小芋を炊くということ - 「おいしい」のコツ - vol.05

vol.

「おいしい」のコツ

小芋を炊くということ

「炊く」とは液体の中で加熱すること。
日本料理の中で、もっとも出番が多い加熱方法です。
ごはんも言ってみればすべて「炊く」に当たります。
「炊く」は加熱方法であると同時に、味付け方法でもある。
表面は硬いのに、噛んだら中がグニャっと柔らかい、
反対に、外側が柔らかく芯に硬さが残っている、あるいは
中まで味が染みてない。そんな悩みを解決する、
均質に柔らかく、均質に味が付いた小芋の炊き方を紹介します。

小芋を炊くということ - 「おいしい」のコツ - vol.05

「おいしい」のコツ

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小芋を炊くということ

「炊く」とは液体の中で加熱すること。
日本料理の中で、もっとも出番が多い加熱方法です。
ごはんも言ってみればすべて「炊く」に当たります。
「炊く」は加熱方法であると同時に、味付け方法でもある。
表面は硬いのに、噛んだら中がグニャっと柔らかい、
反対に、外側が柔らかく芯に硬さが残っている、あるいは
中まで味が染みてない。そんな悩みを解決する、
均質に柔らかく、均質に味が付いた小芋の炊き方を紹介します。

下炊きか、味付け炊きか

下炊きか、味付け炊きか

 日本料理の加熱方法は「焼く」「蒸す」「揚げる」「炊く」が基本です。その中で「炊く」だけは加熱技法であると当時に“味付け方法”でもあります。調味した液体の中で加熱することにより、素材の内部に味を含ませることができます。何を炊こうとしているのか、素材を柔らかくするための「下炊き」なのか、味を付けるための「味付け炊き」なのか。あるいは、同時進行なのか。「下炊き」と「味付け炊き」を分けて捉え、それを自覚することからはじめましょう。

下炊きか、味付け炊きか

下炊きか、味付け炊きか

 日本料理の加熱方法は「焼く」「蒸す」「揚げる」「炊く」が基本です。その中で「炊く」だけは加熱技法であると当時に“味付け方法”でもあります。調味した液体の中で加熱することにより、素材の内部に味を含ませることができます。何を炊こうとしているのか、素材を柔らかくするための「下炊き」なのか、味を付けるための「味付け炊き」なのか。あるいは、同時進行なのか。「下炊き」と「味付け炊き」を分けて捉え、それを自覚することからはじめましょう。

皮は厚めに深くむく

皮は厚めに深くむく

 まず上下を切り落としてから、六角形になるよう皮をむきましょう。この時、皮を厚めに深くむいてやると地肌がきれいに出て、均質においしく炊き上がります。包丁の刃が入りづらい、あるいは赤くなっていたり、色が違う部分は他と比べ硬かったり、組織に差があります。こうした部分は包丁で切り落とすこと。細かい点が味の差になります。

皮は厚めに深くむく

皮は厚めに深くむく

 まず上下を切り落としてから、六角形になるよう皮をむきましょう。この時、皮を厚めに深くむいてやると地肌がきれいに出て、均質においしく炊き上がります。包丁の刃が入りづらい、あるいは赤くなっていたり、色が違う部分は他と比べ硬かったり、組織に差があります。こうした部分は包丁で切り落とすこと。細かい点が味の差になります。

小芋のむき方

芯まで均一に柔らかく

芯まで均一に柔らかく

 まず、小芋を柔らかくするための「下炊き」。ここでの目的は、芯まで均一に柔らかくすることです。調味料を入れると素材が締まって柔らかくなりません。まずは味を付けられる状態まで柔らかくするのが先です。今回は米のとぎ汁の中で炊くとしましょう。火加減が強いと、芯まで火が入らないうちに表面だけが変質して崩れてきます。煮ものの場合、総じて80℃くらいのやわらかい火加減で、じっくり時間をかけて煮ると失敗がありません。お湯がボコボコと沸き立たない状態に保ち、静かにゆっくりと火を入れていきましょう。ほぼ柔らかくなったところで、今度は「味付け炊き」に移ります。

芯まで均一に柔らかく

芯まで均一に柔らかく

 まず、小芋を柔らかくするための「下炊き」。ここでの目的は、芯まで均一に柔らかくすることです。調味料を入れると素材が締まって柔らかくなりません。まずは味を付けられる状態まで柔らかくするのが先です。今回は米のとぎ汁の中で炊くとしましょう。火加減が強いと、芯まで火が入らないうちに表面だけが変質して崩れてきます。煮ものの場合、総じて80℃くらいのやわらかい火加減で、じっくり時間をかけて煮ると失敗がありません。お湯がボコボコと沸き立たない状態に保ち、静かにゆっくりと火を入れていきましょう。ほぼ柔らかくなったところで、今度は「味付け炊き」に移ります。

「等温」で小芋を移動する

 下炊きした小芋を冷たい水にさらしたりしないこと。柔らかさが少なからず戻ってしまうからです。人間に例えるなら、いい湯加減の湯につかって毛穴も開きポワーンとして気持ちがいい状態。そこにいきなり冷水を浴びせかけられたら、身はかじかんで毛穴もギュッと閉じてしまう。当然表面は硬くなり、味も入らなくなります。小芋には出来るだけ環境の変化を気付かせないよう、ポワーンとした気分のまま糠を抜き、だしに浸け替えてやる。具体的には、下炊きと同じ程度に熱した湯にさらし、沸かさないように気を付けながら少し炊きます。大切なのは、「等温」での移動。急激に温度や環境を変えて、小芋をびっくりさせないことです。

「等温」で小芋を移動する

「等温」で小芋を移動する

「等温」で小芋を移動する

 下炊きした小芋を冷たい水にさらしたりしないこと。柔らかさが少なからず戻ってしまうからです。人間に例えるなら、いい湯加減の湯につかって毛穴も開きポワーンとして気持ちがいい状態。そこにいきなり冷水を浴びせかけられたら、身はかじかんで毛穴もギュッと閉じてしまう。当然表面は硬くなり、味も入らなくなります。小芋には出来るだけ環境の変化を気付かせないよう、ポワーンとした気分のまま糠を抜き、だしに浸け替えてやる。具体的には、下炊きと同じ程度に熱した湯にさらし、沸かさないように気を付けながら少し炊きます。大切なのは、「等温」での移動。急激に温度や環境を変えて、小芋をびっくりさせないことです。

調味料は数回に分けて加える

調味料は数回に分けて加える

 「炊く」工程の中で一番難しいのが、味を煮含めること。せっかく柔らかく下炊きした素材が調味料を加えると、浸透圧の関係で硬く締まってしまいます。素材が締まるとどうなるか? 硬くなり、味の染み込みが悪くなります。コーティングしてしまう、と言えばわかりやすいかもしれません。特に砂糖。一度に加えたりでもしたら、せっかくの下炊きが台無し。食べてみて味が表面にしかのってない、歯ごたえがグリグリと硬いとしたら、それは砂糖の入れ方が乱暴すぎたことが原因です。砂糖は2度3度どころか、何度にも分けて少しずつ加えること。小芋が気付かないくらい少しずつ糖度を上げていけば、柔らかさを邪魔せず、均質に味が染み込んでいきます。

調味料は数回に分けて加える

調味料は数回に分けて加える

 「炊く」工程の中で一番難しいのが、味を煮含めること。せっかく柔らかく下炊きした素材が調味料を加えると、浸透圧の関係で硬く締まってしまいます。素材が締まるとどうなるか? 硬くなり、味の染み込みが悪くなります。コーティングしてしまう、と言えばわかりやすいかもしれません。特に砂糖。一度に加えたりでもしたら、せっかくの下炊きが台無し。食べてみて味が表面にしかのってない、歯ごたえがグリグリと硬いとしたら、それは砂糖の入れ方が乱暴すぎたことが原因です。砂糖は2度3度どころか、何度にも分けて少しずつ加えること。小芋が気付かないくらい少しずつ糖度を上げていけば、柔らかさを邪魔せず、均質に味が染み込んでいきます。

ひき加熱で味を染み込ませる

ひき加熱で味を染み込ませる

 「味付け炊き」をしたら火を止め、そのまま冷やしていきます。これを「ひき加熱」と言います。80℃から70℃、60℃と温度が少しずつ下がっている間も小芋は加熱されています。加熱しないで、実は加熱しているのです。この状態では煮崩れもしないし、30分もおけば中まで十分に味が染み込みます。食べるときにはもう一度温めてもいいでしょう。冷たいままでもおいしく味わえます。

ひき加熱で味を染み込ませる

ひき加熱で味を染み込ませる

 「味付け炊き」をしたら火を止め、そのまま冷やしていきます。これを「ひき加熱」と言います。80℃から70℃、60℃と温度が少しずつ下がっている間も小芋は加熱されています。加熱しないで、実は加熱しているのです。この状態では煮崩れもしないし、30分もおけば中まで十分に味が染み込みます。食べるときにはもう一度温めてもいいでしょう。冷たいままでもおいしく味わえます。

素材の性質を見極める

素材の性質を見極める

 「均質に炊く」「均質に味を染み込ませる」ポイントは、多くの素材に共通することです。たとえば、たけのこなどはもっと気を使う素材でもあります。表面は変化がないように見えて、実は繊維の間の水分が膨張して、内部の身が割れてくる。たけのこは、内側の水分をだしと入れ替えてやる、という感覚。小芋より形が大きく、硬くなりやすい素材ですから、段階を踏んで、少しずつ味にならしていくのです。「炊く」とはそうした目に見えない部分まで考え、素材の性質を見極めなければなりません。

素材の性質を見極める

素材の性質を見極める

 「均質に炊く」「均質に味を染み込ませる」ポイントは、多くの素材に共通することです。たとえば、たけのこなどはもっと気を使う素材でもあります。表面は変化がないように見えて、実は繊維の間の水分が膨張して、内部の身が割れてくる。たけのこは、内側の水分をだしと入れ替えてやる、という感覚。小芋より形が大きく、硬くなりやすい素材ですから、段階を踏んで、少しずつ味にならしていくのです。「炊く」とはそうした目に見えない部分まで考え、素材の性質を見極めなければなりません。

小芋の炊き方

 以上の7のポイントをしっかり押さえたら、今度は映像で小芋の炊き方を見てみましょう!

小芋の炊き方