里芋と春雨の土鍋煮込み

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トップシェフのヘルシーレシピ

里芋と春雨の土鍋煮込み

1人分 197kcal 食塩相当量 1.5g

家庭で中華の本格土鍋料理を。
秋の味覚が楽しめるレシピです。

極上スープと野菜の滋養をいただく。

日本にさまざまな鍋料理があるように、中国各地でも広く親しまれている鍋料理。中国人の食文化において、鍋料理は欠かせない存在です。よく知られているのは、火鍋。金属製の丸鍋を「陰陽」に見立てて中央を仕切り、一方に白湯(ぱいたん)と呼ばれる白いスープを、もう一方には唐辛子や山椒を加えた真っ赤な辛いスープ・麻辣(マーラー)を煮立て、お好みの食材をそれぞれのスープで煮ていただきます。他にも、「サーコー」と呼ばれる片手鍋の砂鍋や、ごはんと具を一緒に炊き込む土鍋飯も人気があります。

お客様をもてなす宴席では、フカヒレ、すっぽんなど高級食材を使いますが、家庭では肉や蟹肉に豆腐や春雨を加えたり、なすや白菜などの野菜、鯛の頭を煮込む土鍋料理も好まれます。季節ごとの旬食材を極上の湯=スープで煮込めば、それだけでごちそうになる。土鍋は火の当たりが柔らかく、保温性が高いという特徴があり、最後まで温かく味わえます。何よりひとつの鍋を囲むという、食卓の幸せそうな雰囲気も魅力ではないでしょうか?

中国では夏でも鍋料理をよく食べます。暑い時には熱々の鍋を食べて汗をかくことで爽快感がありますし、寒い時には体が芯から温まります。

今回は秋に向けて美味しさを増す、里芋を使った土鍋料理をご紹介しました。里芋は一度蒸すことで旨味が凝縮し、柔らかい食感が活かせます。茹でてもいいのですが、蒸した方が里芋特有のねっとりとした食感が活かされ、味わいもいいように思います。チンゲン菜は彩りとシャキシャキした食感がプラスされます。秋の味覚で食物繊維も豊富なきのこはしめじやしいたけ、エリンギなどがお勧め。春雨はツルツルとした口当たりも楽しめ、相乗効果で満足度を高めてくれます。

ポイントは湯=スープ。中国では「湯(タン)」と呼ばれており、「兵士は銃で戦い、厨師(料理人)は湯で戦う」と言われるほど、中華の味を決める重要な要素。日本料理のだしやフレンチのフォンのようなものです。素材の旨味を引き立てるだけでなく、上質な湯はそれだけで一品料理になる。食材や濃度によって上湯、清湯、白湯があり、澄み切ったスープが「清湯」、とんこつスープのように白濁したのが「白湯」、高級食材を使って仕立てる最高級のスープが「上湯」です。この湯があれば、食材から自然な旨味が引き出せます。今度、機会があれば美味しい湯の作り方をお教えしましょう。極上スープと野菜で仕上げる滋味深い土鍋料理。素材をアレンジして、バリエーションを増やしてみてください。

材料(2人分)

里芋

8個

春雨

60g

チンゲン菜

1束

しめじ

10g

上湯(鶏ガラスープでも代用可)

600ml

ごま油

小さじ1

小さじ1

砂糖

小さじ1

小さじ1
  1. 里芋は蒸して柔らかくし、皮をむく。チンゲン菜は茎と葉とを分けて、食べやすい大きさに切り分ける。春雨は戻して食べやすい大きさに切る。

    里芋は一度蒸してから、皮をむいたもの。チンゲン菜は茎と葉を分けて適当は大きさにカットする。

  2. フライパンにごま油を熱し、チンゲン菜の茎をまず炒め、次に葉を炒める。

  3. 里芋と春雨を加えて、上湯(または鶏ガラスープ)を注ぐ。

    里芋は中華鍋など鉄鍋で長時間を煮込むと表面が黒ずんでくるので、材料を合わせたら手早く火を通すこと。

  4. 塩、砂糖、酒を加えてひと煮立ちさせる。

  5. あらかじめ熱しておいた土鍋に移し替えれば、でき上がり。

    土鍋はあらかじめ軽く油を引いてから熱しておく。ここに具とスープを合わせたものを入れて加熱する。

里芋の火の入れ方

里芋は中華鍋などの鉄鍋で火入れすると、鍋の鉄イオンと里芋のポリフェノールが反応して黒紫色になることがあります。この場合、食べても問題はありませんが、里芋の見た目もスープの色も悪く濁るので、一般家庭ではフッ素樹脂加工のフライパンを使うのがおすすめ。油の使用も控えられます。鉄鍋を使う場合は里芋はあらかじめ蒸すなどして火を通しておき、すべての材料を合わせ、さっと火を通す程度のイメージで。軽く油を引いて加熱した土鍋にすぐ移すようにしましょう。

日本でも里芋は煮物や汁物に使ったりと、おふくろの味を代表する家庭料理に欠かせない野菜です。主な栄養はでんぷんですが、カリウムを多く含みます。秋が旬の野菜で、これから美味しくなる季節。乾燥に弱く、泥がついていて皮に湿り気があるもの。縞模様がはっきりしていて、押してみて実が固く締まっているもの、ひびやこぶがないものを選びましょう。ねっとりとした食感が何よりの魅力。旨味のあるスープを吸って、さらに美味しさが引き立ちます。

福永培華 BAIKA FUKUNAGA

1956年生まれ、中国・上海出身。中国の老舗料理店の総料理長を経て、日本へ。東京・六本木『中国飯店』に招聘され8年間にわたり総料理長を務める。その後独立し、『美林華飯店』のオーナーシェフに。今ではポピュラーになった「黒酢の酢豚」を考案したことでも知られる。

美林華飯店

住│
東京都港区麻布台3-4-10 麻布誠工社ビル2F
電│
03-3583-6568
営│
11:30AM~L.O.3:00PM/5:30PM~L.O.10:30(土曜、日曜5:30PM~L.O.9:30PM)
席│
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休│
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2014.09.01 UP次回は9月16日更新予定です。

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