鶏と海老のトマト煮込み

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トップシェフのヘルシーレシピ

鶏と海老のトマト煮込み

1人分 188kcal 食塩相当量 0.8g

たまねぎは炒めすぎず
食感も活かしてさっぱり味に。

山の幸と海の幸を1皿に
ナッツのコクが味の決め手。

 スペインは山の素材と海の素材、つまり肉と魚介を一緒に使う料理が数多くあります。今日の鶏肉とえびのトマト煮込みもその一例。ナッツを料理に多用するのもスペインの味づくりの特徴。今回のソースも、ナッツが味の決め手です。
 一般的にはアーモンドを使いますが、ご家庭ならばスーパーなどで手に入るミックスナッツで構いません。包丁の腹などで細かく砕いて、えびから外した頭と一緒にオリーブ油で炒め、ソースのベースを作ります。えびの殻が焼けた香りが立ち、ナッツが茶色く色付いてきたら、野菜を加えて炒め、トマト缶とスパイス類を加えて煮込む。簡単ですが、非常に複雑な味わいのソースが約10分で完成です。
 このソースで鶏とえびを煮込んで行きます。鶏は煮込む前に、皮側にしっかりとした焼き目を付け、香ばしさをまとわせるのがおいしさの鍵。浅い鍋にソースを入れ、皮側が浸らないようにして煮込むと、さらに香ばしい仕上がりになります。えびも軽く焼いてからソースに加える。生のまま加えるより、ぐっと味に凝縮感が出て香りも深まります。

 剥き身でも作れますが、えびは頭や殻からいいだしが取れるので、できれば殻付きの有頭えびを使って下さい。剥き身で作ったものと食べ比べれば、味の違いは一目瞭然です。最初にえびの頭をナッツと炒めるときに、頭を叩いて味噌を出すと、トマトソースの赤色は多少悪くなりますが、旨みはとびきり濃厚になります。
 この料理が親しまれるのは、カタルーニャ地方。たまねぎをしっかり飴色になるまで炒め、甘みを最大限に引き出すのが伝統的なレシピです。飴色たまねぎが生むどっしりとした味はおいしいものの、少々重く感じることがあるので、たまねぎ、にんじんなどの野菜に火を通し過ぎず、ソースに食感を残しておくと、さっぱり仕上がり、野菜そのものの甘みと香りが活きてきます。
 仕上げに加えるえびは、背側に包丁で切り込みを入れておくと、ナイフとフォークできれいに食べられます。最後にえびと相性のいいカカオを少々。なければ市販のハイカカオチョコレートなどでOK。さらに味が深まります。

材料(4人前)

えび(有頭)

2尾

オリーブ油

大さじ1/2

アーモンドまたはミックスナッツ

15g

鶏もも肉

200g

2g

オリーブ油

大さじ1/2

にんにく

1片

たまねぎ(スライス)

80g

にんじん(スライス)

50g

トマト缶

1缶(400g)

レモンの皮

1/4個分

ローリエ

1枚

シナモン(スティック)

1本

白ワイン

100cc

カカオ

5g
  1. えびは頭を取り、背ワタを取り除いておく。フライパンにオリーブ油を薄くひき、砕いたナッツとえびの頭を加え、香りが立つまで炒める。

    えびの頭とナッツを極少量の油でローストするように炒めることで、えびの旨みとナッツのコクがソースのベースに。

  2. (1)ににんにく、たまねぎ、にんじんを加えて茶色くなる手前まで炒め、トマト缶、すりおろしたレモンの皮、ローリエ、シナモンを加えて沸かし、中火で5〜10分煮込む。

  3. 鶏もも肉の表面に薄く塩を振り、オリーブ油を薄くひいたフライパンで皮側から焼く。しっかり焼き色が付いたら、身の側はさっと火を入れ、(2)の鍋に皮側を上にして入れ、白ワインを加えて約10分煮込む。

    皮側をしっかり焼くことで、香ばしさとパリッとした食感が出る。

  4. (3)にフライパンでさっと焼いたえびとカカオを加え、ひと煮立ちさせて完成。

    えびを軽く焼くことで、えびの風味と香りがいっそう立つ。

日本ではナッツというと、お酒のつまみやお菓子の材料というイメージが強いかもしれませんが、スペインでは立派な料理の素材。アーモンドや松の実、にんにくで作るロメスコソースは非常にポピュラーで、国内のスペイン料理店でも親しまれています。カロリーが高いと敬遠されがちですが、実は栄養価がとても高い。とりわけ注目したいのが、アーモンド。7割が脂質というクルミや糖質が高いカシューナッツに比べ、カロリー控えめ。ビタミンE含有量はかぼちゃの5倍、食物繊維はキャベツの5倍というヘルシー食材です。料理に取り入れれば、おつまみのように食べ過ぎることなく、適量を摂取しやすいのもいいですね。

酒井涼 RYO SAKAI

1981年、埼玉県生まれ。2002年、渋谷のスペイン料理店『サン・イシドロ』(現閉店)に入店。スペイン研修を経験しながら8年勤め、内2年はシェフを務める。同店の移転を機に退店。牛込神楽坂のスペインバル『バル・マコ』を立ち上げ時から1年手伝い、2012年6月、代々木八幡に『アルドアック』を開業。カウンター8席のみの店内をひとりで切り盛りし、伝統料理をベースとしたスペイン各地の料理をスペイン産の上質なワインと併せて提供する。

Ardoak

住│
東京都渋谷区上原1-1-20
電│
03-3465-1620
営│
18:00?・21:30LO(土曜・日曜ランチ12:00?・13:00LO)
休│
水曜
席│
カウンター8席

カード│使用可

毎月2回更新

2018.11.26 UP 次回は12月10日更新予定です。

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