e食材辞典

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食材解説・監修|神戸女子大学家政学部教授 後藤昌弘(農学博士)

魚介類

マグロ/ミナミマグロ/インドマグロ/まぐろ

マグロ/ミナミマグロ/インドマグロ

この食材のレシピ

分類 サバ科マグロ属
原産地 産卵場はジャワ島、スンダ列島、オーストラリア北西岸に囲まれた大陸棚近く。
学名 Thunnus albacares(キハダマグロ),Thunnus Thynnus(タイセイヨウクロマグロ),Thunnus orientalis(クロマグロ),Thunnus maccoyii(ミナミマグロ),Thunnus obesus(メバチマグロ),Thunnus alalunga(ビンナガマグロ)
外国語名 Tuna, Tuny (英)、Thon (仏)
別名 いもしび、きつね(高知)、だるま、だるましび(東京、三重)、ばち(東京、宮城)、めっぱ、めっぱち(三重、和歌山)、めぶと(九州)
由来 眼が大きく黒い魚であることから目黒が転訛してマグロとなったとする説や体の色が黒っぽいことからまっくろが転訛してマグロとなったという説がある。
歴史背景 縄文・弥生時代の貝塚からマグロの骨が出土しているが、江戸時代初期までは一般的には食されていなかった。江戸時代後期に、しょうゆに漬けて保存する「づけ」ができ、人気が出たと言われる。現在では脂身(トロ)が最高級とされるが、昭和初期までは赤身の方が重宝された。トロは捨てられるか、貧しい人の食べ物だった。トロの人気が出てきたのは第2次世界大戦以後のこと。
時期 冷凍品は通年ある。また、世界中から輸入されるため通年ある物が多いが、キハダマグロは6~7月と10~11月、クロマグロは12~2月、メバチマグロは4~5月と10~2月、メジマグロは11~3月と言われる。
国内分布 ミナミマグロは、南半球10度以南のインド洋、ニュージーランドやオーストラリア北西域から西域に生息する。マグロは太平洋を季節的に回遊し、時速60キロで泳ぎ続けているといわれる。
特徴 マグロ属の総称。キハダマグロは日本近海でもとれ漁獲量は多いが脂肪が少なくトロに相当する部分がない。缶詰にも加工される。タイセイヨウクロマグロは大西洋、地中海、黒海に生息する巨大種で4.5m,680kg程度にまでなる。クロマグロは日本近海を含む太平洋の温帯・熱帯域に生息する。本マグロともよばれ、高値で取引される。幼魚はメジマグロやマメジ、ヨコワとよばれる。ミナミマグロは南半球に生息する。脂が多く、寿司種に好まれる。メバチマグロは眼の大きい中型種でマグロ類の中では漁獲量が多い。ビンナガマグロは小型種だが、胸ビレが大きく長い。身は淡いピンクでやや水っぽい。缶詰に加工される。
料理名 鉄火丼、ねぎま鍋、焼きまぐろ、まぐろのたたき、刺身、まぐろの辛子酢みそ、まぐろの山かけ、ねぎとろ、まぐろの照り焼き、まぐろの煮つけ、まぐろの佃煮、まぐろのフライ、まぐろの蒸し煮
調理法 生食とともに、様々な料理に用いられる。刺し身やすし種、とろろいもをかけた山かけ、ねぎやみそで和えたねぎトロ、小さな角切りにし、ねぎと一緒に汁にしたねぎま、ステーキ、照り焼きなどに。
加工品 缶詰(水煮、油漬など)
選び方 ミナミマグロは、味、色、脂ののりもクロマグロに匹敵する味といわれている。赤身と脂身がはっきりとしていて、トロがたくさんとれる。遠洋ものは、漁獲後新鮮なうちに船内で急速冷凍され、マイナス35℃で保存されるので、生のものよりも鮮度がよい。最近では、鮮魚の状態で空輸されてくるものもある。また、まぐろは部位によってうまみが違う。背の部分は赤身が多い。腹側は脂肪が多く、この部分をトロと呼ぶ。さく取りされたまぐろの身を買うときは、色鮮やかでしっとりとして脂のりのよいものを選ぶこと。また、筋目が縦に平行または斜めに走っているものがよく、半円を描くように入っているものは筋がかたいので注意する。とくに筋の間隔が狭くなっているものは、尾に近い部分の身で、筋っぽいので避けたほうがよい。
保存方法 まぐろの身は空気にふれると、乾燥したり、酸化して色が変わったりしやすく、味が落ちるので、できるだけ空気にふれないように、上手に保存することが大切である。
栄養 必須アミノ酸を多く含む良質のたんぱく質、ナイアシンが豊富。1本のまぐろでも、背側の赤身と腹側のトロとでは栄養的に異なる。赤身は脂肪が少なくて高タンパクなのに対して、トロは赤身の20倍弱の脂肪があって、うなぎに匹敵し、多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれ、なかでもDHA(ドコサヘキサエン酸)、IPA(イコサペンタエン酸)が多い。
備考 日本は世界1のまぐろ消費国。日本人が食べるマグロの5割が輸入品。一方、クロマグロやミナミマグロは数が激減し、絶滅のおそれのある魚として国際自然保護連合のレッドリストに記載されている。