はまぐりとキャベツのすり流し

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はまぐりとキャベツのすり流し

1人分 124kcal 食塩相当量 1.7g

鮮やかなグリーンが
食卓に春を運ぶ一皿。

はまぐりの煮汁をベースに
キャベツの甘みで味を決める。

 はまぐりがおいしい季節です。ひなまつりのお吸い物のイメージが強いですが、旬は5月初旬まで続きます。大粒のはまぐりを使って作るキャベツのすり流しは、はまぐりの出汁を余すところなく、そしてキャベツの緑色も活かした目にも舌にも春らしい1品。華やかなおもてなしにもぴったりながら、少ない材料でできるのがうれしい。手間はかかるけれど、難しい技術は要らない料理なので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
 材料ははまぐりとキャベツ、仕上げにあしらう木の芽のみ。はまぐりはちょっと贅沢して、手に入るものの中でとびきりのものを使うことをおすすめします。私がこの時期、店で使うのは千葉県九十九里産のはまぐり。殻付きの状態で6〜8個で1キロと、とても大ぶりです。鍋で酒炒りにし、火が通ったらはまぐりを取り出して、汁をキッチンペーパーで濾します。この汁でキャベツをゆでていきます。
 キャベツは、サラダなど生食の場合は取り除く外側の色の濃い葉も捨てずに使って下さい。火を通すので硬さは問題なく、美しい緑色がしっかり出るからです。

 ゆで上がった時点で、ぜひゆで汁の味を見てみて下さい。はまぐりのエキスとキャベツの甘みが溶け出し、これだけで十分おいしい。まだ塩も使っていませんが、旨みは十分出ています。ゆで上がったキャベツをミキサーにかけていきますが、ここでひとつだけ注意が必要。できるだけ少ないゆで汁でキャベツをペースト状にすることです。水分量が多すぎてしまうと、キャベツの葉がミキサーの刃に当たりにくくなり、なかなかきれいなペースト状にならないからです。キャベツがすっかり滑らかになったら、鍋に移して温めます。このときに、残ったゆで汁を加えます。今回、私は120cc加えました。はまぐりの塩分はさまざまなので、この量をひとつの目安に、味を見つつ、塩辛くならないよう慎重に。好みの味に仕上がったら、はまぐりを盛り付けた皿に流して木の芽を添え、黒胡椒を挽いて完成です。冷やして冷製のすりながしにしても、とてもおいしい。木の芽と黒胡椒のスパイシーな香りも食欲をそそります。

材料(4人前)

はまぐり(殻付き、6〜8個)

1kg

酒(酒煎り用)

500cc

キャベツ

250g

かつお出汁

250g

2g

木の芽

適量

黒胡椒

適量
  1. はまぐりは砂抜きしておく。キャベツは芯を取って2〜3cm角に切る。

  2. 鍋に酒を沸かして砂抜きしたはまぐりを入れて酒煎りにする。貝が開いたらはまぐりをとりだして、煮汁はキッチンペーパーで濾す。

    はまぐりは貝柱に火が通ると殻が開くので、ときどき箸で返しつつ両側から火を入れると、短い時間で火が通り、ふっくらと仕上がる。

  3. (2)の煮汁を鍋に入れて、キャベツをゆで、氷水を張ったボウルに鍋ごと入れて色止めをする。

    はまぐりを酒煎りした汁でキャベツをゆでることで、キャベツも出汁を吸い、味わいにまとまりと凝縮感が出る。

  4. (3)のキャベツにごく少量の煮汁を加え、滑らかになるまでミキサーにかける。

    汁気が多い状態でミキサーを回すと、キャベツが刃に当たりにくくなってしまうので、滑らかになるまで時間がかかり、甘みも損なわれる。

  5. (4)を鍋に移して温め、味をみながら適量のゆで汁(120g目安)とかつお出汁を加えて味を調える。

  6. 器にはまぐりを盛り付けて(4)を流し、木の芽と挽きたての黒胡椒を添える。

はまぐりは、きちんと砂抜きが出来ているかが、完成した時の料理のおいしさに大きく関わります。時間に余裕を持って、しっかり砂抜きして下さい。3%の塩分に浸して冷暗所で1晩。時間がないときでも5時間は置きましょう。ビタミンB1を壊すアノイリナーゼという酵素が含まれているので、一般に生食は避けるべき食材とされています。加熱をすると、身からたっぷりと旨みが出ます。今回のすり流しのほか、お吸い物や酒蒸しなどにすると非常にいい出汁が出ます。ビタミンB12、アミノ酸類も豊富に含まれている栄養価の高い食材。旬のうちにたくさん食べましょう。

佐藤寛幸 HIROYUKI SATO

1978年、愛知県生まれ。調理師学校を卒業後、岐阜の日本料理店『たか田八祥』に勤務。13年間腕を磨く。同店出身でミシュラン二つ星の東京・三田『晴山』山本晴彦氏に乞われ、4年間、ホール、厨房での仕事を経験し、2015年10月、銀座に自身の名を冠した『寛幸』をオープン。6席のカウンターが中心の店をひとりで切り盛りする。和食を軸に、さまざまな食材を取り入れた創意あふれる料理に定評あり。食通から料理人仲間にまで幅広く支持される。

寛幸

住│
東京都中央区銀座4-10-1 HOLON GINZA6F
電│
03-6264-3317
営│
17:00~24:00LO(22:00~ショートコースあり、金・土はアラカルトも)
休│
不定
席│
カウンター6席、サブカウンター2席

カード│使用可

毎月2回更新

2018.3.26 UP 次回は4月9日更新予定です。

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