サバの生ハムとモッツァレラ

vol.

トップシェフのヘルシーレシピ

サバの生ハムとモッツァレラ

1人分 191kcal 食塩相当量 1.6g

プロの秘伝の技で
自家製珍味を仕込む。

生ハム風に仕込んだサバで
いつもと違うカプレーゼに。

 塩と砂糖で水分を抜いて生ハムのように仕立てたサバを使ったこの前菜は、僕のスペシャリテのひとつです。トマトとモッツァレラチーズを合わせたイタリアの定番「カプレーゼ」の応用としてサバの生ハムを合わせてみたら、これがものすごくぴったりとくる組み合わせだったのです。店の人気メニューになりましたが、やはり、季節によって美味しい組み合わせにしていきたいと思い、「生ハムメロン」のイメージで、夏はメロン、秋はいちじく、冬は干し柿と季節のフルーツを合わせています。
 サバは、あえて脂が乗っていないものを使うのがポイントです。脂が多いと酸化するのが早く、味の劣化が早いからです。冬は秋のサバより脂が落ちてきていますが、あまり太っていないものを選んでください。三枚におろした身に、粗塩と砂糖をまぜたものを表面にしっかりまぶして水分を抜いていきます。粗塩と砂糖の1:2の割合は、僕がいろいろ試してみた結果で、この割合を守らないと色も味わいも今ひとつの仕上がりになってしまいます。
 1週間くらいすると、身が締まって干物のようになります。身の質感は本当に生ハムのようで、スライスしただけでも酒のつまみになります。

 でもやはり、モッツァレラチーズ、フルーツと一緒に食べるのがおすすめ。味わいが増幅するのです。
 モッツアレラ・ボッコンチーニというのは、ミニサイズのこと。サバひと切れに対してミニサイズの半分くらいがちょうどよいと思います。ミルキーなモッツアレラが、サバの生ハムのちょっととんがった味を包み込み、口の中は海のソルティな風味が絶妙に残ります。ここに果物の甘味とジューシー感が合わさるハーモニーは、まさに黄金の組み合わせといえるでしょう。冬柿やあんぽ柿でもよいのですが、干し柿のウォッカ漬けは、トロッと口溶けがよく、お酒の風味が美味しい余韻を伸ばしてくれますよ。口の中をリフレッシュしてくれるミントをトッピングしましたが、お好みで優しい香りのセルフィーユや、魚と相性のよいフェンネルでもよいでしょう。また、アクセントとして添えるコショウの塩漬けが手に入らなければ、ホールのコショウで代用を。シナモン、クローブ、ナツメグ、コショウがミックスされたキャトルエピスというミックススパイスが市販されています。ハーブとスパイス使いも料理のエッセンスとして楽しんでください。

材料(4人前)

サバの生ハム

4切れ
<サバの生ハムを作るための材料>

サバ、粗塩1:砂糖2で混ぜたもの

 

サバは、市販されている刺身用を利用してもよい(1人当たり50g程度)

モッツアレラ・ボッコンチーニ

2個

干し柿のウォッカ漬け

4かけ

干し柿をウオッカ(ウィスキーやブランデーでもよい)に2~3日以上漬けておいたもの

ミント

4枚

3種のエピス(シナモン、クローブ、ナツメグのミックス)

少々

コショウの実の塩漬け

 

少々

オリーブオイル

少々
  1. 1週間くらい前に、サバの生ハムを仕込む。
    3枚におろしたサバに粗塩と砂糖を1:2で混ぜたものをたっぷりまぶす。

    網の台の上にサバを置いて、水分を受けるバッドにキッチンペーパーを敷いてラップをし、冷蔵庫に入れておく。

  2. 干し柿をウオッカやウイスキーなどアルコール度数の高い酒に漬けておく
    (2、3日後から使用できる)。

  3. サバの生ハムを薄く斜めにスライスする。

    できるだけ、身の断面が広くなるよう、包丁を横にしてスライスする。

  4. モッツアレラ・ボッコンチーニを半分に切り、皿に並べる。
    その上にサバの生ハム、干し柿のウオッカ漬けをのせてオリーブを垂らす。最後にスパイス、ミントの葉をトッピングする。

    3つをひと口で味わってもらいたいので、あくまでもひと口サイズのコンパクトな盛り付けに。

  5. スパイスをふり、ミントの葉をのせてできあがり。

サバなど青魚の脂質には、EPAやDHAが多く含まれ、血液サラサラ効果で動脈硬化を防いだり、脳細胞の活性化に役立つと言われていますよね。チーズはタンパク質や必須アミノ酸、カルシウム、ビタミン、そして乳酸菌を含み、健康のよいことで知られています。また脂質にはすぐにエネルギーに変わる中鎖脂肪酸を多く含み、脂肪の燃焼を助けてくれます。それでもカロリーが気になりますが、モッツアレラチーズは、原料乳に乳酸菌を加えて固めたフレッシュチーズ。熟成させたチーズよりカロリーは低いのでおすすめです。また、「柿が赤くなれば医者が青くなる」という諺があるほど柿は栄養価の高い果物です。豊富に含まれるカリウムには、体内の余分な塩分を排出する効果もありますから、生ハムとの組み合わせに最適ですね。

掛川哲司 SATOSHI KAKEGAWA

1978年、横浜生まれ。箱根『オーベルジュ・オー・ミラドー』、青山『ナリサワ』での修業を通じ、フレンチ、ガストロノミーの技術と考え方を体得。表参道『デイルズ・フォー・オーガニック』のシェフを経て、2012年、「港町のビストロ」をコンセプトにした『ata』を代官山にオープン。レストランクオリティの料理をビストロの気軽さで楽しめる店として話題を呼ぶ。缶詰の商品開発やプロデュース業など、店の外でも活躍。

ata

住│
東京都渋谷区猿楽町2-5 佐藤エステートビル3号館1F
電│
03-6809-0965
営│
17:00~翌2:00
休│
日曜
席│
24席

カード│使用可

毎月2回更新

2016.12.26 UP 次回は1月16日更新予定です。

  • ピン