e食材辞典

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食材解説・監修|神戸女子大学家政学部教授 後藤昌弘(農学博士)

藻類

コンブ/昆布

コンブ

この食材のレシピ

分類 褐藻類コンブ科コンブ属他
原産地 北海道沿岸、東北沿岸など
学名 Laminaria spp. 他
外国語名 kombu, tangle, ribbon weed, kelp (英)、海帯 (中)
別名 エビスメ
由来 古名ヒロメ(広布)の音読みでコーブとなったという説、アイヌ語で海藻をコンブというのに基づいたという説などがある。
歴史背景 昆布自体はアジアや太平洋沿岸地域などで古代から食べられてきた。鎌倉時代に北海道産品を松前から小浜または敦賀を経て京都へ運ぶ西廻航路が開かれ、1710年頃からさらに下関、瀬戸内海を経て直接大阪へ運ぶ北廻航路が開かれて昆布の利用は飛躍的に高まった。
伝来 『続日本紀』に、「昆布を貢献する」という意味の文があり、これが初めて昆布の名が現れた文献であると考えられている。
時期 通常2年体が充分生長する7月中旬から9月上旬にかけて集中的に収穫する。
国内分布 北海道沿岸など
特徴 干し昆布の主成分は炭水化物で、糖類はアルギン酸、マンニトールなどである。蛋白質の種類や性状は明らかではないが、エキス分中のアミノ酸は全窒素量の50%近くを占め、その大部分はグルタミン酸である。その他にアスパラギン酸、プロリン、アラニンなどが存在する。これらは昆布の味を代表する成分である。
品種名 まこんぶ(渡島地域沿岸)、みついしこんぶ(日高・胆振地域沿岸)、とろろこんぶ(釧路・根室地域沿岸)、えながおにこんぶ(らうすこんぶ、根室海峡沿岸(羅臼))、りしりこんぶ(オホーツク海沿岸~日本海沿岸)、ほそめこんぶ(石狩・後志・桧山地域沿岸)
下処理 表面の白い粉は旨味成分であるため、旨味の損失を防ぐため、なるべく洗わずにしぼった布でふき取る程度で用いる。
料理名 昆布巻き、佃煮、昆布じめ、昆布押し(バッテラなど)、他にも煮しめやおでんや鍋物の具として用いられる。
調理法 グルタミン酸の旨味を目的に、素材としてよりもむしろだしの材料として使用されることが多い。昆布だしのとり方:布でふき取り、水に浸して膨潤させる(1時間~1夜くらい浸しても差し支えない)。加熱すると組織の崩れや液の粘りが出るので、加熱は80~85℃で数分間にとどめる。かつお節を併用する場合は、必ず沸騰直前にこんぶを取り出してからかつお節を入れる。
加工品 刻み昆布、削り昆布、おぼろ昆布(削り昆布の一種)、塩昆布、酢昆布、とろろ昆布など。
選び方 良質の干し昆布は一般に緑色を帯びた黒色で光沢があり、乾燥が十分で、肉厚で良い香りがある。黒色が強すぎるものは、いわゆる旬をはずれて採取されたもので味が劣る。また、黄みを帯び全体に光沢がないものは品質が劣る。
保存方法 市販品の塩蔵昆布は冷蔵保存で約2カ月間保存が可能である。市販品の乾燥昆布は常温で約1年間保存が可能である。開封後の乾燥昆布はビニール袋などに入れて冷蔵庫か冷凍庫に入れるとよい。開封後の乾燥昆布はまた、時々天気のいい乾燥した日に半日ほど日にあてるとより長持ちする。
栄養 アルギン酸などの多糖類を多く含んでいるが、これらには血中コレステロール低下、血圧低下などの薬理作用が認められている。他の海藻にもいえることだが、アルギン酸などの多糖類は難消化性で、食物繊維としての機能をもつ。無機質、特にカルシウム含量が高く、リン含量との比率(Ca/P比)が大きい。ヨウ素は100g中240~1000mgと、藻類の食品では含量が最も高い。ベータカロテンをはじめとするビタミンB群、Cなども多い。
備考 昆布の生産は天然産および養殖産に大別される。天然昆布とは、自然の状態で生育したもの、あるいは投石などによって着生しやすい条件をつくることで自然生育を助けたものをいう。養殖昆布とは、人工採苗による種糸を海に張り出して生育させたものをいう。