山菜とヤリイカ プロヴァンス風バーニャカウダ

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山菜とヤリイカ プロヴァンス風バーニャカウダ

1人分 195kcal 食塩相当量 1.9g

今が食べどきのヤリイカに
山菜の苦みとカブの甘みを添えて。

野菜の旨みを加えたソースが
決め手の春を呼ぶ一皿。

 スルメイカが「夏イカ」と呼ばれるのに対し、ヤリイカは「冬イカ」と呼ばれます。旬は冬から春にかけて。ちょうど今の時期が食べごろです。今日はさっと湯がいたヤリイカに、市場に出回り始めた山菜を合わせ、カブの甘みが豊かなソースと一緒に召し上がっていただく前菜をご紹介します。冬から春へ。季節の移り変わりを味わう1皿です。
 主役はヤリイカですが、味の決め手はソースです。バーニャカウダは、ニンニク、オリーブオイル、アンチョビで作るソースで野菜を食べるイタリア、ピエモンテ州の郷土料理。今日はそのソースを、南仏風にアレンジします。タプナードは、黒オリーブ、アンチョビ、ケッパーを使った南仏プロヴァンス伝統のソース。作り方は簡単で、オリーブオイルで炒めたニンニクと黒オリーブなどの材料をフードプロセッサーで回すだけ。ここで重要なのは、ニンニクの炒め加減。火が十分に通ってないと辛みや臭みが立ってしまうし、ちょっとでも焦げると雑味になります。キツネ色になったらすぐ火から下ろし、それ以上油の温度が上がらないよう、氷水で冷やす。これさえやれば、絶対においしくできます。

 このタプナードは、生野菜にディップしてもいいですし、薄く切ったバゲットに塗ってカナッペにしてもいい。冷蔵で約1ヵ月は保存ができますので、作りやすい量で仕込んで下さい(基本の作成量を記載しましたので必要に応じて2倍量にするとか半量にするとか加減してください)。
 今回はさらにこのタプナードに、タマネギとカブで作った野菜のピュレを加えて、柔らかく甘みのある味に仕上げます。ゆでたヤリイカと山菜という、春香るヘルシーな食材を、バーニャカウダほどオイリーでなく、かつ野菜の旨みも加わったソースで味わうというわけです。ソースさえ決まれば、あとは簡単。ヤリイカは、ひと口大に切って、さっと湯がくだけ。表面にあらかじめ細かい切り込みを入れておくことで、見た目も美しく、歯切れよく仕上がります。山菜もお好みで。ほどよい食感が残るよう、ひとつひとつ、丁寧にゆでると、それだけで食べたときのおいしさがアップします。

材料(2人前)

ヤリイカ

120g

セリ

1本

ウルイ

1本

タラノメ

1本

菜の花

2本

バター

8g

たまねぎ

小1/4

カブ

カブ

チキンブイヨン

120g ※カブが浸る量
タプナード 使用量約大さじ1弱
*以下の分量は基本の作成量です。(使用量ではありません)

ニンニク

小1片

オリーブオイル

大さじ1・1/2

黒オリーブ

90g

ケッパー

90g

アンチョビ

10g

※鍋にオリーブオイルとニンニクの薄切りを入れ弱火でキツネ色になるまで揚げる。火から下ろしたら氷水を張ったボウルに鍋を入れ粗熱を取り、黒オリーブ、ケッパー、アンチョンビと一緒にフードプロセッサーで回してペースト状にする。

ヴァージンオリーブオイル

小さじ1
仕上げ用

レモン汁

小さじ1
  1. タラノメ・セリ・菜の花は根元を落として、それぞれやや食感が残る程度にゆで、食べやすい大きさにカットする。ウルイは斜めに包丁を入れて水にさらす(水にさらすことでカールする)。

  2. ヤリイカは1mm幅に切り込みを入れて、約3cm幅の短冊状に切り、さっとゆでて氷水にさらし、キッチンペーパーで水を切っておく。

    切り込みを入れることで、見た目も美しく、食感よく仕上がる。

  3. 小鍋にバターを溶かし、薄切りにしたたまねぎを透明になるまで炒める。皮を剥いたカブとカブが浸る程度のチキンブイヨンを入れ、弱火で30分煮込み、ミキサーでペースト状にする。

    カブのペーストは、ややとろみが出る程度の硬さを目安にする。

  4. (3)のカブのペーストに、タプナード、ヴァージンオリーブオイルを入れて軽く合わせ、塩で味を調える。

  5. (4)を皿にひいて、ヤリイカ、山菜類を盛り付け、レモン汁をかけて仕上げる。

細長い姿形が鎗に似ていることからその名が付いたといわれるヤリイカ。刺身でよし、天ぷらやフライにもよし、炒めてもよしと、どんな調理法でもおいしいですよね。ほかのイカ同様、低脂肪、低カロリー、高タンパク。さまざまなアミノ酸やタウリンも豊富な、ヘルシー食材です。山菜の季節は、早春から初夏にかけて。人工的に栽培される野菜と違って、この時期に、限られた場所でしか収穫できないので、季節感を強く感じさせてくれます。若い芽の部分は、これから伸長し、外敵から身を守るために蓄えた養分が詰まっています。日持ちしないものがほとんどなので、できるだけ新鮮なものを購入し、すぐに食べるようにしましょう。

中野寿雄 TOSHIO NAKANO

1957年、静岡県生まれ。1977年に渡欧し、フランスとベルギーのレストランで修業する。帰国後、数軒の店を経て、1988年から18年間、赤坂の『ビストロ・ボンファム』でシェフを務め、存在感のある力強い料理でコアなフランス料理好きを魅了する。2007年「男性がひとりで立ち寄れる店」をコンセプトに『オー・プロヴァンソー』を開業。著書は『美味しいフランス家庭料理 中野寿雄のメニューブック』(大泉書店)。

オー・プロヴァンソー

住│
東京都千代田区平河町1-3-9
電│
03-3239-0818
営│
11:30~14:00LO、17:30~21:00LO
休│
日曜(祝日不定休)
席│
32席

カード│使用可

毎月2回更新

2018.2.26 UP 次回は3月12日更新予定です。

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