e食材辞典

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新鮮な食材の見極め方や旬の時期、下処理の仕方からその調理法まで、
毎日のお買い物や献立づくりに役立つ情報が満載です。

食材解説・監修|神戸女子大学家政学部教授 後藤昌弘(農学博士)

魚介類

タラ/マダラ/たら

タラ/マダラ

この食材のレシピ

分類 タラ科
学名 Gadus macrocephalus
外国語名 Cod, Pollack (英)、Cabilland, Morue (仏)
別名 真鱈:こぼだら、いぼだら、ほんだら(福島)、まいだら(富山)、あかはだ(兵庫)、あら(長崎)、すいぼお(石川)、すけとうだら:すけとう、すけそう、きじだら(富山)、めんたい(福岡)
由来 身が雪のように白く、雪のころにおいしくなることから魚偏に雪と書くと言われるが、切っても白くて血がたれないとする説や、タル(足る)の意味という説もある。
歴史背景 日本では15世紀ごろから食されていたようで、室町後期の文献に「初雪魚」として記載されている。また武士の間では「死んでも生き返る活力のある魚」として好まれ、初タラは将軍家に献上されたという。
時期 産卵期は冬で、冬の1~2月に旬を迎える。
国内分布 東北から北海道にかけての北太平洋全域、日本海の山陰以北からオホーツク海までなどに分布している。一般に150m~300mの深いところにおり、底引き網などで獲れる。日本近海産のタラは、最近激減しているが、練り製品の材料として需要が増えているため、深海での漁や、海外からの輸入も増えている。
特徴 タラ類にはスケトウダラ、コマイ、チゴダラなど日本近海に約90種がいるが、一般的にタラというとマダラをさす。マダラは白身の柔らかい肉質が特徴で、水分が多く、脂質が少なく淡いうまみがある。ちり鍋の材料としても有名。
下処理 肉質がやわらかく、身割れしやすいので扱いには気をつける。
料理名 たらちり、たら汁、たらのバター焼き、たらの塩焼き、たらのフライ、たらの煮つけ、たらの蒸し物、たらのかす漬け、たらの中国風梅煮などに。昆布との相性もよいので、たらの昆布じめにしてもおいしい。また残った身はそぼろやでんぶにするとよい。たらの精巣である白子はサッと塩ゆでして、椀種や鍋の材料に。
調理法 味わいが淡泊でさまざまな調理法に向いている。獲れたてのものは刺身にもできるが、時間経過と共に特有の臭みが出てくるので、新鮮なうちに味わいたい。そのほか、ちり鍋、ブイヤベース、煮つけ、塩焼き、ムニエル、フライ、かす漬け、干物、でんぶなどに。「菊子(キクコ)」とか「雲子(クモコ)」と呼ぶ白子は鍋物、酒蒸し、酢の物、汁の実、フライに。卵は煮つけなどに。
加工品 干しだら、でんぶ。卵巣をとったあとのすけとうだらの身は、鮮度の低下が早いので、加工食品とされることが多く、一般の市場には出回りにくい。たらこや辛子明太子は、真だらではなく、すけとうだら(すけそうだら)の卵巣を塩漬けにしたもの。生の卵巣(生たらこ)は、1月~3月にかけて出回る。
選び方 鮭と並ぶ北海の代表的な魚で、一般には「真だら」を指す。切り身を選ぶときは皮が黒く、肉質に透明感があってほのかにピンク色がかった、張りのあるものを。身が白っぽくなっているものは冷凍もの。甘塩にしたものもあるが、生に塩を振って用いたほうがおいしい。白子や卵は、つやがあって全体に盛り上がっているものを。
保存方法 切り身(または三枚におろしたもの)に薄く塩をして冷蔵庫へ入れておくと、余分な水分が適度に抜けて身がしまり、鮮度を保てる。
栄養 タンパク質が主成分。脂肪が非常に少なく、消化されやすいので、胃腸が弱りぎみで脂っぽいものを避けたい人にも向く魚。しかも、いろいろな栄養素をまんべんなく含んでいるため、お年寄りの食事や離乳食などにも適している。
備考 「たらふく」…タラの胃袋は大きくて、大変な大食漢であることにたとえ、腹一杯、という意味で使われるようになったといわれる。