アサリとタケノコ、わかめと春キャベツの焼き浸し

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トップシェフのヘルシーレシピ

アサリとタケノコ、わかめと春キャベツの焼き浸し

1人分 111kcal 食塩相当量 2.0g

吉岡英尋 HIDEHIRO YOSHIOKA

家庭でも簡単に作れるプロの味。
今回は、季節感を感じられる和食です。

旬食材をふんだんに、
昆布出汁で美味も倍増。

 旬のアサリを使って春らしいひと品をご紹介します。酒蒸し風を考えましたが、あまりに当たり前なので「焼き浸し」にアレンジしました。茹でた野菜を出汁に浸ける「お浸し」、薄味を付けた出汁で食材に火を通す「煮浸し」がありますが、焼いて香りを引き出した野菜を薄味の付いた出汁でさっと煮るのが「焼き浸し」です。野菜だけでなく、焼いた鰆などを焼き浸しにすることも。香ばしい香りがプラスされるだけでなく、焼くことにより余分な水分が飛んで旨味が凝縮されるため、塩などの調味料を控えても十分美味しく仕上がるのも魅力です。
 何よりも“季節感”を大切にする和食。旬の食材は生育時期や条件もととのい、もっとも成熟した状態で収穫されるため、味がいいことはもちろん栄養価が高いという利点があります。しかも、この時期は手に入れやすく安価なのも魅力です。あさりは低脂肪、高たんぱくな食材。ビタミンB2や鉄分、ビタミン、ミネラル類を多く含みます。たけのこも同様にカロリーが低くタンパク質も豊富。食物繊維に関してはごぼうや大根などの根菜に次ぐほど。わかめも食物繊維とミネラル、キャベツはビタミンCが多い野菜です。こうした旬食材の美味しさをストレートに引き出すことができるのも、また和食といえるでしょう。今回はフライパンに油を熱し、タケノコとキャベツを香ばしくなるまで焼き上げます。

 どちらの素材も油と相性がいい。アサリから天然の旨味が出ますし、サッと火入れしたワカメは食感も抜群。調味料は極力少なく、相性のいい昆布出汁で旨味を引き立てます。
 和食に欠かせない出汁には、代表的なものにカツオ出汁と昆布出汁があります。カツオ出汁は動物性のイノシン酸、昆布出汁は植物性のグルタミン酸とうまみ成分が異なります。修業時代、“煮方”をやっていた頃はカツオ出汁が旨いと感じたものですが、年を重ねると昆布出汁をしっかりと効かせてカツオ出汁で旨味を補う方が美味しいと感じるようになりました。相乗効果で美味しさを高める「合わせ出汁」です。京料理や関西地方では昆布出汁を主に使用します。北海道から北前船で日本海を通り京都に運ばれたという歴史や食文化にも由来しますが、京都は軟水。昆布の旨味が出やすいというのも理由のひとつでしょう。昆布は湯出しと水出しがあり、具や素材の持ち味を引き出す上品な味わいの料理に向いています。今回のようにアサリやハマグリ、シジミなど貝類の時は昆布出汁が最適です。出汁をきちんと効かせるとそれだけで十分な旨味が味わえるので、塩分量を控えることができます。出汁を上手に使いこなして、美味しさを際立たせてみてください。

材料(2人前)

アサリとタケノコ、わかめと春キャベツの焼き浸し 材料

アサリ(砂抜きしたもの)

250g(殻つき)

たけのこ

小1個(約120g)

ワカメ

20g

春キャベツ

3枚
A

昆布出汁

100cc

100cc

薄口しょう油

大さじ1

小さじ1
  1. タケノコは厚めにスライス、わかめはひと口大に、キャベツは食べやすい大きさにざく切りにする。

    アサリとタケノコ、わかめと春キャベツの焼き浸し

    タケノコは厚めにスライス、わかめはひと口大、キャベツはざく切りにする。火の通りが均一になるよう大きさを揃えると良い。

  2. フライパンに油を熱し、たけのこ、キャベツを焼く。きれいな焦げ目がついて香ばしい香りが立ったら、アサリとAを入れる。

    アサリとタケノコ、わかめと春キャベツの焼き浸し

    フライパンに油を熱して、きれいな焼き色が付くまでタケノコと春キャベツを色よく、香ばしく焼く。

  3. アサリの口が開いたら、わかめを入れてさっと火を入れる。

    アサリとタケノコ、わかめと春キャベツの焼き浸し

    アサリの口が開いたところで、わかめを加える。あまり火を入れ過ぎるとトロトロになるので注意を。

アサリとタケノコ、わかめと春キャベツの焼き浸し

今回のレシピで使用する調味料は、酒100ccと薄口しょう油小さじ1のみ。アサリが本来持っている塩分とわかめのミネラル感をそのまま活かしており、必要以上の味を加えずに仕上げたひと品です。風味豊かなタケノコと食感も柔らかな春キャベツは焼いてひと手間かけることで旨味が際立ち、十分美味しく感じられるはずです。素材はやや大きめにカットしているので、食べ応えも満点。旬の味わいをとことん堪能してみてください。

吉岡英尋 HIDEHIRO YOSHIOKA

吉岡英尋 HIDEHIRO YOSHIOKA

吉岡英尋 HIDEHIRO YOSHIOKA

1971年生まれ、東京都出身。料理学校卒業後、東伊豆『つるやホテル』、鎌倉の懐石料理『山洞』、日本料理『蝦夷御殿』、ふぐ料理『山田屋』など、有名店にて修業を積み、永田町『瓢亭』では首相官邸出前料理番を任せられる。2000年、恵比寿に『なすび亭』を開店。現在テレビや雑誌などメディアでも幅広く活躍中。料理教室、小学校給食作り、中学校のクッキングクラブに参加するなど、食を通じての社会貢献にも力を注ぐ。

こなす亭

なすび亭

住│
東京都渋谷区恵比寿南2-13-3
電│
080-4622-0730
営│
18:00〜21:00LO
休│
日曜・祝日
席│
カウンター6席、個室6室

カード│使用可

毎月2回更新

2016.3.14 UP 次回は3月28日更新予定です。

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