鱈のバスク風

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トップシェフのヘルシーレシピ

鱈のバスク風

1人分 102kcal 食塩相当量 0.8g

くず粉でさらっと仕上げる
旬の鱈を使ったバスク伝統の味。

魚介だしの代わりに昆布水で
旨みに深さ、奥行をプラス。

 「スペイン料理をご家庭で」となると、ハードルが高く感じる方もいらっしゃると思います。でも、新鮮な魚介や野菜の味をいかした料理は、実は日本人の舌に合うものが多い。フレンチやイタリアンに比べると馴染みが薄いかもしれませんが、まずは簡単な煮込み系の料理からトライしてみましょう。
 今日ご紹介するのはたらを使った一品です。日本の食卓では寄せ鍋の具材としてもお馴染み、今から冬にかけて旬の食材ですよね。たらとあさり、イタリアンパセリを使った軽い煮込みは、バスク地方で愛される伝統料理。家庭でも親しまれている料理なので、レシピ通りに作れば失敗はありません。
 まずはオリーブオイルでにんにくを炒めて香りを立て、たまねぎを透明になるまで炒めます。辛みが飛んでから、甘みがぐっと出るまでの、ちょうど中間。辛さも甘さも主張しすぎない塩梅が目安です。

 塩抜きをしたあさりと白ワインを加え、火が通ったらたらを加えます。このとき、レストランでは魚介だしを使いますが、ご家庭ならば昆布水で代用して下さい。たらとあさりからだしが出るので、旨みは十分にありますが、この昆布水をちょっと加えることで、味わいがぐっと深まります。昆布水は、昆布を水に1時間も浸しておけば十分。「和フレーバー」を付けるのではなく、旨みに深さ、奥行きを出すのが目的ですから。
 たらの切り身に火が入ったら、煮汁にとろみを付けていきます。本家バスクの伝統的なレシピでは、小麦粉を加えるのですが、今回はくず粉を水に溶いたものを使います。小麦粉よりさらっと仕上がって、食べたときに重くない。これは、店の料理にもたまに使う裏技です。
 仕上げにパセリをかけることから、現地では「サルサヴェルデ(緑のソース)」と呼ばれる料理。鍋ひとつでできるシンプルレシピで、くず粉で軽やかに、あさりの塩分だけで味付けするので、塩も不使用とヘルシー。仕上げに香りのいいオリーブオイルをひと回しすれば、シンプルなのにリッチな味に仕上がります。

材料(4人前)

たら(切り身)

2切れ(約180g)

あさり(殻付き)

8個

にんにく(みじん切り)

1片

たまねぎ(みじん切り)

50g

白ワイン

50g

オリーブ油

大さじ1

昆布水

200cc

※昆布1切(10×3cm程度)を水300ccに1時間浸けたもの。

くず粉

小さじ1 30ccの水で溶いておく。

イタリアンパセリ(葉のみじん切り)

約3枝分
  1. 鍋にオリーブ油をひいてにんにくを炒める。香りが立ったらたまねぎを加え、透明になるまで炒める。

  2. (1)に砂抜きしたあさりと白ワインを加えて蓋をし、殻が開くまであさりに火を通す。

  3. (2)に昆布水を加えて一度煮立たせ、たらを加えて火を通す。

    レストランでは魚介だしを使うが、昆布水で代用。手軽で、かつ旨みが深まる。

  4. (3)にくず粉を溶いた水を加え、とろみを付け、パセリのみじん切りとオリーブ油(分量外)を回しかける。

    現地では小麦粉を使って濃厚に仕上げるが、くず粉でとろみを付け、軽やかに仕上げる。

魚偏に雪で「鱈(たら)」と書く字の通り冬が旬。生息地も北関東以北の太平洋沿岸、日本海など寒い海で、12~1月にかけ産卵のため水深の浅い沿岸部に移動。脂が乗っておいしくなるのもこの時期です。「菊子」「タチ」などと呼ばれる白子(精巣)も濃厚な食感で、冬場の高級食材として有名。身の部分に関しては、魚の中でも特に脂質が少ない、ヘルシー食材の代表格。切り身の状態で売られていて、手に入れやすい。消化もいいので子供から高齢者まで食べやすいのも魅力です。

酒井涼 RYO SAKAI

1981年、埼玉県生まれ。2002年、渋谷のスペイン料理店『サン・イシドロ』(現閉店)に入店。スペイン研修を経験しながら8年勤め、内2年はシェフを務める。同店の移転を機に退店。牛込神楽坂のスペインバル『バル・マコ』を立ち上げ時から1年手伝い、2012年6月、代々木八幡に『アルドアック』を開業。カウンター8席のみの店内をひとりで切り盛りし、伝統料理をベースとしたスペイン各地の料理をスペイン産の上質なワインと併せて提供する。

Ardoak

住│
東京都渋谷区上原1-1-20
電│
03-3465-1620
営│
18:00~21:30LO(土曜・日曜ランチ12:00~13:00LO)
休│
水曜
席│
カウンター8席

カード│使用可

毎月2回更新

2018.11.12 UP 次回は11月26日更新予定です。

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