e食材辞典

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新鮮な食材の見極め方や旬の時期、下処理の仕方からその調理法まで、
毎日のお買い物や献立づくりに役立つ情報が満載です。

食材解説・監修|神戸女子大学家政学部教授 後藤昌弘(農学博士)

魚介類

イワシ/マイワシ/いわし

イワシ/マイワシ

この食材のレシピ

分類 ニシン科
学名 Sardinops melanostictus Temminick et Schlegel
外国語名 Japanese pilchard (英)、Sardine (仏)
別名 ななつぼし(東北)、おりざき(新潟)、ひら(宮城)、ひらご(瀬戸内海)、ぎんむし(高知)、やまとみずん(沖縄)
由来 ヨワシ(弱)、イヤシが転化したものと言われ、イヤシとは身分の高い人は食べない魚の意味。しかし、紫式部が食べたところから、女房詞で紫、おむら、おほそなどと呼ばれたといわれる。また、イワシは極めて鮮度が落ちやすいことから、魚偏に弱いと書くようになったと思われる。
歴史背景 日本では食用にした歴史は古く、縄文・弥生の遺跡にもその痕跡が見られる。また、平城宮跡の木管にも「伊和志」の文字が見られ、平安中期の「延喜式」にも鰯汁などの文字が見られる。かつて日本の全漁獲高の半分ほどを占めた大衆魚だが、ここ数年は水揚げ量が激減している。
時期 産卵期前の大型は2~3月が旬。小型は夏が旬。
国内分布 九州からサハリンまでに分布し、海の表層に生息する動物性プランクトンを主食としながら群泳している。日本の沿岸を北上し、秋に南下するようなる季節的な大回遊を行っている。寿命は7~8年。
特徴 ほかのいわし類より脂質やカロリーが高いが、カルシウム等のミネラルが多く含まれる。また、血管系の病気の予防に役立つと言われるIPA(EPA)や、脳を活性化するとして注目されているDHAが多く含まれており、最近真いわしの価値が見直されている。シラスは真いわしの稚魚。
品種名 マイワシ
下処理 身がやわらかいので、基本的には包丁を使わずに「手開き」にする。方法は、(1)うろこをとって洗い、頭は付け根で腹側にちぎる。(2)頭を引っぱって内臓を抜き取り、水洗いする。(3)中骨の上に親指を入れてそのまま尾の方にすべらせて身を開く。(4)尾の付け根で中骨を折り、頭の方に向けてはずす。(5)開いた身の腹骨をすき取る。
料理名 いわしの塩焼き、いわしのパン粉焼き、いわしのはさみ揚げ、いわしの甘酢あんかけ、いわしの姿煮、いわしの梅煮、いわしの香味醤油焼き、いわしの香味みそ焼き、いわしのハーブ焼き、いわしのごま焼き、いわしと白菜のちり鍋、いわしのハンバーグ、いわしのグラタン、いわしの天ぷら、いわしのフライ、いわしの辛煮、揚げいわしの豆腐あんかけ、焼きいわしの南蛮サラダ
調理法 さまざまな料理が楽しめる。大ぶりの真いわしは塩焼きにしておろし大根と醤油で食べるとおいしい。いわしを煮るときには、梅干しやみそを少量入れると生ぐさみがやわらぐ。またしょうがや長ねぎなどの香味野菜と一緒に調理してもくさみをやわらげることができる。フライにするときは牛乳につけてから使うとくさみも抜け、味にコクが出る。ごく新鮮なものは、頭の付け根をつまんで頭を取ると、腹わたまでスルッと抜けるので、そのまま水洗いして刺し身、たたき、ぬた、酢の物などにするとおいしい。またすり身にしてつみれ汁にするのもよい。
加工品 干物(丸干し、めざし、みりん干し、煮干し、田作り、しらす干し、ちりめんじゃこ、たたみいわし)、缶詰(油漬け缶詰、水煮、トマト漬け、味つけ)
選び方 体側に7つぐらいの黒い斑点(黒星)があるのが真いわしで、大きさにより、さらに「大羽」(おおば)、「中羽」(ちゅうば)、「小羽」(こば)と呼ばれている。真いわしの幼魚は「ひらごいわし」という。いわしはまるまる太って背の青みに光沢があり、腹は銀色のもの、うろこがたくさんついているものが新鮮。身に弾力があり、腹の裂けていないもので、えらは鮮紅色のものを選ぶこと。口元から目にかけて赤みの出ているものは古くなっている証拠。
保存方法 鮮度が落ちやすいので、早めに調理すること。使いきれないときは、頭と内臓を取り除いてから開いて軽く塩をしフライ衣をつけて冷凍しておくと、おべんとうのおかずなどにすぐ使えて便利。また開いてタレにつけて冷蔵庫に入れておき、かば焼きに利用してもよい。
栄養 カルシウム等のミネラルが多く含まれる。また、IPA(EPA)やDHAが多く含まれている。
備考 節分の夜に、焼いたいわしの頭と柊を門前に飾り、魔よけをする風習がある。これは柊のトゲで鬼の目を突き、いわしを焼いた臭いで鬼を追い払う意味がある。また、この風習から派生したのか、「鰯の頭も信心から」ということわざもある。