マグロ赤身と菜の花の昆布じめ

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トップシェフのヘルシーレシピ

マグロ赤身と菜の花の昆布じめ

1人分 98kcal 食塩相当量 0.8g

吉岡英尋 HIDEHIRO YOSHIDA

家庭でも簡単にできるプロの味。
ひと味違うマグロ料理です。

調味料不要。旬魚と旬菜を
天然の旨味で引き立てる。

 日本料理や鮨にある調理法のひとつ「昆布じめ」。鯛やヒラメなどの淡泊な白身魚の昆布じめが一般的ですが、今回はマグロの赤身と旬菜の菜の花で仕立ててみました。昆布じめにするとマグロの余分な水分が抜けてねっとりとした食感になり、旨みも倍増。納豆と合わせてもおいしくいただけます。菜の花のような葉野菜も昆布じめにするとひと味違った味わいが楽しめます。調理の際、通常ならひと塩するものですが、ヘルシーを意識しているレシピのため、塩などの調味料はあえて使いません。天然の旨味成分で素材本来の味わいを活かした春らしいひと皿です。
 「昆布じめ」とは文字通り、魚などの素材を昆布で挟むシンプルな和の調理法です。昆布が余分な水分を吸い持ち味が凝縮、旨味成分のグルタミン酸が素材に入り込むため、生のままの刺身とはまた違った奥深い味わいが引き出さるのが魅力。真鯛やヒラメなどの白身は余分な水分が抜けると半透明になり、マグロ同様にねっとりとした何とも言えない食感が楽しめます。今回ご紹介したように、マグロは赤身がおすすめ。トロでは脂が多く旨味が濃すぎるように思います。魚貝全般、鶏のささみなどにも応用できる調理法ですが、淡泊な味わいの食材を使うといいでしょう。昆布は産地もいろいろ。どれを使ってもいいのですが、取扱いしやすい平らなものを選ぶといいでしょう。そのままでは硬く使いにくいので、酢や水で軽く湿らせてから使います。

マグロなど魚介の場合は後ではがしやすくなる「酢」を使いますが、菜の花は、酢を使うと酸によって色味が変わってしまうので酢は使わず水にさっとくぐらせてから使いましょう。
 マグロの赤身はしめすぎるとパサついてしまうので、あまり時間をかけすぎないこと。2時間くらいが目安です。昆布で挟んだらラップをし、上からバット等のごくごく軽い器具をのせて重石をするといいでしょう。菜の花は一度下ゆでしているので、2時間以上かけても大丈夫です。この調理法の魅力は素材の旨味を引出しあうので、塩などの調味料を使わなくても美味しくいただけるということです。きちっと下ごしらえをして昆布に挟んでおくだけで、昆布の旨味成分でもあるグルタミン酸が奥深い味わいを演出してくれます。これは減塩を心掛ける人にはぴったりのヘルシーレシピといえるでしょう。昔の板前さんは、盛付けの際しめた昆布を細切りにしてあしらったものです。「昆布じめ」の証のようなものでしょうか。お店と違って、ご家庭なら使い終わった昆布を3回は再利用できます。味が十分でますから、一度で捨ててしまったらもったいない。何度か昆布じめに使ったら食べやすい大きさに刻んで、しょう油や酒でお好みの食材を炊けばちょっとしたおかずにもなる。最後まで余すことなく食べ切れるのも、昆布ならでは。いつもとひと味違った魚料理で食卓も華やぎます。

材料(2人前)

マグロ赤身と菜の花の昆布じめ 材料

マグロ(赤身)

100g

菜の花

1束

適量

昆布

適量
  1. クッキングペーパーに酢をしみこませ、昆布の表面を軽く拭いて湿らせる。

    マグロ赤身と菜の花の昆布じめ

    真昆布、羅臼、利尻、日高など昆布は産地ごとの銘柄がある。平らにのして加工したタイプを使用するとよい。

  2. (1)の上にマグロをのせ、同じように酢で湿らせた昆布で挟み、ラップをしてバットなどで軽く重石をして冷蔵庫で2時間ほどしめる。

    マグロ赤身と菜の花の昆布じめ

    マグロはしめ過ぎるとパサつくので、柵(さく)の場合は2時間くらいがベスト。刺身は1時間ほどでも十分おいしい。

  3. 菜の花は30秒ほど塩ゆでし、冷水に取ってから水気をしぼる。

  4. 水気を拭いた昆布で(3)の菜の花を挟み、2時間以上しめる

    マグロ赤身と菜の花の昆布じめ

    菜の花は塩ゆでしてから水気をよく絞って、昆布じめに。菜の花は火が入りやすいので、ゆで過ぎに注意を。

  5. マグロと菜の花を昆布からはがし、食べやすい大きさに切り、皿に盛り付ける。お好みで昆布じめに使った昆布を細切りにして添えても良い。

マグロ赤身と菜の花の昆布じめ

昆布じめは真鯛、ヒラメ、スズキなどの白身魚、今回のようなマグロに、イカ、甘エビ、ホタテ、あるいは鶏のささみなどもおすすめです。魚介の場合、昆布でしめる前にふり塩をすると、余分な水分が出て生臭みがなくなります。昆布の旨味でおいしさが引き立てられるので、しょう油などは不要。わさびとの相性は抜群ですが、白身魚やイカ、甘エビ、ホタテにはスダチなどを添えるとさらに美味が引き立ちます。お店の味をご家庭で再現してみてください。

吉岡英尋 HIDEHIRO YOSHIDA

吉岡英尋 HIDEHIRO YOSHIDA

吉岡英尋 HIDEHIRO YOSHIDA

1971年生まれ、東京都出身。料理学校卒業後、東伊豆『つるやホテル』、鎌倉の懐石料理『山洞』、日本料理『蝦夷御殿』、ふぐ料理『山田屋』など、有名店にて修業を積み、永田町『瓢亭』では首相官邸出前料理番を任せられる。2000年、恵比寿に『なすび亭』を開店。現在テレビや雑誌などメディアでも幅広く活躍中。料理教室、小学校給食作り、中学校のクッキングクラブに参加するなど、食を通じての社会貢献にも力を注ぐ。2015年6月、『こなす亭』を開業。現在『なすび亭』は移転準備中(2016年春開店予定)。

こなす亭

こなす亭

住│
東京都渋谷区恵比寿2-12-16
電│
03-6450-2677
営│
18:00〜
休│
日曜、祝日
席│
カウンター6席、テーブル16席

カード│使用可

毎月2回更新

2016.3.28 UP 次回は4月11日更新予定です。

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