早堀りタケノコと豆腐、冬茹(どんこ)の煮物

vol.

トップシェフのヘルシーレシピ

早堀りタケノコと豆腐、冬茹(どんこ)の煮物

1人分 143kcal 食塩相当量 1.0g

古田等 HITOSHI FURUTA

早堀りタケノコのごちそう感を
たっぷり演出するプロの技。

アツアツの湯気から立ち昇る
早春のタケノコの香りを楽しむ。

 タケノコの旬は、3〜4月ですが、早堀りタケノコは12月頃から市場に出てきます。鹿児島から出始め、四国、関西、関東と段々北上し、3〜4月に最盛期を迎えるというわけです。冬に掘り出すタケノコは、まだ地上に出ていないけれど、地表のわずかな割れ目や地表に染み出している露を頼りに掘り出されたものです。小さいけれど希少価値が高く重宝される食材です。香り高く、やわらかで、とうもろこしのような優しい甘味があり、旬の時期とはひと味違う初々しさを味わうことができます。中国料理は1年中いろいろなタケノコを使いますが、寒い時期の早堀りタケノコは、やはり大切な方のおもてなし料理として出されています。
 ご家庭では水煮を使っても構いませんが、皮付きのタケノコなら、米ぬかや米のとぎ汁を入れて茹でる下ごしらえが必要です。とはいえ、早堀りはエグ身が少ないので、収穫からそんなに時間が経っていなければ、アク抜きは必要ないでしょう。茹でる時は、竹皮からも香りが出るので皮は剥かず、穂先だけ斜めに切って縦に切り込みを入れて、水から茹でます。
 この早春のタケノコを使いながらも真冬に出すお料理なので、土鍋の煮込み風で熱々をテーブルに運ぶという演出で、おもてなしの心を伝えてはいかがでしょう? 合わせる素材は、干し椎茸と豆腐、とシンプルです。生の椎茸でもいいのですが、干し椎茸は香りも旨味も食感も増すので美味しさがグレードアップします。

 なかでも、「冬茹(どんこ)」がおすすめです。傘が開ききっていないため丸くて肉厚、お肉のような食感。野菜だけの煮込み料理ですが、冬茹を使うと食べた時の満足感が増します。干し椎茸は冷水でじっくり戻すと旨味も栄養価も増すので、できれば前日から水に浸けて冷蔵庫に入れておくと良いでしょう。さらに酒、塩を少々加えた水に浸け、20分程度蒸すと旨味が増すのはもちろん、味も染みやすくなります。
 タケノコ、戻した椎茸、豆腐を油で素揚げにしてから煮込むのは、形の煮崩れも、煮過ぎてしまうことも防いでくれるからです。また肉を使わない料理ですが、油が旨味となって味がさらによくなるわけです。もちろん、お好みで鶏肉、またはエビやイカなどの海鮮を加えてもいいでしょう。塩鮭も合います。味付けも、今回は醤油ベースですが、素材の存在感を際立たせたいなら醤油、オイスターソースの代わりに塩で味付けするのもおすすめです。その場合、隠し味に干し貝柱を入れると旨味がぐっと増します。
 素材を入れる前に、少量の油にネギ、ショウガを入れて油に香りを移し、即席でネギ油に仕立ててからスープや素材を入れる、というひと手間もぜひ。このほんのひと手間で素材の輪郭が浮き立ち、食べた時の美味しさが全く違ってくるのです。

材料(4人前)

早堀りタケノコと豆腐、冬茹(どんこ)の煮物 材料

絹ごし豆腐木綿でも可)

1/3丁

タケノコ

100g

干し椎茸(どんこ)

100g

長ネギ(青い部分)

10cm

ショウガ

1cm程度の角切り、2〜3片

揚げ油

適量

ネギ油用油

小さじ1

チキンブイヨンスープ
又は水 又は椎茸の戻し汁

適量
調味料A

日本酒

大さじ1

砂糖

小さじ1

醤油

小さじ1

オイスターソース

小さじ1

水溶き片栗粉

少々

仕上げのゴマ油

小さじ1
  1. 豆腐、タケノコ、戻した干し椎茸を一口大に切りよく水切りして素揚げする。水溶き片栗粉を作っておく。
    *豆腐については、カロリーが気になる方は素揚げをしなくても可。また、素揚げの手間をはぶいて、厚揚げで代用しても可。

    早堀りタケノコと豆腐、冬茹(どんこ)の煮物

    豆腐は素揚げすることで、煮崩れしなくなる。また、ここで火を通しておくと煮過ぎることがないし、肉を使わないかわりに油が旨味を出してくれる。

  2. 鍋に小さじ1の油を入れ、ぶつ切りにしたネギとショウガを入れて香りを出したら、素材が隠れる程度の水(または、チキンブイヨンスープか干し椎茸の戻し汁)を加え、(1)の素揚げした豆腐、タケノコ、干し椎茸を入れる。

    早堀りタケノコと豆腐、冬茹(どんこ)の煮物

    素材を炒める前に、その炒め油にネギ,ショウガを入れて香りを移すことで、即席で香りのよいネギ油を作ることができる。

  3. (2)がフツフツしてきたら、調味料Aを加えてひと煮立ちさせ、水溶き片栗粉を加えてとろみを出し、最後にごま油を回しかける。

  4. (3)を土鍋に移し、フツフツしてきたら火からおろし食卓へ運ぶ。

    早堀りタケノコと豆腐、冬茹(どんこ)の煮物

    普通のお皿ではなく、土鍋でグツグツと煮立てた熱々の状態で食卓に運ぶ、寒い冬ならではの演出を。

早堀りタケノコと豆腐、冬茹(どんこ)の煮物

タケノコは、10日で竹になるほど成長が早いパワーのある植物です。グルタミン酸やチシロン、アスパラギン酸など栄養ドリンクでもお馴染みのアミノ酸を豊富に含み、疲労回復に役立ってくれます。因みに、茹でた時に出る白い粒状のものがチロシンで、食べても害がないどころか体にいい成分なのです。塩分の排泄効果があるカリウムも豊富なため、高血圧予防やむくみを取る作用も期待できます。また、食物繊維も豊富です。さらに、干し椎茸もアミノ酸や食物繊維やカルシウムの代謝を助けるビタミンDが豊富。豆腐も健康に良い大豆加工食品です。疲れた時、この煮込みを食べればきっと元気になれることでしょう。

古田等 HITOSHI FURUTA

古田等 HITOSHI FURUTA

古田等 HITOSHI FURUTA

1956年生まれ、岐阜県郡上市出身。22歳で『開化亭』をオープン。中華料理の本流を踏まえながら、独創的なアイデアとテクニックでオリジナリティ溢れる美味を生み出す。2014年12月23日に東京・銀座に『Furuta』をオープン。旧店を長男に託し、カウンター8席の新天地で新たなステージに挑戦。食材や調理法の組み合わせは秀逸で「鮎の春巻き」「冷製ビーフン キャビアの純正ごま油和え」等、スペシャリテも多数。

Furuta

Furuta

住│
東京都中央区銀座1-21-14
電│
03-3535-5550
営│
17:00〜最終入店20:30
休│
日曜、月曜
席│
8席

カード│使用可

毎月2回更新

2017.1.30 UP 次回は2月13日更新予定です。

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