e食材辞典

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食材解説・監修|神戸女子大学家政学部教授 後藤昌弘(農学博士)

果実類

ウメ

ウメ

分類 バラ科サクラ属
原産地 日本、中国
学名 Prunus mume
外国語名 japanese apricot, mume (英)、prune japonaise (仏)
由来 ウメの語源は中国語の「梅」(マイ、メイ)といわれる。伝来当時の日本人は、鼻音の前に軽い鼻音を重ねていたため、meを/mme/(ンメ)のように発音していた。これが「ムメ」のように表記され、さらに読まれることで/mume/となり/ume/へと転訛する。一方で、今も「ンメ」のように発音する方言もまた残っている。他にも幾つかの異説があり、現在のところ、どれもまだ定説となるに至っていない。
歴史背景 奈良時代から庭木として観賞用の品種(花ウメ)が栽培されてきた。このため、春の訪れを感じさせる花としてなじみが深い。万葉集にも数多く登場しており、奈良時代には既に生活の一部として親しまれていたことがわかる。食用品種が栽培されるようになったのは江戸時代以降と言われている。ウメはアンズの近縁種で容易に交雑する。野生のウメや花ウメの果実は小さいので果実を利用する大粒種のウメはアンズとの交雑により大型化させている。ただし、完熟しても果肉に甘味を生じることはない。
伝来 古くから各地で栽培されてきたので、地方品種も多い。
時期 5月下旬から6月
国内分布 和歌山、群馬、茨城、奈良
特徴 梅酒や梅ジュースにするための青ウメは成熟はじめの実全体がまだ緑のうちに収穫する。梅干用のウメは成熟が進み果皮がほんのりと黄ばんだものを収穫するか青ウメを追熟して用いる。
品種名 小粒種:甲州最小、小梅; 中粒種:藤五郎; 大粒種:白加賀、鴬宿、南高、古城、豊後
料理名 煮梅、梅チャーハン、いわしの梅煮、あじの梅煮、魚の梅煮、こちの紅梅煮、鶏肉の梅酒煮、かぶの梅肉漬け、梅風味のスペアリブ、白身魚の梅みそ焼き、梅干しの吸物、梅干しの天ぷら、梅びしお、梅入りチーズディップ、梅がゆ、梅わかうどん、梅にゅうめん、キャベツの梅干し巻き、するめの梅干し漬け、豚肉の梅肉蒸し
調理法 一般的には生の梅をそのまま利用することはほとんどない。基本的には、塩漬けにしたものや梅酒漬けにしたものを、和え物、酢の物、煮物、炒め物、焼き物、ご飯物などに利用する。
加工品 梅干し、梅漬け、梅酒、梅びしお、梅ジャム
選び方 収穫後も追熟が進むので、時間がたつと果皮の黄化と軟化が進行する。軟化がさらに進むと腐敗が発生する。梅酒、梅ジュース等にする場合は、果皮が緑のきれいな、傷のないものを選ぶ。冷蔵品は低温障害にかかると果皮の陥没や褐変が生じるのでこれも避ける。梅干し、梅漬けなどにするものは、少し黄色みが帯びたものをえらぶ。この場合も、果皮の傷や褐変のないものがよい。
保存方法 ポリ袋に入れて保存する。青ウメは5~8℃で冷蔵すると黄化を抑制できるが、低温障害(果皮の陥没や褐変)を起こす場合がある。
栄養 有機酸(クエン酸、リンゴ酸)の含量が高く、4~6%程度になる。このため酸味が強い。有機酸には疲労回復や食欲増進の作用があるといわれている。