たけのこと菜の花とあさりの軽い煮込み

vol.

トップシェフのヘルシーレシピ

たけのこと菜の花とあさりの軽い煮込み

1人分 139kcal 食塩相当量 1.8g

山、畑、海からの恵みが
一堂に集まる春爛漫な一皿。

野菜とあさりの旨みが引き立合う
ピリ辛の唐辛子もアクセントに。

 旬の食材はいつの季節も楽しみですが、寒い冬の次に訪れる春は、うれしさも格別な気がしますよね。春の味覚の代表格ともいえるのが、たけのこ。淡い甘みとしゃくしゃくとした食感は、ほかの野菜にはないおいしさです。私の店でも、シンプルなつゆそばや焼きそばでお出ししていますが、とてもファンが多いです。菜の花の鮮やかな緑色も、春の記憶と分かちがたく結びついているのではないでしょうか。今回はそのたけのこと菜の花に、海からの春の知らせであるあさりを合わせた1品をご紹介しましょう。
 難易度はさほど高くない料理ですが、押さえるべき手順は押さえ、かけるべき手間をしっかりかけると、想像したよりずっとおいしくできます。第一のポイントは、野菜の火入れ。たけのこ、菜の花の順に鍋に入れ、ほどよい食感が残るようさっと炒めます。菜の花はサラダ油を絡めるくらいのつもりで、鮮やかな緑色のうちに鍋から上げて下さい。第二のポイントは、あさりの火入れ。あさりは火が入ると殻が開くのはご存知ですよね。殻が開いた状態で長く炒めすぎると、身が縮んで固くなってしまうので、開いたものから次々にボウルに上げて下さい。

 面倒かもしれませんが、ここで手を抜かないのがおいしさの秘訣。仕上がりの味を大きく左右します。あさりを炒める際は、ねぎ、にんにく、唐辛子を使いますが、まず鍋にサラダ油を足して、香味をしっかり立ててから、あさりを投入することをお忘れなく。
 あさりをすべてボウルに上げたら、煮汁の味を調えて水溶き片栗粉でとろみをつけてあんを作り、あさりを鍋に戻します。あさりにはもう火が入っているわけですから、ここではさっとあんを絡める程度で火を止めましょう。皿にたけのこと菜の花を盛り、上からあさりのあんをかけて完成です。
 今回は「かんし」という唐辛子を使いました。赤色は淡いのですが、辛みが鮮烈。シンプルな塩味の軽い煮込みの、刺激的なアクセントになっています。辛さは、お好みで。
 山、畑、そして海からもたらされる春の味覚を一度に味わえる贅沢な1皿です。

材料(4人前)

たけのこ

100g

菜の花

100g

あさり

400g

ねぎ(みじん切り)

大さじ1

にんにく(みじん切り)

大さじ1

唐辛子

2本

サラダ油

大さじ2(2、3の工程2回分)

150cc

大さじ1

4g

濃口しょう油

小さじ1

水溶き片栗粉

少々
  1. あさりは前日から塩水に浸し、砂を抜いておく。たけのこは下ゆでしてひと口大に切る。菜の花は4cm程度に切る。

  2. 鍋にサラダ油大さじ1をひいてまずたけのこを炒め、続いて菜の花を加え軽く炒め、鍋から上げて皿に盛る。

    菜の花は火が入りすぎると食感が損なわれるので、短時間で少し固めに炒める。

  3. (2)の鍋にそのままサラダ油大さじ1を加え、ねぎ、にんにく、唐辛子を炒める。香りが立ったら水とあさりを入れて、殻が開くまで火を入れる。

    あさりは火を入れすぎると身が固くなるので、殻が開いた(火が通った)ものからボウルに上げる。

  4. すべてのあさりをボウルに上げたら、煮汁に酒、塩、濃口しょう油を加えて味を調え、火を止めて水溶き片栗粉を入れてとろみを付け、あさりを戻して和える。たけのこと菜の花の上にあさりのあんをかける。

たけのこの旬は3〜5月。産地が南から少しずつ北上することから「たけのこ前線」なんていう言葉があるほど。春を代表する味覚のひとつで、とりわけ、和食、中華では多用されます。さまざまな種類がありますが、一般的な食用のたけのこは、孟宗竹の若芽のこと。大型で食感、香りとも非常に良いです。たんぱく質が豊富で、ビタミンB1、B2、ミネラルも多く含む栄養価の高い食材。食物繊維の含有量が多いことでも知られます。ときにえぐみを感じることがありますが、それはホモゲンチジン酸や蓚酸に由来するもので、掘ってから時間が経てば経つほど強くなります。掘ったたけのこは必ず出来るだけ早く下ゆでをして、アクを抜いてから保存しましょう。

古田等 HITOSHI FURUTA

1956年生まれ、岐阜県郡上市出身。22歳で『開化亭』をオープン。中華料理の本流を踏まえながら、独創的なアイデアとテクニックでオリジナリティ溢れる美味を生み出す。2014年12月23日に東京・銀座に『Furuta』をオープン。旧店を長男に託し、カウンター8席の新天地で新たなステージに挑戦。食材や調理法の組み合わせは秀逸で「鮎の春巻き」「冷製ビーフン キャビアの純正ごま油和え」等、スペシャリテも多数。

Furuta

住│
東京都中央区銀座1-21-14
電│
03-3535-5550
営│
17:00~最終入店20:30
休│
日曜、月曜
席│
8席

カード│使用可

毎月2回更新

2018.4.9 UP 次回は4月23日更新予定です。

  • ピン