e食材辞典

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食材解説・監修|神戸女子大学家政学部教授 後藤昌弘(農学博士)

卵類

タマゴ/鶏卵

タマゴ

この食材のレシピ

原産地 ニワトリは、セキショクヤケイ(インド東北部から中国南西部に分布)が飼い慣らされたものが祖先。品種改良が世界各地で行われてきた。養鶏品種ではレグホン種が最良品種である。これは古代ローマで育成され、近代に至って米国で淘汰育成されたものである。
外国語名 hen's eggs (英)、œuf de poule (仏)、Hühnerei (独)、鶏蚕 (中)
別名 鶏卵、玉子
由来 形が球形であることからタマ(玉)のコ(子)となった。殻のあるものについてはカヒゴ(カヒは殻の意で、貝と同源の語)という語形が見られる。タマゴの語が出現するのは室町期で、「日葡辞書」にはタマゴの解説として、「京都ではカイゴと言う」とあるので、当時タマゴは方言あるいは俗語の形であったと考えられる。
歴史背景 セキショクヤケイ(インド東北部から中国西南部)を飼いならし家畜化したものがニワトリの祖先で、世界中で品種改良されてきた。卵は多産のシンボルとして、宗教上の崇拝の的であった。例えば卵殻に色を塗ったり絵を書いたりする慣習は古代からよく知られており、今でも特にウクライナ地方で行われている。日本では古代のころ鶏卵を食べることは禁じられていた(信仰的な見地から)。日本人が卵を食べるようになったのは、安土桃山時代に南蛮菓子が渡来したころであると考えられている。
伝来 室町時代より前には鶏卵に関する記述があった。安土桃山時代に南蛮菓子(カステラなど)の材料として卵を食べるようになった。
時期 産卵数は日長に影響されて春に多く、秋に減少するが、現在では飼養技術が進歩し、人工光線の活用により季節的変動が極めて少なくなっている。
国内分布 日本では鹿児島、愛知、茨城、千葉など。関東・東海・九州で、全体のほぼ半分の羽数が飼育されている。
特徴 卵の殻の色は、鶏の種類によって決まる。殻の色と中身の卵白・卵黄の栄養価値とは関係ない。淡白な味をもち、甘、酸、塩、いずれの味ともよく合う。油や香辛料ともよく調和する。そのため生食、あるいは茹でて食べるほか、料理や菓子類の材料として用途が広い。卵黄と卵白は味も性質も異なるので別々に用いることも多い。料理に用いる卵の主な性質としては、卵白の起泡性、卵黄の乳化性、希釈性、熱変性による凝固などがある。
品種名 卵用種:白色レグホン、黒色ミノルカ、卵肉兼用種:横斑プリマスロック、ロードアイランドレッド、ニューハンプシャー
下処理 タマゴの選別、格付、包装施設であるGPセンターを経てくるものは必ず洗浄されているので、殻の表面ははきれいである。このため、そのまま用いても問題ない。
料理名 卵白の起泡性を利用:ケーキなど 卵黄の乳化性:マヨネーズなど 希釈性:肉団子やハンバーグのつなぎなど 熱変性による凝固:茹で卵、半熟卵、カスタード、茶碗蒸し、卵焼き、オムレツ、ポーチドエッグ、だし巻き卵、卵豆腐など
調理法 ゆでる、焼く、煮るなど
加工品 マヨネーズ、液卵(液全卵、液卵黄、液卵白)、加糖卵、乾燥卵(乾燥全卵は製菓用、乾燥卵黄は製菓用や即席麺用の具材、乾燥卵白はハムや麺類のつなぎなどに利用)、水煮缶詰
選び方 殻の表面がザラザラしたものが新鮮と言われるが、市販のパック詰めのものは殻の洗浄の際に表面のザラザラがとれてしまうのでこれでの判定はできない。殻に傷があるものは菌が侵入するため避ける。また、殻がぬれているものは細菌やカビが繁殖しやすいので避ける。割った際にドロドロした濃厚卵白が見られず水っぽい卵や卵黄に高さや張りのないものは古いので生食はしないようにする。
保存方法 卵の賞味期限は生で食べられる期間を指す。10℃以下で保存することが望ましい。卵はとがった方を下に、パックに入れたまま保存する。冷蔵庫のドアポケットは振動が多く温度も上がりやすいため卵の保存には不適切。卵を水洗いしたりゆで卵にしたりすると痛む速度が速まる。
栄養 ビタミンC、食物繊維以外のほとんどの栄養素をバランスよく含んでいる。特にタンパク質の供給源として重要で、消化率が97%(全卵)と高い。また、アミノ酸バランス極めてよい。脂質はオレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸の順で多く含まれる。ビタミンは主に卵黄に多く、A、B1、B2、D、E等を含む。
備考 食用となる鳥のタマゴは、ニワトリ、ウズラ、アヒル、シチメンチョウなどがあるが、ここでは生産、消費ともに最も多いニワトリについて述べた。