たけのこメバル

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トップシェフのヘルシーレシピ

たけのこメバル

1人分 158kcal 食塩相当量 1.6g

梅原陣之輔 JINNOSUKE UMEHARA

だしを無駄なく活用し
春の味覚三種を一皿に。

水煮をひと手間でおいしく
煮付けは強火で短時間。

 春においしくなる魚がメバル。関西では赤メバルを「たけのこめばる」と呼びますが、これは魚介の縞模様がたけのこの皮に似ていること、たけのこと旬が重なることに由来します。この時期の脂の乗った白身の旨さは格別で、煮付けがおいしい魚としても知られています。今回はメバルの煮付けにたけのこを合わせて「たけのこめばる」を一皿に。春分の日のごちそうにもぴったりです。
 たけのこは掘りたて、ゆでたてがあれば理想ですが、スーパーで売っている水煮でも、手間をかければおいしく炊くことができます。まずは切り方。縦方向に8等分にして、太くて硬い根元の部分に切れ目を入れる。こうすることで根元にもしっかりだしの風味が染み、食感もよく仕上がります。水煮独特の臭みは、さっとゆでることで取り除くことができます。この二手間で、ぐっとおいしさがアップしますよ。
 今回はたけのこ、メバルに加え、もうひとつ旬の味、葉ごぼうを合わせます。関東ではあまりなじみがないかもしれませんが、関西では「若ごぼう」と呼ばれ親しまれている春の味。薄切りにした茎は、しゃきしゃきとしてふきのような食感ですが、ふきほど苦みがない。

 セリなどと一緒で根の部分は香りが強いので、きれいに洗ってメバルと一緒に炊きます。葉ごぼうがないときは、ふきでも代用できます。
 たけのこを炊いた八方だしを冷まして、ゆでた葉ごぼうの茎をお浸しにする。同じ八方だしに酒、みりん、濃口しょう油、砂糖を加えたものでメバルを煮付けにする。ひとつのだしをフル活用することで、手間が省け、ムダもなくなり、味に一体感が生まれます。
 煮付けは、強めの火加減で、短時間で炊き上げるのがポイント。香りにコクが出て、魚のゼラチン質が煮汁に溶け出し、旨みが増します。食べるとき少し手間ですが、あえて骨を外さずに煮付けましょう。強火で炊いても身が縮まず、さらに骨からもいいだしが出ます。ささがきごぼうを加えて炊き上げ、たけのこ、葉ごぼうと器に盛り付け完成です。
 煮付けに合う針生姜や木の芽を添えてもいいですが、葉ごぼうの繊細な香りを活かすなら粉山椒くらいがちょうどいいかもしれません。たけのこ、メバル、そして葉ごぼう。春のおいしさの三重奏をお楽しみください。

材料(4人前)

たけのこメバル 材料

メバル

2切れ

葉ごぼう

1本

たけのこ(水煮)

1本

ごぼう

160g
※八方だし(A)

合わせだし

400cc

みりん

50cc

薄口しょう油

25cc
※煮付けだし(B)

八方だし(A)

200cc

100cc

みりん

50cc

濃口しょう油

50cc

砂糖

25g
  1. 葉ごぼうは葉と根を落とし、茎の部分を斜め薄切りにする。根はよく洗って縦半分に切る。たけのこは縦に8等分に切り、根元に切り目を入れる。ごぼうはささがきにし、水にさらしておく。

    たけのこメバル

    たけのこの根元の固い部分に切り目を入れることで、火が均一に入る。

  2. メバルは霜降り(熱湯を全体にかけてから冷水で洗い流す)してから1/2に切り、皮に切れ目を入れる。

    たけのこメバル

    切り目を入れることで、炊いたとき身にしっかり味が染みる。

  3. フライパンに湯を沸かし、葉ごぼうの茎と根、たけのこ、メバルの順にさっとゆでる。葉ごぼうとたけのこは水にさらして粗熱を取る。

  4. 鍋にA200ccとたけのこを入れて火にかけて、沸騰したら中火で10分炊き、炊いたたけのこは別皿に移す。火を止めて、残った地の粗熱が取れたら(3)の葉ごぼうを浸す。

  5. フライパンにAの残り(200cc)とBを入れて火にかけ、沸騰したらメバル、葉ごぼうの根を入れて落とし蓋をし、中火で15分煮付ける。ささがきごぼうを加え、ごぼうが飴色になるまで炊いたら、(4)の葉ごぼう、たけのこと一緒に器に盛り付ける。

    たけのこメバル

    落とし蓋をして煮汁を対流させ、強めの火で短時間で煮付けることで、皮から粘りが出て旨みになり、香りもよく仕上がる。泡がフライパンのふちまで上がる程度の火加減が目安。

たけのこメバル

メバルは漢字で「目張」と書く通り、丸い目が張り出しているのが特徴。生息域の水深によって体の色が変わり、浅瀬のものは黒っぽく、深くなるにつれ、茶、赤と変化していき「黒メバル」「赤メバル」の名で呼ばれます。日本全国に定着していて、絶好の釣り魚として親しまれているのも特徴です。大阪府八尾市は「若ごぼう」の栽培に力を入れています。

梅原陣之輔 JINNOSUKE UMEHARA

梅原陣之輔 JINNOSUKE UMEHARA

梅原陣之輔 JINNOSUKE UMEHARA

1969年、大分県生まれ。京都『たん熊 北店』、福岡『浄水茶寮』(現閉店)勤務を経て、赤坂『BASSIN』料理長就任。2006年、東京・銀座のレストラン型アンテナショップ『坐來大分』の店長兼料理長に就任。大分県内の生産者と連携し、かぼす、椎茸、豊後牛、関あじ、関さばなど優れた食材の普及に尽力し、現在も顧問を務める。2011年農林水産省「料理マスターズ」ブロンズ賞受賞。2014年、『八雲茶寮』料理長に就任。日本の風土が育んだ食材や郷土料理など、古来からの知恵を活かした料理を身上とする。

八雲茶寮

八雲茶寮

住│
東京都目黒区八雲3-4-7
電│
03-5731-1620
営│
朝茶9:00~10:30LO、昼懐石12:00~13:30LO、午申茶12:00~15:30LO、お茶・菓子・甘味9:00~16:00LO
休│
日・祝(朝茶、昼懐石は月・祝の翌日も休)
席│
カウンター10席、庭席14席、プライベートダイニング8席、茶房14席

カード│使用可

毎月2回更新

2019.3.25 UP 次回は4月8日更新予定です。

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