なすと豆腐の土鍋煮込み

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トップシェフのヘルシーレシピ

なすと豆腐の土鍋煮込み

1人分 198kcal 食塩相当量 0.8g

家庭でできる本格中華。
冬にぴったりの土鍋レシピ。

中国料理の基本、
陰陽のバランスととろみを活かす

熱々の状態を長く保てる土鍋は、寒い季節に大活躍。今回はこの土鍋を使ったレシピをご紹介しましょう。主役となる素材、なすと豆腐。とりわけ人気の高い組み合わせで、特になすをたっぷり召し上がっていただく料理です。 

中国料理では古来より「陰陽五行説」を基礎にした食養生が取り入れられています。陰陽説とは簡単にいえば、身体を冷やす食べ物が「陰」、体を温める食べ物が「陽」。その組み合わせやバランスを考えて食べることが、健康な身体づくりには欠かせないという考え方です。人間の体は季節によっても体調が変化しますし、1日の中でも変化しています。薬膳料理は季節だけでなく、厳密には食べる時間帯によって陰陽のバランスを考えたメニュー作りが必要という、とても奥が深い料理なのです。

このレシピでいえば、なすは体を冷やす「陰」の食材。バランスを取るために、体を温める「陽」の食材の長ねぎやニンニクを取り入れています。すべてを覚えるのはとても大変ですが、こうした陰陽の考え方を頭に入れて、普段の食生活に生かしてみるのもいいでしょう。

調理のポイントは、下ごしらえ。豚バラ肉は一度お湯で湯がくことで、余分な油を落とすことができ、軽やかな味わいが引き出せます。

たけのこの水煮は下ゆでに。もしくは、エリンギと豚バラと一緒に中温の油でさっと素揚げします。なすは高温の油で素揚げしましょう。油との相性がよく、揚げることで皮の色も色鮮やかな紫に仕上がりますが、気になるのがカロリー。なすは果肉がスポンジ状になっているので、そのまま揚げると油を吸収してしまいます。塩水につけるとあく抜きできるだけでなく、油の吸収も抑えられます。高温でさっと揚げることも油の吸収を抑えるコツです。さらに油を控える場合は、フライパンで中まで火が通るまでじっくり焼くか、電子レンジで加熱してから炒めるといいでしょう。

もうひとつのポイントが、とろみ。土鍋と同じように、このとろみにも保温効果があり、見た目にもツヤが出て味にコクが生まれます。仕上げにしっかりと溶いた水溶き片栗粉を加えたら、だまにならないよう手際よく混ぜ合わせてください。あらかじめ熱しておいた土鍋でさらに過熱されることで、より滑らかな状態になります。とろりとした食感が際立つなす、大豆たんぱくなど栄養豊かな豆腐。たけのこやエリンギの食感と豚肉のコクが一体となった、冬にぴったりの極上おかずです。

材料(2人前)

なす(中)

2本

豆腐(木綿)

1/2丁

豚バラ肉(スライス)

3枚

たけのこ(水煮)

40g

エリンギ(小)

1本

長ねぎ

1/4本

葉ねぎ

2~3本

にんにく(スライス)

1片

上湯
(鶏ガラスープでも代用可)

50cc

しょう油

大さじ1

オイスターソース

小さじ1

砂糖

小さじ1

ごま油(炒め用)

小さじ1

水溶き片栗粉

適量
  1. なすは乱切りにして、塩水にひたしてあく抜きをする。たけのこ、エリンギ、葉ねぎは食べやすい大きさにスライス、長ネギは斜め切りにする。豚バラ肉はひと口大に切り、湯通しする。

    なすは乱切りに、その他の材料は火の通りが均一になるよう、それぞれ同じ大きさにカットする。

  2. 重石をして軽く水切りした木綿豆腐を厚さ1cm程度の薄切りに。

  3. たけのこは下ゆでする。(もしくは、たけのこ、エリンギ、豚バラ肉を中温の油でさっと揚げて、油をよく切る)。

  4. 高温の油でなすをさっと揚げて、油をよく切る。
    (カロリーの気になる人は電子レンジで加熱してから炒める)

    なすは高温、その他の材料は中温で油通ししてから炒める。仕上げに水溶き片栗粉でとろみをつける。

  5. フライパンにごま油を熱し、にんにくを炒める。色が変わって香りが立ったところで、(2)、(3)、(4)を炒める。

  6. スープと調味料を加えてひと煮立ちさせ、水溶き片栗粉でとろみをつける。

  7. 軽く油をひいて熱しておいた土鍋に(6)を盛り付け、仕上げに葉ねぎをちらす。

    土鍋はあらかじめ薄く油をひいて熱しておくと、具材を盛り付けても焦げ付かない。高温になるので注意を。

季節ごとに組み合わせを考える

身体の冷えや熱を取り除いたり、余分なものを解毒したり、足りないものを補うなど、身近な食材の組み合わせを考えた薬膳料理は古人の知恵を活かした料理学といえます。春には苦みのある山菜や野菜、夏はきゅうりやトマトなど水分があって熱を冷ます食材、秋は穀物やイモ類など乾燥を抑えてうるおいをもたらす食材、冬はしょうがやねぎなど体を温める食材というように、季節ごとの気候に合わせて食材を組み合わせ、健康管理に役立てましょう。

日本人が大好きなように、中国でもなすは大変好まれる野菜です。やわらかな豆腐はそのまま加えてもいいですが、一度素揚げすることで煮くずれを防ぐことができ、なおかつ奥深い味わいが楽しめます。たけのこやエリンギも炒めた後に土鍋でさらに煮込むことでしっかりと味を含んで美味しさが増します。最後まで熱々でいただけるのが土鍋の魅力。寒い冬には重宝する調理法で、今回は煮込みでしたが、スープの量を増やせば鍋料理にもアレンジできます。

福永培華 BAIKA FUKUNAGA

1956年生まれ、中国・上海出身。中国の老舗料理店の総料理長を経て、日本へ。東京・六本木『中国飯店』に招聘され8年間にわたり総料理長を務める。その後独立し、『美林華飯店』のオーナーシェフに。今ではポピュラーになった「黒酢の酢豚」を考案したことでも知られる。

美林華飯店

住│
東京都港区麻布台3-4-10 麻布誠工社ビル2F
電│
03-3583-6568
営│
11:30AM~L.O.3:00PM/5:30PM~L.O.10:30(土曜、日曜5:30PM~L.O.9:30PM)
席│
48席
休│
無休

カード│使用可

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2014.12.29 UP次回は1月19日更新予定です。

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