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トップシェフのヘルシーレシピ

野菜のおやき三題

1人分 181kcal 食塩相当量 1.0g

小山裕久 HIROHISA KOYAMA

4つの国の料理の賢人がつくる、その国の家庭料理に基づいたレシピ。
今回は、日本料理の小山裕久氏が、野菜の滋味をしっかり味わえる
“野菜のお焼き”をお届けする。

野菜の滋味をまるごと味わう。

今回ご紹介するオリジナルレシピは、見た目にはとても素朴です。素朴ですが、焼き立ての美味しさは格別。そんなひと品をご紹介します。発想の源になったのが、中華料理の「大根餅」です。大根なのになぜ餅なのか。料理名にするくらいですし、この料理は確かに「餅」です。しかし、団子などに使ううるち米を加工した上新粉に大根を少々入れているだけ。大根だけではおいしさが足りないので、チャーシューや干しエビ、鶏の出汁を加えたりします。けれどそうしてしまうと、他の食材の旨味が強いから、大根餅といいながら肝心の大根の味がしないのです。

そこで考えたのが、日本料理の技で作る大根餅「野菜のおやき」です。上新粉と片栗粉に加える水のかわりに大根おろしのしぼり汁を、つなぎの代わりに大根おろしを加え、さらにゆでた大根も加えて生地を作ります。あとは型に流して蒸して、切って、焼くだけ。もうひとつのレンコンはでんぷん質なので、何も混ぜなくてもすりおろして軽く絞り形をととのえ、あとは蒸してから焼くだけで完成します。一度に焼かずに、ひとつひとつ丁寧に中火程度でこんがりと焼くといいでしょう。

大根は皮を厚くむいてしまうともったいないように思いますが、繊維質で口当たりが少々悪いもの。ここは思い切って厚めにむいて使用します。ししとうは、破裂させないように小さく切り込みを入れてから焼くのもコツです。

大根餅の調理法自体は、中華料理の偉大なる発明といえるでしょう。大根にしてもレンコンにしても、外国料理の要素はひとつも入っていません。仕上げにしょう油をつけて、おかかを掛ければ出来上がりです。焼き立てはこのまま食べても十分過ぎるほどおいしい。それが滋味であり、野菜の味。野菜を食べるということは、味付けすることではありません。野菜本来の旨味を味わうためには、素材そのものが活きるようにすることが大切。つまり大根餅なら、大根が活きるような「餅」にしてあげるということです。それこそが素材の味を引き出すことであり、日本料理の考え方にも通じるのです。

材料(3人分)

野菜のおやき三題 材料

大根

500g

レンコン

300g

上新粉

大さじ3

片栗粉

大さじ3

ししとう

6本

白ごま油

小さじ1

おかか

適量

しょうゆ

適量
  1. 大根の皮を厚めにむく。大さじ3のしぼり汁が取れるように大根をおろす。

  2. 残りの大根は繊維に沿ってたてに薄切りにし、横にして細切りにしてから、熱湯で下ゆでする。

    野菜のおやき三題

    大根は繊維に沿って細切りにしてから、ゆでて加える。適度な歯ごたえを残しながら、食感のいい具として楽しめる。

  3. ボウルに上新粉と片栗粉を合わせ、大根おろしのしぼり汁を加えて良く混ぜる。大根おろしと(2)も加え、しっかりと混ぜる。

    野菜のおやき三題

    上新粉と片栗粉に大根おろしのしぼり汁と大根おろし、湯がいた大根を加えて、素材の旨味をまるごと食べ尽くす料理に仕上げる。

  4. 耐熱容器にクッキングシートを引いて(3)を流し入れ、蒸し器で15分ほど蒸らす。

  5. 蒸し上がったら粗熱を取り、冷蔵庫でひと晩寝かせる。

  6. レンコンは皮をむいてからすりおろし、軽く絞ってから形をととのえて、蒸し器で蒸す。

    野菜のおやき三題

    レンコンはすりおろして水けを軽く絞り、形よくととのえる。蒸してから粗熱を取り、軽く冷やしてから焼くといい。

  7. フライパンに白ごま油を熱し、適当な大きさにカットした(5)と(6)を中火で両面をこんがりと焼く。しょう油をつけて、おかかを掛ければ出来上がり。軽く切れ目を入れたししとうも香ばしく焼いて添える。

野菜のおやき三題

煮るように焼くということ

「炒める」のと「焼く」のとは根本的に違います。素材をいじらずにじっと焼く。これは焼いているように見えて、実は煮ているのです。加熱すると中の水分が沸騰し、蒸気が発生する。蒸気によって煮えるように焼けています。たとえば今回のししとう。ただ焼き色を付ける程度に焼いたのでは、青臭さや苦み、辛味が残ります。あまり動かさずに素材自体に含まれる水分で煮るように焼けば、甘く仕上がるのです。焼きなすも同様。原理原則を押さえておけば、応用も効きます。

小山裕久 HIROHISA KOYAMA

中華料理の「大根餅」をアレンジしたこのおやきは、いわば野菜のステーキ。大根には上新粉と片栗粉を加えてもちもちとした食感を、レンコンはでんぷん質の特性を活かし、すりおろしてから蒸して餅状に。食物繊維や粘り成分も豊富で、整腸作用、粘膜や胃の保護にも効果があります。焦げやすいので注意しながら、中火でこんがりと焼いてみましょう。焼き立てがいかに美味しいか、ぜひお試しください。

小山裕久 HIROHISA KOYAMA

小山裕久 HIROHISA KOYAMA

1949年、徳島県生まれ。料亭『青柳』店主。日本料理の技と精神を伝えるべく後進の育成、海外での日本料理普及に力を注いでいる。 2004年春には日本料理人としてはじめてフランス共和国農事功労章シュバリエ受章、同じく2010年冬には同共和国農事功労章オフィシエを受章。著書に『味の風』(柴田書店)、『小山裕久の日本料理で晩ごはん』『続小山裕久の日本料理で晩ごはん』(朝日新聞社)『古今料理集』(アシェット婦人画報社)『鯛の本』(淡交社)等がある。

青柳

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2014.07.07 UP次回は7月22日更新予定です。

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