランスのモンペリエという街は、地中海に近く、気候も典型的な地中海性気候なんです。そのため、オリーブの栽培が盛んで、向こうの家庭料理といえば、オリーブオイルを使うんですよ。この料理で使うズッキーニやなす、パプリカといった野菜もすべて南仏の特産品です。

この料理のもうひとつのポイントは、炒め終わった野菜を手で触れるような温度に下がるまでしばらく時間を置き、その後、ひとつひとつの野菜を手でグラタン皿に並べてゆくということ。手で並べると見た目もキレイだし、食べる人もそのほうが気持ちいいでしょう?私はこのように全ての料理にはハートが必要だと考えています。ご家庭で作る料理にもぜひ、愛情をかけてやってください。

  1. 野菜を切る。ズッキーニやなすは5ミリ程の輪切りに、玉ねぎとにんにくはみじん切りに、パプリカは2センチ四方に、トマトは芯を取ってふたつ切りにし、5ミリ程度にスライス。マグロのサクも5ミリ幅に切っておく。

  2. 強火にかけたフライパンにオリーブオイルを適量入れ、火の通りにくいズッキーニを炒めてゆく。

    プロヴァンス風野菜のマグロとチーズの重ね焼き

    なす類はすぐに油を吸ってしまうので、オリーブオイルを多めにすること。

  3. ズッキーニに火が通ったら、なす、赤パプリカ、黄パプリカを入れて塩、コショウをふり、野菜の色と香りが出てきたら、玉ねぎを入れ炒める。次ににんにくを入れ炒め、全ての野菜がしんなりしてきたらタイムを入れる。

  4. (3)の野菜に十分火が通ったら火を止め、平皿に野菜を入れ、冷めるまで置いておく。

    プロヴァンス風野菜のマグロとチーズの重ね焼き

    後で野菜を手で並べるため、素手で触れる温度になるまでよく冷ますこと。

  5. グラタン皿に(4)の野菜を手で彩りよく並べ、さらにその上にとろけるチーズを万遍なく散らす。

  6. (5)を200度に加熱したオーブンに入れて10分焼く。

    プロヴァンス風野菜のマグロとチーズの重ね焼き

    先に野菜を炒めてあるので、マグロに火が入り、チーズがとろければ完成。ゆえにオーブンに入れる時間は短時間でよい。

  7. (6)の上に刻みパセリとタイムを散らす

プロヴァンス風野菜のマグロとチーズの重ね焼き

なすを使ってオレイン酸を賢く摂取

夏を代表する野菜のなすは、炒めても揚げても美味しい素材です。その表皮を紫色にしているナスニンというアントシアニン系の色素には、活性酸素の働きを抑える作用があり、生活習慣病の予防に役立ちます。また、果肉の白い部分はよく油を吸収するため、オリーブオイルと共に炒めれば、オリーブオイルに含まれたオレイン酸を簡単に摂取することができます。ズッキーニもカロリーが低く、よく油を吸収する野菜です。きゅうりに似ていますが、実はかぼちゃの一種です。

アンドレ・パッション

南仏の家庭で昔から作られてきたこの料理は、女性の好きなものを一皿に凝縮したお料理です。味付けは塩コショウのみととてもシンプルですが、何種類もの野菜の旨みとマグロの旨みが合わさった複雑な旨みにチーズのコクが合わさり、後引く味わいに仕上がります。エビなどの甲殻類や私の大好きな夏の魚・スズキなどの白身魚を使って頂いても美味しく仕上がります。

アンドレ・パッション

アンドレ・パッション

1944年南仏モンペリエ生まれ。フランス、カナダのレストランを経て、1970年大阪万国博覧会にて「レストラン・デュ・カナダ」のシェフとして来日。六本木「イル・ド・フランス」のシェフを務め、1984年に代官山「レストラン・パッション」を開店。2000年フランス農事功労章オフィシェ受章。国家功労章受勲者。2013年フランス農事功労章コマンドール受章。フランス共和国最高勲章レジヨン・ドヌール受章。

レストラン・パッション

レストラン・パッション

住│
東京都渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスB棟1号
電│
03-3476-5025
営│
11:30〜L.O. 14:00 18:00〜L.O.22:00(日曜・祝日L.O.21:00)
席│
54席
休│
無休

カード│使用可

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2014.06.02 UP次回は6月16日更新予定です。

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