アジじゃがパクチー

vol.

トップシェフのヘルシーレシピ

アジじゃがパクチー

1人分 168kcal 食塩相当量 1.2g

アジの塩気と旨みがジャガイモを
おいしくするプロの技。

栄養満点のアジを
温かいサラダ仕立てで。

 アジは気軽な価格で手に入れられる大衆魚ながら栄養は満点。年間を通じて獲れるので季節ごとのレシピで楽しめるのが魅力です。レーズンやドライトマトを使って洋風のなめろうにしたり、からりと揚げてビネガーでマリネしてエスカベッシュにしたりと、「Ata」でも大活躍のレギュラー素材。冬から春にかけての乾燥した季節は、アジを干物にして旨みを凝縮させ、野菜と一緒にお出ししています。
 干物は市販のものを使用しても構いませんが、ご家庭でも簡単にできるのでぜひチャレンジを。三枚におろして塩を振り、1日陰乾しにするだけ。アジじゃがパクチーを作るときの干物は、焼き魚で食べるときより気持ち強めに塩を利かせるのがポイントです。
 合わせる野菜は青魚と相性がいいことで知られるジャガイモ。通常はゆでる際、湯に塩をひとつまみ入れますが、今回はお湯だけでゆでて、ゆで上がり直前にアジを加え、アジの塩気と旨みをジャガイモに吸わせていきます。アジのゆで時間は3分が目安なので、ジャガイモのゆで上がりを見極めて、逆算して投入しましょう。

 旬のこの時期の新ジャガを使うのもいいですね。ジャガイモにアジの塩気と旨みがしっかり染み込み、かつ煮崩れていない状態で、アジと同時にゆで上がるのが理想です。ゆでたジャガイモは粉ふきイモの要領で水分を飛ばしながらオリーブオイルを絡めることで、さらに旨みが凝縮し、なめらかに仕上がります。アジは水気を切ってフレーク状に。ふっくらした食感も楽しめるよう、やや大きめにほぐして下さい。マスタードの粒つぶ食感がアクセントの酸味の利いたドレッシングで全体を引き締めて、パクチーでフレッシュな香味を添えます。そのまま温かいうちにテーブルへ。アツアツでもなくひんやりでもない、ほどよく温かな前菜は、日に日に暖かくなる今の季節にぴったりです。フレンチの惣菜ですが、フォークとナイフではなく、スプーンで気軽にほおばって下さい。酸味と香味の中からジャガイモのほくほく、ねっとりとした甘さとアジの旨みが顔を出す、優しくて軽やかな味わい。春にぴったりの1皿です。

材料(4人前)

アジの干物

1尾分(約125g)

ジャガイモ

大1個

オリーブオイル

25g

パクチー

5g
ドレッシング

タスマニア産粒マスタード

小さじ1

ケッパー

小さじ1

シェリービネガー(なければフルーツビネガー、米酢で代用も可)

大さじ1
アジの干物(自家製の場合の目安)

アジ

2尾(約250g)

2g
  1. アジの干物を作る。三枚におろしてワタを取り除き、身に塩を振って1日陰乾しにする。
    *虫がつかないよう上からザルなどをかぶしておくと良い

  2. ジャガイモは皮を剥いてやや大きめのひと口大に切る。鍋に湯を沸かし、塩を加えずに茹でる。

  3. ジャガイモの周りが半透明になり、竹串を刺してわずかに芯が残る程度に火が通ったら、アジの干物を加えて約3分ゆでる。火を止めて、ざるで水気を切る。

    一緒にゆでることで、アジの干物の塩分と旨みがジャガイモに染み混む。ジャガイモのゆで上がりから逆算してアジを加える。

  4. ジャガイモを鍋に戻して中火にかけ、オリーブオイルを加え、スプーンを使ってジャガイモに絡める。

    粉ふきイモの要領でジャガイモの水分をとばしながら、オリーブオイルを絡めることで、パサつかずジューシーに仕上がる。

  5. (3)のジャガイモを皿に盛り、アジをほぐして載せる。

    アジはやや大きめにほぐすと素材感が残る。トングを使うときれいにほぐせる。

  6. 粒マスタード、ケッパー、シェリービネガーを合わせたドレッシングをかけ、刻んだパクチーを載せて温かいうちにテーブルへ。

温かい海を好むアジは、暖流にのって日本列島周辺を回遊し、季節を問わず漁獲されます。種類も数百種あるといわれていますが、一般的に流通しているのはマアジやムロアジ、シマアジ。3~5月の旬の時期には小ぶりですが脂のりがよいアジが出回ります。青背の魚に含まれることで知られるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸は、アジにも豊富に含まれます。身体の重要な働きを担うこれらの不飽和脂肪酸は体内では作られないため、食物でしっかり摂取することが重要。加えてアジは、脂質は控えめで良質なたんぱく質、ビタミンやミネラル類も豊富です。季節に合った調理法で、日常の献立に取り入れて下さい。

掛川哲司 SATOSHI KAKEGAWA

1978年、横浜生まれ。箱根『オーベルジュ・オー・ミラドー』、青山『ナリサワ』での修業を通じ、フレンチ、ガストロノミーの技術と考え方を体得。表参道『デイルズ・フォー・オーガニック』のシェフを経て、2012年、「港町のビストロ」をコンセプトにした『ata』を代官山にオープン。レストランクオリティの料理をビストロの気軽さで楽しめる店として話題を呼ぶ。缶詰の商品開発やプロデュース業など、店の外でも活躍。

ata

住│
東京都渋谷区猿楽町2-5 佐藤エステートビル3号館1F
電│
03-6809-0965
営│
17:00~翌2:00
休│
日曜
席│
24席

カード│使用可

毎月2回更新

2017.3.27 UP 次回は4月10日更新予定です。

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